不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


羽田新ルート|第5フェーズ住民説明会の中身

国交省は11月20日、12月から第5フェーズの住民説明会を開催することを公表。

これまでの住民説明会で寄せられた意見を踏まえ、新飛行経路運用開始までのプロセスや落下物対策等の進捗を情報提供するという。


もくじ

第5フェーズは会場数・開催延べ日数ともに増加

過去4つのフェーズの住民説明会の開催実績と第5フェーズの開催予定を整理すると次表のようになる。

第3・第4フェーズの開催場所は16会場だったが、第5フェーズは31会場と大幅に増えている。

また、開催延べ日数も、第3・第4フェーズの16日に対して、第5フェーズは36日。2倍以上に増えている。

住民説明会の開催日程(実績・予定)

新たに情報提供を行う事項(5項目)

第5フェーズの住民説明会で新たに情報提供されるのは5項目とされている。

以下、ひとつづつ確認していこう。

新飛行経路運用開始までのプロセス

2018年以降、新飛行経路運用開始までのプロセスが次図に示されている。

注目すべきは、「検査飛行」と「制限表面の設定等」。

19年下期から「検査飛行」が始まることが明らかになった

「制限表面の設定」とは、飛行経路下に一定の高さの建物等が設置できなくなるように高さ制限を設定すること。現状の高さ制限は「東京国際空港高さ制限回答システム」で確認することができる。

新飛行経路運用開始までのプロセス
参考資料「羽田空港機能強化に係る住民説明会(第5フェーズ)の開催について」P1より

騒音イメージ

飛行経路からの側方距離に対する大型機・小型機の騒音レベルが図示されている(次図)。

大型機としてより騒音の大きい777-300(80dB)ではなく、777-200(79dB)を掲載したのはなぜか?

騒音イメージ
同上P2より

 

また、 高度3000ft(西新宿相当)で、飛行経路からの側方距離約1kmの騒音レベルが53.3dB(=左側の小型機50.5dBと右側大型機51.3dBの合成値)であることが例示されている(次図)。

新飛行経路の側方地点や到着経路に挟まれた場所での騒音イメージ
同上

なんとも分かりにくく、不親切な情報ではないか。市民が知りたいのは、自分が住んでいる場所がどの程度騒音の影響を受けるのかということだろう。

もっとわかりやすい情報を提供してはどうなのか。たとえば次図のような。

f:id:flats:20181120174028j:plain
飛行ルート周辺の騒音マップを描いてみた」より

落下物対策総合パッケージの進捗

「19年夏ダイヤより運用開始予定」とあるのは、「落下物対策総合パッケージ」を運用開始するという意味なのであろう(まさか新飛行経路の運用開始のことではあるまい)。 

本年3月にとりまとめた「落下物対策総合パッケージ」で示した対策の進捗について、情報提供を行う。

  • 落下物防止対策基準の適用について、本邦航空会社は2019年1月15日、外国航空会社は同年3月15日より義務付け
  • 2019年度より空港管理者による新たなチェック体制を構築できるように準備中
  • 落下物事案発生時の被害者救済制度の拡充や補償費立替制度の構築等を行い、2019年夏ダイヤより運用開始予定
主要地点での航空機の見え方(CG)

新飛行経路を飛行する航空機の経路下の主要地点での見え方をCGにて表現するとされている。

主要地点での航空機の見え方(CG)
参考資料「羽田空港機能強化に係る住民説明会(第5フェーズ)の開催について」P4より

出発経路上の航空機が通過する幅

北風・南風時の出発経路の幅を示せるよう、詳細なシミュレーションを現在実施中だという。

出発経路上の航空機が通過する幅(シミュレーション結果) 
同上

第5フェーズも実績作り…

第5フェーズも問題共有型の「教室型説明会」ではなく、情報共有化を妨げる「オープンハウス型」となっている。

しかもマスメディアの取材に対しては、厳しい制限を課している。説明会参加者への取材・撮影は事前の了解が必要だという。

  • 申込期限:取材希望日の3営業日前
  • 取材の申込みが多数あった場合は、時間等調整させて頂くことがございます
  • 説明会参加者に取材・撮影を行う場合は、事前に了解を得た上で行ってください。
  • 会場によっては、事前に施設管理者への取材・撮影申請が必要となりますので、申込期限までの取材申込書のご提出にご協力頂きますようお願い申し上げます。なお、申込期限までにご提出頂けなかった場合、施設管理者の都合で取材をお断りせざるを得なくなる場合があることをご理解ください。

