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アクセスこそ新時代の所有『ギグ・エコノミー』日経BP

ダイアン・マルケイ著、人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方『ギグ・エコノミー』日経BPを読了。

ギグ・エコノミーでは、モノの所有からアクセスに切り替えることで、経済は様変わりするという。


もくじ

ギグ・エコノミーとは

著者の言うギグ・エコノミーは、終身雇用と無職を両極として「そのふたつに挟まれたさまざまな労働形態を幅広く含む概念」のこと。

ギグ・エコノミーの「ギグ」とはもともと、ジャズ・ミュージシャン数人が組んでライブ演奏する「単発あるいは短期の仕事」を意味する俗語だったが、やがてジャズ以外の分野でも使われるようになった。ギグを中心とする新しい働き方や経済形態がギグ・エコノミーであり、そこで成功するカギが本書では解説されている。


日本でギグ・エコノミーを紹介する記事では、ウーバーといったプラットフォームを通じたオンデマンド労働ばかりがクローズアップされるため、本格化するのはまだ先の話だろうと思うかもしれない。しかし、著者の言うギグ・エコノミーは、終身雇用と無職を両極として「そのふたつに挟まれたさまざまな労働形態を幅広く含む概念」である。(以下略)

(P259/訳者あとがき)

アクセスこそ新時代の所有

ギグ・エコノミーでは、モノの所有からアクセスに切り替えることで、経済は様変わりするという。

アクセスこそ新時代の所有

アクセス・エコノミーがこのまま拡大して所有という行為を置き換えていけば、経済は様変わりするだろう。住宅や自動車を所有せずにアクセスし、かつては購入していた消費財をレンタルする動きが加速すれば、経済的影響はとてつもなく大きく、幅広いものになる。(中略)

所有せずにアクセスすることを検討する際には、次のことを考えよう。

  • 所有している最大の資産を手放してアクセスに切り替えたら、家計にどんな影響が出るだろうか?
  • 住宅を所有する経済的影響とコストから考えて、持ち家は自分に合っているだろうか?
  • 学生ローンを減らす方法はあるだろうか?
  • この先、能力の正当な評価にアクセスするどんな機会があるだろうか?

(P223-224/第9章 所有からアクセスに切り替える)

※将来”負動産”になる郊外マンションを買わされて、住宅ローンという”年貢”をせっせと払い続けたのは昭和・平成モデル。ポスト平成時代はギグ・エコノミー!?

それでも持ち家がほしければ

それでも持ち家がほしければ、「資産全般と投資のポートフォリオにおける割合を抑える」「需要が高い地域に建てる」などの条件を満たす必要があるという指摘。

それでも持ち家がほしければ

住宅所有が必ずしも経済的に悪い考えだとは言えないが、アメリカの中間層に限ればほぼ例外なく悪い考えである。

すでに述べたように、多額の負債を抱え、ポートフォリオの大部分を住居で占めるような購入・所有の形が望ましくないということもあるし、ほとんどの地域の不動産市場では慢性的に需要が低く、相場が停滞・下落しており、活発な取引が見られないからだ。

住宅所有が投資として意味を持つのは、次の条件が満たされたときに限られる。

  • 純資産額が大きい(そのぶん頭金を多く支払う)
  • ローン金額を抑える(広くない家にするか、金銭的余裕ができるまで待つ)
  • 資産全般と投資のポートフォリオにおける割合を抑える(広くない家にするか、金銭的余裕ができるまで待つ)
  • 需要が高い地域に建てる(都市圈や都市近郊の人口密集地、高級住宅地、交通の要衝など)

(以下略)

(P216-217/第9章 所有からアクセスに切り替える)

※アメリカの中間層に限ればとの前提条件が付されているが、日本人中間層にもけっこう当てはまるのではないか。「マンション高騰で、買うかどうか迷っている人」は買い急がないほうがいい。

本書の構成

2部構成全10章、278頁。

第1部 よりよい仕事を得る
  • 第1章 みずからの成功を定義する
  • 第2章 働く場を分散させる
  • 第3章 生活保障を設計する
  • 第4章 ネットワーキングをせずに人脈をつくる
第2部 休みを増やす
  • 第5章 リスクを軽減して不安に立ち向かう
  • 第6章 仕事(ギグ)の合間に休みを取る
  • 第7章 時間への意識を高める
  • 第3部 理想の人生に向けた資金繰り
  • 第8章 柔軟性のある家計を組み立てる
  • 第9章 所有からアクセスに切り替える
  • 第10章 老後の資金を貯める

ギグ・エコノミー

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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