昨年4月に界壁施工不備問題が発覚したレオパレス21。
帝国データバンクは6月7日、「レオパレス21」グループの下請企業実態調査の結果を発表。同調査報告書には、「レオパレス21」グループの下請先4562社・総従業員数21万159人の都道府県別データや年商規模別企業数データなどが掲載されているので可視化してみた。
ちなみに「レオパレス21」グループの従業員は7,600人(19年3月31日現在)。
埼玉県の下請企業数は2番目に多いのに、従業員数は少ない
「レオパレス21 」グループの下請企業数が80社を超える都道府県を次図に示す。
東京都が772社でダントツ。以下、埼玉県(384社)、大阪府(351社)、愛知県(232社)の順。
上図を作ってみて気づいたのは、埼玉県の下請企業数は2番目に多いのに、従業員数が9,641人と少ないことだ。
1社あたりの従業員数で比較すると、東京都(97人/社)や大阪府(50人/社)と比べると埼玉県は(25人/社)極端に少ない。都道府県では上から34番目。
不適合棟数の多さ(次図)と関係でもあるのだろうか……。
「引越し難民が発生!? レオパレス21界壁施工不備問題」より
約7割が年商10 億円に満たない中小企業
「レオパレス21」グループの下請企業数を年商規模別示したのが次図。
「1 億~10 億円未満」が最も多く2,456社(全体の53.8%)。
「1億円未満」が728社(同16.0%)だから、全体の約7割が年商10 億円に満たない中小企業ということだ。しかもその大半が2次下請である。
日本人は「食」に厳しく、「住」には甘い…
雪印食品は、2002年の牛肉偽装事件で廃業・解散に追い込まれた。
偽装まみれの レオパレス21 グループが、事業継続を許されているのは、こうした下請け中小企業の多さ、雇用されている従業員が多いからなのであろうか。
石井国交大臣の5月31日の記者会見の発言には、早期の幕引き感がにじみ出ている。
(前略)当該事案に関しては、所有者等への説明、特定行政庁への報告、原因究明結果の6月21日までの報告を求めるとともに、夏前に対象物件の調査完了、不適合が明らかとなった物件の10月までの改修完了を指示をいたしました。
レオパレス21に対しては、他にも不適合がないか徹底した調査を行うよう指示しておりまして、所有者・入居者等の不安の払拭に向けて、新しい体制の下で適切な対応がなされるよう、引き続き厳しく指導してまいりたいと考えています。
日本人は「食」に厳しく、「住」には甘い……。
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