東日本不動産流通機構は2月12日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート(1月度)」を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で1.0%増加した。成約m2単価は前年比マイナス0.3%、成約価格は同1.9%下落し、ともに2012年12月以来73ヶ月ぶりに前年同月を下回った。単価が高い東京都区部の成約件数の減少などで首都圏の平均単価は下落した。専有面積は前年比マイナス1.7%と、5ヶ月ぶりに前年同月を下回った。
地域別動向
- 成約件数は東京都区部と埼玉県を除く各地域が前年比で増加し、神奈川県他は7ヶ月連続で前年同月を上回った。成約m2単価は横浜・川崎市を除く各地域が前年比で上昇した。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年1月の成約単価は51.46万円(前年同月比▲0.3%減)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の成約単価は頭打ち。在庫は増加傾向。中古の需要は減少傾向を見せ始めている。(次図)
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇していたが、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
各地区の内訳は次のとおりである。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
特に、都心3区の成約単価の上昇が著しく、18年8月に近年最高(119.37万円)を記録。その後下落傾向。
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加し始めたか……。
まとめ
首都圏の成約単価は頭打ち。在庫は増加傾向。中古の需要は減少傾向を見せ始めている。
- 首都圏の成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後はやや鈍化。在庫件数は増加傾向。
- 都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇していたが、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化。在庫件数は増加傾向。
- 都心3区の成約単価の上昇が著しく、18年8月に近年最高(119.37万円)を記録。その後下落傾向。