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首都圏新築マンション市場(19年度)|価格大幅に上昇、3万戸割れのドン底へ

不動産経済研究所は4月16日、「首都圏マンション市場動向2019年度」を発表。

  • 供給は22.0%減の2万8,563戸'92年(2万8,460戸)以来の3万戸割れ。初月契約率61.3%。
  • 平均価格は2.2%上昇の6,055万円、m2単価も3.0%上昇の90.1万円。単価は8年連続アップ

これだけではよく分からない。13年度以降の首都圏マンションの「供給戸数」と「平均価格」のデータが表形式で掲載されているので、同研究所が過去に発表したデータも含めて可視化してみた。


もくじ

価格大幅に上昇、3万戸割れのドン底へ

首都圏新築マンションの供給戸数と平均価格の推移を下図に示す。

  • 供給戸数
    耐震偽造事件(05年11月)以降急減し、リーマンショック(08年11月)の翌年に最低を記録。消費税増税8%(14年4月)の駆け込みで需要を先食いした後、再び減少し、19年度は3万戸割れのドン底へ
  • 平均価格
    耐震偽造事件の再発防止のための制度改革により約500万円コストアップ。その後、供給戸数を減らすことでリーマンショック(08年11月)後も4,500万円前後をキープ。13年度以降は供給戸数が減少するなかで、アベノミクスによる非実需要増の影響などにより平均価格が大幅に上昇

供給戸数と平均価格の推移(首都圏新築マンション)


政府はあの手この手で新築マンション需要を喚起しようとしているが、笛吹けども踊らず、3万戸割れのドン底へ。

市場規模、1.7兆円まで縮小

次に、市場規模(=供給戸数×平均価格)の推移について(次図)。

首都圏新築マンションの市場規模は、2000年代前半まで3.5兆円前後で推移していたが、耐震偽造事件(05年11月)の翌年度から縮小し始めて、リーマンショック(08年11月)の翌年度が1.65兆円のボトム。

その後、消費税増税8%(14年4月)前年まで拡大するものの、再び縮小し、19年度は遂に1.7兆円まで縮小。

市場規模と平均価格の推移(首都圏新築マンション)

新築から中古へ…

一方、中古マンションの市場規模は、01年度以降、徐々に拡大し15年度に1兆円を突破(次図)。

中古マンションの市場規模は、そのうち新築と逆転するのか。

首都圏マンション市場規模推移(新築vs中古)

 

ちなみに、供給戸数では16年度以降、中古が新築を上回っている(次図)。庶民は新築マンションの購入を諦め、中古マンションに流れているのであろう。

首都圏マンション供給戸数推移(新築vs中古)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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