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羽田新ルート|板橋区議会「19年第3回定例会」質疑応答

板橋区議会「19年第3回定例会」本会議の一般質問(9月25日)で、羽田新ルートに関して、荒川なお議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約1千600文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

荒川議員(共産)

荒川なお議員(共産)
荒川なお議員(共産党、区議3期、東洋美術学校卒、42歳)

問1:地元の理解は得られていません

最後に、羽田空港機能強化による都心上空低空飛行について質問します。

国土交通省は、首都圏の国際競争力強化や訪日外国人旅行者の受け入れ等のため、来年3月29日より、新飛行経路の運用を開始し、羽田空港において国際線を年間約3.9万回増便することを発表しました。


板橋区でも、6月に国土交通省により説明会が開催されましたが、そのなかでも騒音、落下物、補償、資産価値などの質問が多く寄せられました。説明会会場で区民有志が行ったアンケート調査によると、回答した40名のうち国土交通省の説明に「納得した」が2名、「納得できない」が38名で、この計画に「賛成」が7名で、「反対」が31名だったそうです。
区民の納得を得られたとは到底言えません


また、国土交通省の騒音における計算値は、実測値と大きな乖離があります。国土交通省も区も「予測値からすると板橋区上空は最大で68デシベルだから、通常の話声程度だ」といいますが、江戸川区上空では、国土交通省が説明してきた70デシベルに対し、国土交通省自身が実際に測定した騒音は78デシベルだったということが明らかになっています。8デシベルも違えば、板橋区では幹線道路や騒々しい街頭と同じレベルです。


今回、新たに示されたのが騒音対策としての都心上空での降下角度を3度から3.5度へ引き上げるとしたことについて、専門家からも0.5度引き上げるだけでもパイロットの負担が大きいことが指摘されています。騒音対策のために、安全対策がおざなりにされては意味がありません


国土交通省は、「地元の理解を得て進める」と答弁してきましたが、渋谷、品川では区議会で見直しを強く求める、容認できないなどとする意見書が上がっています。
地元の理解は得られていません。低空飛行ルートに入っている板橋区としての考えをお聞きします

問2:都や政府に対し要望を取り下げた?

板橋区は、2014年以降、12回にわたり都心上空を低空飛行する計画に対して要望を届けてきました

直近では5月28日に、相次ぐ航空機からの落下事故等を徹底調査し、原因を究明すること、同様の事故を繰り返すことがないように安全対策を強化し、再発防止に努めることなどを要望しています。


8月7日に開催された国土交通省の協議会で、羽田空港に着陸する国際便が都心上空を通る新飛行ルートの運用について、東京都の長谷川明副知事は、「国の案に沿って着実に進めてほしい」と容認する立場を示しました

東京都は都の意見案について、意見がある場合には8月5日までに別途返信するよう、板橋区を含む関係する自治体に依頼をしました。しかし、東京都へは1つの意見も上げられなかったことが明らかになりました。


板橋区として、東京都や政府に対し要望を取り下げたということなのですか。明確な答弁を求めます。区民の不安や疑問がある以上、要望を続けるべきです。

坂本区長

坂本健 板橋区長
坂本健 板橋区長(4期、日大院卒、59歳)

答1:国交省に対して粘り強く区民の声を伝えていきたい

次は、低空飛行ルートについてのご質問であります。

国土交通省は、羽田空港機能強化に向けた追加対策として、南風好天時の新飛行経路の降下角度を引き上げることによって、騒音の低減を図ることを検討しております。

これまで区は国土交通省による騒音・落下物対策や説明会開催、情報提供等に対しまして、一定の理解を示しつつも、さらなる騒音・落下物対策、区民への丁寧な説明を要望してまいりました。

引き続き、区民の不安や疑問の声等を真摯に受け止め、国土交通省に対して粘り強く区民の声を伝えていきたいと考えています。

答2:改めて意見は述べるまでもなかった

続いて、東京都の意見案についてのご質問です。

区ではこれまで国土交通省に対して、騒音や落下物に係る対策を講じるとともに、区民に対して丁寧な説明を行うよう要望してきたところであります。


本年8月の東京都による意見募集は、東京都が国土交通省に提出する意見案に関し、23区と多摩の5つの市に対して実施をしたものであります。

この意見案には関連の市・区が従来から求めていた要望が集約をされておりまして、本区の従来からの要望につきましても同様であったために、改めて意見は述べるまでもなかったところであります。

雑感(そのとき、区議らは区民に何と説明するのか…)

10月29日には公聴会が開催され、来年の3月29日から板橋区上空を大型旅客機が飛び始めるというのに、”地元の理解が得られていない議論”をやっている場合だろうか

あるいは今回、荒川なお議員(共産)が一般質問で羽田新ルート問題をチョコっとでも取り上げたことを評価すべきなのか。板橋区議会では、18年に開催された4回の定例会でも、19年に開催された過去2回の定例会でも、誰も羽田新ルート問題を取り上げてこなかった。

また、過去3件あった羽田新ルート関連の陳情は、不採択か継続審査(≒却下)されてきた(羽田新ルート|板橋区議会では陳情2件が棚ざらし)。

このような事態が生じているのは、羽田新ルート推進派の自公が区議会の過半数を占めているためなのであろう(次図)。

板橋区議会のパワーバランス
羽田新ルート|改選後の13区議会のパワーバランス」より

筆者の独自調査によれば、羽田新ルートの騒音の影響を受ける可能性があるのは板橋区民の3割(17万人)

来年3月29日から羽田新ルートの運用が開始される。そのとき初めて頭上から降り注ぐ騒音を経験する板橋区民はこんなことを思わないだろうか。「区議らはこの事態を防げなかったのか」「なぜ、区議らはこの事態を事前に教えてくれなかったのか」と。

そのとき、自公区議(27名)はもとより、共産区議(9名)は区民に何と説明するのだろうか……。

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