羽田新ルートの運用開始(19年3月29日)に向けて、国交省の手続きが最終段階に入っている。
10月29日(火)10時から、新宿文化センター大ホールで、「羽田空港の制限表面の変更に関する公聴会」が開催されるのだが……。
公述希望者は少なくとも13名
「羽田問題プロジェクト 公式サイト」には、「公述予定情報」として13名(いずれも反対)の公述書案が公開されている。
公述希望者13人は下記のとおり、品川区3名、渋谷・港区各2名、豊島・太田各1名、非公開(―)4名。区議会議員や全盲の男性も含まれている。
※「氏名」として実名が掲載されているが、イニシャルに置き換えた。
- 氏名(住所)職業など
- AT(品川区)品川区議会議員
- SH(品川区)「羽田新ルート絶対反対!大井町周辺住民の会」代表
- NI(品川区)(還暦を過ぎた全盲の男性)
- KH(渋谷区)会社経営
- SK(渋谷区)―
- MM(港区)「みなとの空を守る会」
- YJ(港区)「五、空港等を利用する者」
- YM(豊島区)―
- IK(大田区)「五、空港等を利用する者」
- KM(―)「五、空港等を利用する者」
- FN(―)「五、空港等を利用する者」
- OK(―)―
- AS(―)―
【参考メモ】
- 「五、空港等を利用する者」とは、航空法施行規則第80条に列挙されている5番目の「利害関係人」のこと。
- 国交大臣は「公述書の内容が、事案の範囲外にあるか又は同類であると認めるときは、公述の申出をした利害関係人のうちから公述人を選定することができる」(航空法施行規則第81条の4)とされている。
国交省、公聴会を議論や質問の場にはしない
公述人(発言者)の選定権は国交大臣にある(航空法施行規則第81条の4)。事前に公述を希望した全員が選ばれるのだろうか? また、公聴会当日はどのような展開になるのだろうか。
そのような疑問につき、「羽田問題プロジェクト」の関係者が国交省に確認した結果は次のとおりだ。
※朱書きの3点がポイント。
- 公述人条件の利害関係者だが、最後に羽田空港利用者とあるので実質的に誰でも公述人になれる。また公聴会タイトルは「羽田空港の制限表面の変更に関する公聴会」だが公述人は羽田新ルート関連の内容であれば、賛成反対を問わず自由に考えを述べることが出来る。また申し出時での字数制限はない 。
- 公述希望者は最大限尊重し原則全員公述者とする方針だが、過去にあまり申し出が多い場合は時間制限(10分)や、内容の重複した場合の調整をしたことがある。
過去の別の公聴会では申し出が少なければ30分で終わったこともあるし2日にまたがったこともあるが、申し出の集まり具合を見ないと何ともわからない。- 公聴会は口述を聞いて制限表面決定の参考にするのが目的なので、議論や質問の場にはしない。ただし主催者側から質問することはあり得る。
マスメディアの役割と責任が問われている…
国交省は、公聴会の開催を公表した9月30日の段階で、公述人の意見は参考扱いと公言している。また、公述人の意見に対して個別の回答はしないとも公言。
留意事項
- 皆様からいただいた御意見につきましては、当該事項に関する決定の参考とさせていただきます。
- 御意見に対する個別の回答は致しかねますので、あらかじめ御了承願います。
NHKを始めとするマスメディアが公聴会の様子を大きく取り上げなければ、公聴会が開催されたという事実だけが残る。
首都圏民の多くは羽田新ルート問題を知らないまま、来年1月末の実機による試験飛行、3月29日からの本運用を迎えることになる。
マスメディアの役割と責任が問われている……。
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