(「羽田空港機能強化に関する住民説明会の取材について」からの抜粋)

時間を作って参加しよう!

あとで「知らなかった!」とならないよう、時間を作って参加しよう。

具体的な開催予定は次のとおり。

※詳しくは別添2(住民説明会の開催予定)参照。

  • 12/15(土)品川シーサイドフォレストオーバルガーデン1階(品川区東品川)
  • 12/16(日)なかのZERO西館1階(中野区中野)
  • 12/17(月)イトーヨーカドー大井町店7階(品川区大井)
  • 12/18(火)野方区民活動センターギャラリー(中野区野方)
  • 12/21(金)赤羽北区民センター(北区赤羽北)
  • 12/22(土)北とぴあ地下1階展示ホール(北区王子)

(2019年) 

  • 1/8(火)豊島区役所本庁舎1階としまセンタースクエア(豊島区南池袋)
  • 1/11(金)成増アクトホール(板橋区成増)
  • 1/11(金)南砂町ショッピングセンター SUNAMO1階吹き抜け広場(江東区新砂)
  • 1/12(土)セブンタウン小豆沢イベントスペース(板橋区小豆沢)
  • 1/12(土)光が丘 IMA1階光の広場(練馬区光が丘)
  • 1/13(日)和光市吹上コミュニティーセンター(和光市白子)
  • 1/13(日)アリオ北砂1階アクアコート(江東区北砂)
  • 1/15(火)和光市中央公民館(和光市中央)
  • 1/18(金)六本木ヒルズウェストウォーク2階スペース(港区六本木)
  • 1/18(金)~19(土)キュポ・ラ本館棟5階中央図書館前ロビー(川口市川口)
  • 1/19(土)白金台いきいきプラザ(港区白金台)
  • 1/20(日)タワーホール船堀1階アトリウム(江戸川区船堀)
  • 1/21(月)東大島駅小松川口コンコース(江戸川区小松川)
  • 1/26(土)南長崎第 4区民集会室(豊島区南長崎)
  • 1/27(日)~28(月)サウスピア1階多目的室(さいたま市南区別所)
  • 1/29(火)練馬区役所1階アトリウム(練馬区豊玉北)
  • 2/1(金)川崎区役所大師支所2階会議室(川崎市川崎区東門前)
  • 2/2(土)殿町小学校体育館(川崎市川崎区殿町)
  • 2/8(金)~9(土)新宿駅西口広場イベントコーナー(新宿区西新宿)
  • 2/8(金)~9(土)朝霞市産業文化センター(朝霞市大字浜崎)
  • 2/11(月・祝)~12(火)京急蒲田駅改札口外コンコース(大田区蒲田)
  • 2/17(日)田道住区センター三田分室(目黒区三田)
  • 2/18(月)恵比寿ガーデンプレイス内ガーデンルーム(目黒区三田)
  • 2/22(金)千駄ヶ谷社会教育館(渋谷区千駄ヶ谷) 
  • 2/23(土)地域交流センター恵比寿(渋谷区恵比寿西)

まとめ

今回の国交省の公表資料から明らかになった、興味深い事実は次の3点。

  • 19年下期から「検査飛行」が始まること
  • (落下物対策総合パッケージが?)19年夏ダイヤより運用開始予定であること
  • 第5フェーズの住民説明会も問題共有型の「教室型説明会」ではなく、情報共有化を妨げる「オープンハウス型」で実施されること

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.