NHKが6月22日19時のニュース7で、構造スリットの施工ミス問題を報じていた。
なぜ、この時期に。あまりにも唐突感があったので、調べてみると……。
「構造スリット」施工ミスが全国40以上(NHKニュース)
「構造スリット」の施工ミスが全国40以上のマンションで見つかったことを報じるNHKニュース。
全国40以上のマンションで耐震構造の施工ミス見つかる
地震の衝撃を逃がすため多くのマンションで導入されている「構造スリット」と呼ばれる耐震構造の施工ミスが、東日本大震災以降、少なくとも全国40以上のマンションで相次いで見つかっていたことが複数の専門家の調査で分かりました。
専門家は「施工ミスによって大地震の際に建物が倒壊するおそれもあるが、実際に被害が出ないと発覚しないケースが多く、こうしたミスは多くのマンションで潜在化している可能性がある」と指摘しています。(以下略)
(NHKニュース 6月22日)
石井国交大臣の記者会見「注意喚起等の対応を検討」
石井国交大臣は6月25日の定例記者会見で、構造スリット問題の認識を問われて、必要に応じて注意喚起や改修の指示等の指導を行えるようにしたいと答えている。
鉄筋コンクリートの建築物に設けられる、いわゆる「構造スリット」について、施工不良が発見されている旨の報道があることは承知しております。
仮に、設計のとおりに構造スリットが施工されていない場合には、構造安全性をチェックするために行う構造計算の妥当性に影響を与える可能性もあると考えております。このため、今回の事案の実態を把握した上で、その結果に応じて必要な注意喚起等の対応を検討する必要があると考えております。
また、事実関係を特定行政庁が把握し、必要に応じて、建築確認を受けている設計内容に即した改修の指示等の指導を行えるように、国として情報を収集し、特定行政庁に提供してまいりたいと考えています。
さらに、記者から、実態把握状況を問われて、次のように答えている。
報道している報道機関に対しましても、報道の内容等の情報をいただけるようにお願いもさせていただいているところでございます。
報道の内容等の情報をいただける先はNHKを指しているのであろう。
レオパレスや大和ハウスの不祥事に続き、構造スリット問題が拡散するのは、参院選を間近に控えた公明党所属の石井大臣としてはよろしくない。火消しを急がせたいところなのではないか。
なぜNHKは唐突に「構造スリット問題」を報じたのか?
東日本大地震で顕在化した「構造スリット問題」は、一部の建築関係者にはよく知られていることだ。
では、なぜNHKはこの時期唐突に「構造スリット問題」を報じたのか。
ネットで調べてみると、建物損害調査コンサルティングを行っている会社の代表取締役であるA氏のツイートにたどり着いた(次図)。
このツイートが事実だとすれば、建物損害調査コンサルのA氏と一級建築士のB氏(元ゼネコン社員。その後、不動産会社に転職。2009年1級建築士事務所開設。67歳)がNHKに仕掛けたということになる。
NHKが構造スリット問題を大きく報じることで、A氏(建物損害調査)とB氏(設計事務所)に仕事が流れてくるということなのかもしれない。
構造スリット問題が解決に向かうのは、決して悪いことではないが、NHKだけでなく石井大臣までが建物損害調査会社に踊らされているという構図はいただけない。