不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、不動産(マンション購入・賃貸)に係る分析記事を提供しているブログメディア

羽田新ルート|全国紙は適切に報じているか【追記あり】

全国紙は「羽田新ルート問題」を適切に報じているのだろうか?

全国4紙(朝日・読売・毎日・日経)の記事データベースで調べてみた。

※19年6月13日追記


もくじ

「羽田新ルート」記事件数を可視化

全国紙は羽田新ルート問題を適切に報じているのだろうか?

全国4紙(朝日・読売・毎日・日経)の記事データベースで調べてみた。

検索記事の対象期間は、全期間(19年2月11日現在)。

検索キーワード「羽田」and「新ルート」でヒットしたのは、朝日53件、読売48件、毎日15件、日経48件。このうち「羽田新ルート問題」に関連した記事は4紙合計56件。内訳は次図の通りである。

※「羽田」and「新ルート」が「羽田新ルート問題」に関連した記事を100%抽出していない可能性があることに留意する必要がある。

「羽田新ルート」記事件数の推移
羽田新ルート問題が最初に報じられたのは14年。16年が最も多く(18件)、17年はあまり報じられていない(4件)。 

 

以下、記事の見出しと共に、年別に見てみよう。

【14年】羽田新ルートを最初に報じたのは読売

羽田新ルート問題を最初に報じたのは読売(3月31日)。2か月遅れて日経(5月17日)、4か月遅れて朝日(7月27日)が報じた。

  • 3月31日【読売】羽田国際線1.5倍に 発着年9万回 航空各社 昼の便増強
  • 5月17日【日経】羽田・成田発着枠5割増、30年代、滑走路を新設、国交省検討、五輪前に都心の飛行解禁
  • 7月27日【朝日】都心のラッシュ、空も? 羽田発着枠拡大、新ルート案 1時間に最大44機

関係自治体や航空会社が参加する初めての協議会(14年8月26日開催)の翌日、毎日を除く3紙が一斉に報じた。

  • 8月27日
    【朝日】
    都心の新空路、初論戦「羽田増枠に不可欠」「低空、騒音に不安」自治体代表ら出席
    【読売】羽田新ルート 都心飛行 自治体は懸念 協議会初会合 強い反対論は出ず
    【日経】羽田空港の発着枠拡大、経済効果「年3500億円」、国交省が試算、新ルート、騒音に懸念も

  • 8月28日【日経】飛行ルート、県内に温度差、都心上空解禁案で騒音巡り――千葉市、一時的に静かに、県、負担増も
  • 11月3日【読売】大型機 羽田着陸ルート案 都心直上を飛ぶ 国交省南風の午後限定

【15年】朝日が住民説明会を中心に報道

15年は11件中7件が朝日。住民説明会の記事を中心に、騒音など住民の懸念を伝えている。

毎日は15年に入って初めて、羽田新ルート問題を1件だけ報じた。読売は0件。

  • 3月17日【日経】羽田機能強化で国交省が新組織、住民との対話手法検討
  • 6月20日
    朝日】羽田空港、都心飛ぶ新ルート案来月から住民説明会/東京都
    朝日】羽田空港の新ルート案、来月から説明会 国交省
  • 7月22日
    朝日】羽田新ルート案、住民説明始まる 騒音懸念も
    【日経】羽田飛行ルート見直し、住民「騒音など対策を」、国交省、初の説明会
  • 8月25日【日経】羽田発着枠拡大、調査費を計上へ、国交省、都心上空ルートで
  • 9月9日【朝日】羽田新ルート案、国が住民説明会 さいたま・和光、12日から/埼玉県
  • 9月10日【毎日】羽田空港:都心上空、新ルート計画 五輪までに運航方針、周辺住民に不安
  • 9月17日【朝日】国から県・9市、説明受ける会合 羽田空港機能強化/千葉県
  • 11月25日【朝日】羽田新ルート案、2度目の説明会 来月中旬から各地で/東京都
  • 12月20日【朝日】離着陸の騒音、住民懸念 国交省、高度引き上げ案 羽田新ルート

【16年】読売の羽田新ルートを後押しする記事が目立つ

16年は18件中7件が読売。騒音軽減対策や監視体制強化、経済効果など、羽田新ルートを後押しする記事が目立つ。

毎日(5件)は計画案の進捗を淡々と報じている。

朝日(4件)は8月13日、初めて社説(羽田経路変更 住民への説明をつくせ)で取り上げた。

  • 1月14日【毎日】羽田空港:増便へ、都心上空を低空飛行案新ルートに住民不安 想像より音大きい/高齢者につらい
  • 2月19日【読売】羽田 低騒音機を優遇 国際線 着陸料安く 新ルート高度アップも
  • 2月20日【読売】羽田 飛行高度上げ防音 低騒音機 着陸料優遇も
  • 4月20日
    【毎日】羽田空港:着陸機の高度引き上げ 新ルートで修正案 北方向
    【日経】国交省、羽田の騒音少ない新ルート提案
  • 4月21日【朝日】羽田飛行ルート、国が高度上げ案 好天時、騒音低減図る/東京都
  • 6月1日【毎日】羽田空港:都心低空ルート 誘導路など建設、予算要求へ 国交省方針
  • 6月18日
    【朝日】羽田新ルート、経済効果「年6500億円」国交省
    読売】羽田新飛行ルート「経済効果6500億円」 国交省試算=中部
  • 7月29日
    【朝日】首都圏低空ルートを新設へ 羽田発着の国際便増に対応
    読売】羽田騒音 根強い不安 新ルート 監視態勢を強化
    読売】羽田新ルート 地元了承 都心上空通過 五輪へ 国際線大幅増便
    【毎日】羽田空港:低空ルート了承 関係自治体、安全・騒音対策前提に

