首都圏不動産公正取引協議会が「おとり広告」などの撲滅を強力に推進するためとして、違反者に対して不動産情報サイトへの広告掲載を1か月以上停止する「厳重警告及び違約金課徴の措置」を始めたのは17年1月。このブログではそれ以来毎月、同措置の結果が「公取協通信」に掲載されるたびに、定量的な分析記事を投稿している。
同協議会が5月8日に発行した「公取協通信第290号(平成30年5月号)」に4月度の厳重警告・違約金の措置が掲載されている。
ざっくり言うと
- 【措置対象業者】4月の違反4社
- 【サイト別】スーモ2か月連続で違反業者ゼロ
- 【内容別】おとり広告4件、取引条件の不当表示4件
- 【免許更新回数別】4社のうち3社が1回
- 【悪質事例】駅徒歩時間やエアコン台数など
【措置対象業者】4月の違反4社
17年1月からスタートした「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象業者は、毎月5社前後で推移している。
「なぜ、毎回5社前後なのか」という突っ込みはさておき、今回は4社。10か月ぶりに5社を割った(次図)。
※17年8月の調査結果は、公取協通信「第282号(9月号)」に掲載されていない。
【サイト別】スーモ2か月連続で違反業者ゼロ
今回4社の広告が掲載されていたのは、自社HP2件、いい部屋ネット2件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象をサイト別にみると、自社HPとスーモ(SUUMO)が多い(次図)。
ただし、スーモは2か月連続で違反業者がゼロ(次図)。ホンマかいな……。
【内容別】おとり広告4件、取引条件の不当表示4件
今回はおとり広告4件、取引条件の不当表示4件、そのほか6件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を内容別にみると、「おとり広告」と「取引条件の不当表示」が多い(次図)。
【免許更新回数別】4社のうち3社が1回
今回は、4社のうち3社の免許更新回数が1回。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を免許更新回数別にみると、1~2回の業者が多い(次図)。
【悪質事例】駅徒歩時間やエアコン台数など
C社は、ペットを飼育する場合は敷金が賃料の2か月である旨不記載や、定借2年であるところを普通賃貸にしたり、エアコンが1台しかないのに2台としたり、駅徒歩時間を6分短くしたり、もうウソばっかり。
C社(中央区所在/免許更新回数(2))
◇おとり広告
(省略)
◇家賃保証に関する不当表示
(省略)
◇取引条件の不当表示
◇設備の不当表示
- 「敷金 1ヶ月」、「ペット相談」→ ペットを飼育する場合は、敷金が賃料の2か月分となる旨不記載(1件)
- 「普通賃借契約」→ 契約期間2年の定期建物賃貸借契約(1件)
◇交通の利便の不当表示
- 「エアコン2台以上」⇒ 1台のみ(6件)
- 「〇〇駅 徒歩9分」→ 歩15分(1件)
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