天然ガスタンク製造企業本社の跡地に建つ、15階建ての大規模マンションの広告。
物件概要
【第1期本広告】大手町駅直通11分、駅徒歩13分。総戸数267戸、15階建。販売戸数70戸、2LDK(65.04m2)~4LDK(78.27m2)。販売価格3,988万円~6,298万円、最多価格帯5,000万円台(14戸)。平成32年1月末竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。
- 2月2日(金)、3月9日(金)の物件と同じ。
「安心してお子さまを預けることができる、認可保育園」
新聞全紙大の広告裏面に、認可保育園の宣伝。
認可保育園※1(予定)
安心してお子さまを預けることができる、認可保育園を1階にご用意。
ゴマ粒よりも小さい注釈文字に目を凝らすと、「※1」として、次のように記されている。
※1.認可保育園の入園者は〇〇区が募集・審査の上決定するため本物件居住者が優先されることはありません。
まあそうだろうな。最近は入居者を優先するために、マンション内にあえて無認可保育園を設けるケースがあるというが、本物件はそうではない。
一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害する表現…
「本物件居住者が優先されることはありません」
と、ここまで確認したうえで、改めて冒頭の文章を読む。
安心してお子さまを預けることができる、認可保育園を1階にご用意。
「お子さまを預けることができる、認可保育園」
これはどう読んでも、「自分の子供が認可保育園に入れる」と思わせる表現である。
「不動産の表示に関する公正競争規約」第23条2項により、事実に相違する表示は、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害する表現として禁じられている。
2 事業者は、前項に掲げるもののほか、物件の取引に関する事項について、事実に相違する表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を阻害するおそれがあると認められる広告表示をしてはならない。
注釈を入れたからといって、許されるものではあるまい。
「打消し表示」をすれば全て許されるということにはならないのである。
打消し表示:
強調表示からは一般消費者が通常は予期できない事項であって、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものに関する表示
(消費者庁「打消し表示に関する実態調査報告書」2017年7月 P1より)
お子さまを預けることができる『かもしれない』、認可保育園
「お子さまを預けることができるかもしれない、認可保育園」
とか
「ひょっとしたら、お子さまを預けることができる、認可保育園」
ならば許されそうだが、そんなふざけた表現は受け入れられないだろう。
かといって、ソフトバンクの CMに倣って、「お子さまを預けることがほぼできる、認可保育園」はNG。
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(本日、マンション広告1枚)