日経クロストレンド 編『サブスクリプション2.0 』衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル(日経BP)を読了。
衣食住のサブスクリプションの成功・失敗事例が詳述されている。起業家志向の人にお勧めの1冊。
多拠点住み放題サービス
地方の空き家や遊休別荘を募って改装した物件に月4万円(税別)で住み放題。
月4万円で多拠点に居住 空き家問題に挑む
「全国好きな場所を移動しながら仕事、生活をしたい」。そんなライフスタイルをかなえるサービスが登場した。「ADDress」は、地方の空き家や遊休別荘を募って改装した物件に月4万円(税別)で住み放題になる。地方活性化にも期待がかかる。
(中略)
他にも多拠点住み放題サービスが動き始めている。長崎市のスタートアップ企業KabuK Styleが定額で世界中に住み放題をうたう「HafH(ハフ)」を19年4月に開始。19年1月8日に1号店を長崎市内にオープンし、クラウドファンディングサイト「Makuake」を通じて約400人から1000万円超の支援を受けた。ゲストハウスの運営会社などと提携して拠点を増やしていく。(以下略)(P108-114/Chapter03 住)
※地方創生にも寄与できる、空き家活用の新しいカタチ。ADDressのホームページには22件の家が表示されている(次図)。「2019年末に、45拠点を予定」と記されているので、今後の展開に期待したい。
家具のサブスクリプションサービス
月額制で好きな家具を借りられるサービス「subsclife」。
家具もサブスク ビジネス需要も視野
家具のサブスクリプションサービスに挑戦するベンチャー企業も登場している。subsclife(旧カマルクジャパン)は2018年9月13日から、月額制で好きな家具を借りられるサービス「subsclife」を開始した。
(中略)
subsclifeでは設定した利用期間の終了後に返却以外にも継続利用、交換、買い取りといつた選択肢を用意している。subsclife側は商品の「利用」と「所有」というように商品利用の選択肢に幅を持たせることで、購入のハードルを下げられるメリットがある。
例えば、賃貸マンションの契約満了時期にレンタルの終了予定日を合わせることで、引っ越す際に新しい部屋のサイズに合わせて借りる家具を交換するといった具合に利用できる。(以下略)(P115-117/Chapter03 住)
※家具を入れ替えることを面倒と考える人には不向きなサービスか。ビジネス需要に商機あり。
高級バック借り放題、クレーマーは一発退場
高級バック借り放題サービス「ラクサス」が成功している一因。
クレーマーは一発退場させる
(前略)過去に展開した事業の経験から、マナーの悪い顧客は全体の1%程度しかいないことが分かっていた。「その1%のために、他の99%の優良な顧客が割を食うのはおかしい」。児玉氏はそう考えた。
そこで、そうしたマナーの悪い顧客は客ではないと割り切り、サービスを利用させないことを決めた。従業員もクレーマーに延々と対応する必要がなくなり、労働環境も改善する。対応にかけるコストを加味する必要もなくなり、安価にサービスを提供できる。これにより月額6800円という料金が実現可能となった。
ちなみに、サービスの利用停止を言い渡された顧客の9割は謝罪して、サービスの継続利用を申し出るという。一度謝罪した顧客は、一転して優良顧客になる。自信のあるビジネスモデルだからこそ、優良顧客だけが残る仕組み作りを実現できている。(P29/Chapter01 衣)
※マンションとは全く関係ないテーマだが、クレーマー対策として様々な場面で応用可能な方策だったので、あえてピックアップ。お客様が神様でない時代がすぐそこまで来ている。
本書の構成
7章構成、253頁。
- Chapter01 衣
- Chapter02 食
- Chapter03 住
- Chapter04 動
- Chapter05 楽
- Chapter06 撤退の研究
- Chapter07 特別講座
『サブスクリプション2.0 』
あわせて読みたい(本の紹介 )