東日本不動産流通機構は6月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(5月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で1.3%減少し、5ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は前年比で1.4%上昇、成約価格も同プラス0.6%と、ともに4ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比マイナス0.8%であった。
地域別動向
- 成約件数は東京都区部と神奈川県他を除く各地域が前年比で減少し、横浜・川崎市は8ヶ月ぶり、千葉県は7ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は東京都区部、横浜・川崎市、埼玉県が前年比で上昇し、埼玉県は12ヶ月連続、東京都区部は5ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションに引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年5月の成約単価は51.80万円(前年同月比1.4%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
5月の成約件数2,749戸は、前年同月比で▲1.34%減。
首都圏の成約単価は鈍化、在庫件数は増加傾向を示すなか、成約件数は前年比で1.3%減少(次図)。
今後、中古マンションの需要が増加に向かうのか、減少に向かうのか目が離せない。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態が続いている。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
特に、都心3区の成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと120万円を目前に足踏み状態が続いていたが、5月に109.09万円まで下落。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、増加し始めたかとおもいきや減少に向かう……。
まとめ
- 首都圏
成約単価は、新築マンションに引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後は鈍化。在庫件数は増加傾向。成約件数は前年同月比▲1.34%減。 - 都内
成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態。在庫件数は増加傾向。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと120万円を目前に足踏み状態が続いていたが、5月に109万円まで下落。