不動産経済研究所は2月20日、「全国マンション市場動向(2019年のまとめ)」を発表。
同発表資料には、17年〜19年の事業主別発売戸数(上位20社)、いわゆるランキングが掲載されているので、可視化・分析してみた。
全国の19年事業主別の発売戸数トップ20
全国の19年事業主別の発売戸数トップ20は次の通り。
大手不動産会社が上位を占めるなか、プレサンスコ一ポレーションが3年連続で2位にランクイン。
- 順位:(全国/首都圏/近畿圏/その他)
- 1位:住友不動産(5,690戸/4,136戸/744戸/810戸)
- 2位:プレサンスコ一ポレ一ション(5,305戸/147戸/3,825戸/1,333戸)
- 3位:野村不動産(3,941戸/3,111戸/414戸/416戸)
- 4位:三菱地所R(3,365戸/2,277戸/396戸/692戸)
- 5位:三井不動産R(2,365戸/1,750戸/29戸/586戸)
- 6位:日本エスリード(2,121戸/0戸/2,121戸/0戸)
- 7位:東急不動産(1,812戸/1340戸/435戸/37戸)
- 8位:タカラレーベン(1,765戸/531戸/272戸/962戸)
- 9位:大和ハウス工業(1,702戸/1046戸/340戸/316戸)
- 10位:あなぶき興産(1,599戸/0戸/62戸/1,537戸)
- 11位:日鉄興和不動産(1,479戸/1,109戸/290戸/80戸)
- 12位:フージャースコーポレーション(1,348戸/171戸/154戸/1,023戸)
- 13位:大京(1,296戸/421戸/170戸/705戸)
- 14位:日商エステム(1,277戸/0戸/646戸/631戸)
- 15位:穴吹工務店(1,032戸/84戸/0戸/948戸)
- 16位:近鉄不動産(1,019戸/221戸/704戸/94戸)
- 17位:名鉄不動産(937戸/569戸/174戸/194戸)
- 18位:東京建物(929戸/744戸/137戸/48戸)
- 19位:阪急不動産(901戸/305戸/596戸/0戸)
- 20位:積水ハウス(899戸/265戸/422戸/212戸)
住友不動産6年連続1位
ランキング(順位)だけだと、各事業主の勢いのほどが分かりにくい。そこで、過去に発表されたデータも含め、04年以降の上位事業主の発売戸数の推移を可視化してみた(次図)。
長年にわたって首位をキープしていた大京の凋落ぶりとは対照的に、大手4社(住友不動産、野村不動産、三井不動産R、三菱地所R)は順位が入れ替わりながらも、上位にランクインし続けている。
特に、住友不動産は6年連続1位(次表)。
上位20社のシェア6割に迫る
ランキングに目を奪われず、発売戸数に着目することで、興味深い事象が見えてくる。
上位20社のシェア(全国主要都市の発売戸数に対する上位20社の合計発売戸数の占める割合)は、それまでの4割から08年を境に上昇し、10年以降5割をキープ。2年連続で6割に迫っている(18年58.5%、19年57.7%)。
08年に起きたリーマンショックの影響で、中小デベロッパーがマンション事業からの撤退を余儀なくされ、ブランド力のある大手デベロッパーの寡占化が進んでいるのである(次図)。
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