  • 8月13日【朝日】(社説)羽田経路変更 住民への説明をつくせ
  • 8月19日【毎日】羽田新ルート20年照準 低空で都心縦断、発着枠増五輪・訪日客増に対応
  • 11月16日【読売】航空機の部品脱落437件 国内会社で8年間 飛行中に落下も
  • 12月17日【読売】羽田機能強化 住民相談会 県内初 新ルート、騒音軽減など=干葉
  • 12月23日【日経】17年度政府予算案、五輪にらみ都市力強化、空港1.2%増、羽田発着増に備え、国際港2.5%増、大型貨物船へ対応

【17年】たったの4件、うち3件は日経

17年は、たったの4件うち日経が3件。読売1件。

  • 5月25日
    日経】羽田新ルート、住民不安、人口密集地を低空飛行、騒音・落下物…対策は?
    日経】羽田新ルート、住民不安、人口密集地を低空飛行――国際便発着最大9.9万回に、都市競争力向上狙う
  • 10月5日【読売】航空機落下物 被害に見舞金 羽田発着 都心新ルート対策
  • 11月10日【日経】部品落下防止へ整備基準、国交省、航空会社の処分も検討

【18年】読売は初めて社説で取り上げ

18年は9件中4件が読売。読売は4月2日に初めて社説で取り上げた。「[社説]成田・羽田拡充 一体的な利便性向上策が要る」と羽田新ルート推進スタンス。

  • 2月14日【朝日】羽田空港・新飛行ルート、再検討求め請願 港区議会に7町会など/東京都
  • 4月2日【読売】[社説]成田・羽田拡充 一体的な利便性向上策が要る
  • 10月4日【読売】羽田新ルート 米合意せず 国際線増便 五輪までの運用 暗雲
  • 10月5日
    【毎日】羽田空港:米が管制譲らず、新構想暗礁 横田基地の空域
    【日経】羽田新ルート、米と調整難航、在日米軍空域の通過認めず、訪日客4000万人へ壁
    【日経】米、在日米軍空域の通過認めず、羽田新ルート調整難航、訪日客4000万人計画に影
  • 11月4日【読売】羽田新ルート 日本が管制 横田空域 五輪へ増便可能に
  • 11月22日【朝日】低空ルート、8割「中止して」 羽田増便巡る住民アンケート/東京都
  • 12月16日【読売】羽田の新ルート 住民説明会開始

【19年】騒音・落下物問題よりも日米地位協定問題!?

19年は2月12日現在で6件だから、羽田新ルート問題の記事は増えそうな兆候。
ただ、朝日(2件)、毎日(1件)、日経(3件)はいずれも「横田空域」の日米合意の記事。騒音・落下物問題でなく、日米地位協定の問題に変わっている。

  • 1月30日
    【朝日】(教えて!日米地位協定:3)東京の空、自由に飛べない?
    【日経】羽田発着枠拡大確実に、米側、管制空域通過を了承
  • 1月31日【朝日】横田空域の通過合意 米軍、羽田新ルート巡り
    【毎日】横田空域:通過、米と合意 羽田発着国際線枠が拡大
    【日経】羽田新ルート、米と合意、発着枠、20年に4万回増
  • 2月9日【日経】羽田増便、半数は日米路線、20年就航、両政府が最終調整

羽田新ルート問題を報じることを避けていないか?

17年以降の報道件数の推移をみる限り、全国4紙が羽田新ルートが抱えている落下物・墜落事故の危険リスクや騒音などの問題を世間に広く伝えているとは言い難い。

朝日は16年8月13日に社説「羽田経路変更 住民への説明をつくせ」を出して以後、羽田新ルート関連記事は4件しか出していない(2月11日現在)。うち2件は19年に入って出し始めた横田空域絡みの記事だ。羽田新ルートの騒音・落下物の問題ではなく、日米地位協定の問題に軸足が移っているように見える。竹やりで米軍に挑む前に、まずは目の前の羽田新ルート問題にシッカリ向き合ってほしいものだ


羽田新ルートは、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて運用が開始される計画である。全国4紙が東京五輪のオフィシャルパートナーなので、羽田新ルート問題を報じることを避けている(忖度している)ということはないのか?スポンサー一覧|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

あるいは調査報道するだけのマンパワーが不足しているのか? あるいは単に記者が無能なだけなのか……。
いずれにせよ、報道の役割を十分に果たせているとは言えないのではないか。

【追記(19年6月13日)】

前回調査(6月11日)のあと、今回調査(6月13日)までに、羽田新ルート関連記事を報じたのは日経(4件)のみ。

「羽田新ルート」記事件数の推移

内容は主に羽田増便枠の半分が米国航空会社に配分された件。

  • 2月12日【日経】羽田増枠分、20年に日米に24便 国交相が正式表明
  • 2月13日【日経】羽田増便へ、米国重視鮮明、増加分の半数、24便配分
  • 2月23日【日経】米航空各社、羽田の増便相次ぎ申請新ルート開設で
  • 3月10日【日経】首都圏、20年の「空」固まる羽田増便、成田は深夜発着、訪日客受け入れ拡

あわせて読みたい

[PR] SUUMO タワーマンションを探す!販売前の資料請求が成功の秘訣人気の新築マンション

2019年6月1日、このブログ開設から15周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.