ロンドンやニューヨークでも市街地の上空を頻繁に低空で飛行している。だから東京上空を飛行しても大したことはない、とでも言いたげな説明。はたしてそうだろうか……。
都心部上空を飛行するのは東京だけでない!?
国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に公開されているFAQ冊子v.5.1.2に、都心部の上空を飛行する事例として、ロンドンのヒースロー空港やニューヨーク周辺空港の例が掲げられている(次図)。
(FAQ冊子 P37)
国交省は、ヒースロー空港やニューヨーク周辺の空港でも市街地の上空を低空で頻繁に飛行しているので、首都圏上空を飛行しても問題ないとでも言いたいのだろうか……。
Q17 都心部の上空を飛行する事例として、他にどのようなものがあるのでしようか。
- また、ロンドンのヒースロー空港やニューヨーク周辺の空港等、海外の空港でも同様の例があります。(P37)
ヒースロー空港飛行ルート vs 羽田新ルート
ロンドンでは、シティ・オブ・ロンドンを中心とした中心市街地(国会議事堂やバッキンガム宮殿付近)の上空を通過し、ヒースロー空港に着陸する飛行ルートなどが設定されているという(次図)。
(FAQ冊子 P37、部分拡大)
ヒースロー空港の着陸ルート下には、東京のような高密度な市街地が広がっているわけではない(次図)。
上図と同じ縮尺にして、東京を俯瞰すると、羽田新ルートの着陸ルートが密集地上空に設定されている状況が一目瞭然であろう。
まとめ
ロンドンやニューヨークでも市街地の上空を頻繁に低空で飛行している。だから東京上空を飛行しても大したことはないのか?
ヒースロー空港の飛行ルートと羽田新ルートとでは、人口の密集度が全然違う(もちろん、羽田新ルートのほうが圧倒的に人口密集度が高い)。よって、大したことなくはない、というのが結論。
ちなみに、「大阪でも飛んでいるんだから!?」大したことはない、ということにもならない。
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