ブログの読者から大変興味深い情報を頂戴した。
フリーペーパーの「SUUMO新築マンション」に、あからさまな値下げ表示物件が掲載されているというのである。
「〇〇万円DOWN」といった値下げ広告は、マンションの折り込みチラシではお馴染みだ。近年のSUUMOには価格表が掲載された物件が増えてきたのは認識していたが、値下げ表示物件があることには気付かなかった。
気になったので、「値下げ表示物件」がどのくらい増えてきたのか、「価格表掲載物件」と合わせて調べてみた。
調査対象は、「SUUMO新築マンション(首都圏版)」の直近3冊(19年2月19日号~3月19日号)と同時期1年前の5冊(18年2月20日号~3月20日号)。
※1年前と比較対象の冊数が違うのは、19年2月5日号以降SUUMOが隔週化されたため。
「値下げ表示物件」は、すべて新古マンションだった
直近3冊を調べてみると、写真のような「値下げ表示物件」が確認できる。
直近3冊に掲載されていた「値下げ表示物件」は次の4件。すべて新古マンション(竣工して1年以上経過した未入居マンション)であった。
- 物件I(136戸、7階建て、17年3月2日竣工)
- 物件J(267戸、8階建て、17年8月30日竣工)
- 物件K(288戸、8階建て、16年6月30日竣工)
- 物件L(468戸、14階建て、17年1月13日竣工)
一方、1年前の同時期には、「値下げ表示物件」は見当たらなかった。この1年で値下げ表示物件が登場したということになる。
以前は、既契約者からのクレームを回避するため、あるいは売れ行き不振を知られないために、あからさまな値下げ表示はしないという暗黙のルールがあったのではないだろうか。
「値下げ表示物件」の登場は、背に腹は代えられないというマンション事情でもあるのだろうか……。
「価格表掲載物件」が増えた
では、価格表が掲載された物件はどの程度増えてきたのか?
直近3冊に掲載されていた値下げ表示物件は次の8件。うち6件が竣工済みだ。さすがに新古マンションは含まれていない。
- 物件A(439戸、14階建て、19年8月下旬竣工予定)
- 物件B(500戸、15階建て、19年1月中旬竣工済)
- 物件C(279戸、7階建て、19年2月13日竣工済)
- 物件D(225戸、15階建て、18年7月竣工済)
- 物件E(53戸、12階建て、19年3月竣工済)
- 物件F(218戸、9階建て、19年2月6日竣工済)
- 物件G(164戸、9階建て、19年8月下旬竣工予定)
- 物件H(191戸、8階建て、18年8月31日竣工済)
ページの半分近くが価格表で占められた、身も蓋もないような物件広告も観測される(写真)。
1年前の同時期にも価格表掲載物件は観測されたが、次のように3件(すべて竣工済み)と少ない。
- 物件M(500戸、15階建て、19年1月中旬竣工済)
- 物件N(299戸、11階建て、16年2月9日竣工済)
- 物件O(252戸、11階建て、18年1月19日竣工済)
なぜ、価格表掲載物件が増えてきたのか?
要因の一つは、売主が価格表を非公開扱いにしても、マンション・ブロガーや「住まいサーフィン」で価格情報が公開されてしまうことにあるのではないか。
※「住まいサーフィン」に会員登録(無料)すると、すべての物件ではないが価格表を閲覧することができる。