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SUUMO新築マンション|新古マンションの掲載率

昨日のブログ記事「SUUMO新築マンションに「値下げ表示物件」登場、「価格表掲載物件」増加」を書いていて、気になったことがある。

「SUUMO新築マンション(首都圏版)」には新築マンションだけでなく、新古マンションもけっこう掲載されていることである。


もくじ

竣工して1年以上経つと「新築」を謳えない

そもそも新古マンションとは何なのか?

「不動産の表示に関する公正競争規約」の施行規則では、中古マンションについて、次のように規定されている。

第3条1項(10)号(中古マンション)

建築後1年以上経過し、又は居住の用に供されたことがあるマンションであって、住戸ごとに、売買するものをいう

つまり、規約上は、未入居であっても竣工して1年以上経つと「中古マンション」になる。「新築マンション」とは謳えないのである。
だからマンションの折り込みチラシで、竣工後1年以上経過した物件が掲載されている場合には、新築物件であるかのような体裁はしていても、「新築」という文言も「中古」という文言も使われていないことが多い。

業界ではこのような、竣工して1年以上経過した未入居物件を揶揄して、新古マンションと呼んでいる(図)。

新古マンション説明図

「SUUMO新築マンション」1割が新古マンション

「SUUMO新築マンション(首都圏版)」には、この「新古マンション」がけっこう掲載されているのである。

実際、何件くらい新古マンションが掲載されているのか調べてみた。

調査対象は、最新版(19年3月19日号)と1年前(18年3月20日号)と2年前(17年3月14日号)の3冊。

調査結果を次図に示す。

過去3年、大きな変化はなく。新古が約1割を占めている

「SUUMO新築マンション(首都圏版)」 新築・新古物件の掲載率

正しい名称は「SUUMO新築・新古マンション等」…

新築を謳えない新古マンションが1割も掲載されているのに、雑誌名に「新築マンション」という表現を用いることは許されるのか? 「SUUMO新築・新古マンション(首都圏版)」が正しい名称ではないのか――。

SUUMO新築マンション(首都圏版)の1ページ目に次のような注釈が掲載されている。

「スーモ新築マンション」は、新築マンションのほか、未入居マンション、リノベーションマンション、タウンハウス(敷地の所有形態が区分所有の低層共同住宅)、中古マンション等を掲載対象としています。

これを読むと、「SUUMO新築・新古マンション(首都圏版)」が消費者にとって正確で正しい名称であるように思うのだが、それでは読みづらいか……。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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