国交省が増便枠の半数を日米路線とする方針に「決めた」ことを伝えるNHKニュース。
「決めました」って、民意は無視か……。
アジア地域を中心に航空需要が伸びるから増便するのではなかったのか? 増便の根拠が揺らいでいないか?
増便半数、日本とアメリカを結ぶ路線とする方針を決めました(NHK)
国交省が増便枠の半数を日米路線とする方針に「決めた」ことを伝えるNHKニュース。
羽田空港の国際線発着枠 増便の半数は日米結ぶ路線に
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて増やす予定の羽田空港の国際線の発着枠について、国土交通省は、ほぼ半数にあたる24便を日本とアメリカを結ぶ路線とする方針を決めました。
(中略)
石井国土交通大臣は12日の閣議後の記者会見で、「今回、増加する発着枠は訪日外国人旅行者の受け入れ拡大やわが国の国際競争力の強化を図るために活用することにしている。今後の配分交渉では、これを踏まえて対応していきたい」と述べました。(NHKニュース 2月12日)
「決めました」って、民意は無視か……。
2020年までに羽田新ルートの運用を開始することは、確定事項であるかのごとく報じたNHK。
他の報道機関はどのように報じているのか?
地元の了解が得られた後、決定(産経)
石井国交相は、日本と米国の航空会社に1日当たり12便ずつ、計24便を配分する方針を示したが、「正式な手続きは地元の了解が得られた後に進め、決定する」と強調したとされている。
五輪向け配分の羽田増便枠、日米12ずつ 国交相方針
石井啓一国土交通相は12日の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた羽田空港の国際線増便に関し、日本と米国の航空会社に1日当たり12便ずつ、計24便を配分する方針を示した。(中略)
国交省は、航空機からの落下物や騒音問題を懸念する地元住民の理解を得るため説明会を続けている。石井氏は「正式な手続きは地元の了解が得られた後に進め、決定する」と強調した。(以下略)
(SankeiBiz 2月13日)
なんだ、「地元の了解が得られた後」という枕詞はまだ生きているではないか。
ところで、なぜ、増便枠の半数もアメリカに配分する方針に「決定」したのか?
その答えは、読売の記事にある。
「横田空域」基本合意で米国に配慮(読売)
「横田空域」を通過させてもらう代わりに、米路線の発着枠を拡大した可能性が指摘されている。
羽田発着枠拡大 米路線が半数
(前略)
都心上空ルートは、在日米軍が管理する「横田空域」を、旅客機が日本側の管制下で通過することで基本合意している。日本政府が米国に配慮して米国路線を増やしたとみられる。(読売新聞オンライン 2月12日)
アジア地域を中心に航空需要が伸びるから増便するのではなかったのか? 増便の根拠が揺らいでいないか?
なぜ羽田空港の国際線を増便する必要があるのですか。
(前略)今後、世界的な航空需要は、アジア地域を中心に更に伸びると言われています。このような中で、羽田空港は、深夜・早朝の時間帯を除き、現在フル稼働しています。(中略)
成田空港と羽田空港の両方について、更なる国際線の増便のための方策を考えていく必要があります。(FAQ冊子v5.1_P10)