不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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江東区・港区、中古マンション市場の定点観測(2LDK・3LDK)※2026年1月版

「今は買い時か、それとも待つべきか」

湾岸の江東区、都心の港区──対照的な2市場の中古マンション価格動向を、データで読み解く。

読者が次の一手を判断するための「価格の折れ点」と具体的な予兆を提示する。

※本記事はデータ蓄積の初期段階(2か月目)にあたるため、現在は市場の「ベースライン(基準値)」を確立するフェーズ。来月以降、この1月時点の数値を基準に、在庫が積み上がるのか(滞留)、消化されるのか(成約)のトレンドを追跡していく。

※初投稿2026年1月21日


もくじ

エグゼクティブ・サマリー

■概況

2026年1月15日時点の観測では、江東区と港区で売主のアクションに明確なコントラストが見られる。在庫の少ない江東区で価格改定が先行する一方、膨大な在庫を抱える港区2LDK層では、滞留期間が伸びつつも、価格改定は限定的な範囲に留まっている。

■主要指標(2026/1/15時点)

  • 調査対象件数:2,932件(江東区 1,140件 / 港区 1,792件)
  • 平均価格改定率:▲0.4%(滞留物件全体)
  • 最大在庫セグメント:港区 2LDK(1,219件 / 全体の41.6%)

■今月の注目トピック

  • 江東区2LDKの機動性
    在庫は500件未満と最小だが、改定率は▲0.6%と最大。売主の成約優先姿勢が鮮明だ。
  • 港区2LDKの滞留
    在庫は1,200件超。平均滞留日数も約28日と最長。市場に重い「マグマ」が溜まりつつある。
  • 価格の粘り
    港区2LDKは最長滞留でありながら、改定率は▲0.4%弱。今後、滞留がさらに長期化すれば、下方への価格圧力が強まる可能性が高い。

【在庫】市場の滞留状況

図1:【在庫】市場の滞留状況(2026/1/15時点)

■市場規模と偏り

2026年1月15日時点、江東区・港区(2LDK/3LDK)の総在庫数は2,932件
在庫構成には明確な偏りがある。

港区・2LDK1,219件と突出。全体の約41.6%を占める「最大ボリュームゾーン」だ。対して江東区は2LDK・3LDK共に500?600件台。港区と比較して、市場に出回る在庫自体が絞られている。

※観測ノート(試行期間)
現在は市場の「基準値(ベースライン)」を確立するフェーズだ。来月以降、この1月時点の数値を基準に、在庫が積み上がるのか(滞留)、消化されるのか(成約)のトレンドを追跡していく。


【流動性】平均滞留日数の比較

図2:【流動性】平均滞留日数の比較(2026年1月15日時点)

■市場の消化速度を確認する

物件が市場に出てから成約に至らず滞留している期間(平均滞留日数)を測定する。

2026年1月15日時点のデータ:

  • 江東区:2LDK・3LDK共に 26日
  • 港区:2LDK 28日 / 3LDK 27日

全セグメントが26?28日の範囲に収まった。現時点では流動性に大きな乖離はなく、一定の速度で物件が入れ替わる「健全な流動性」を維持している。

※観測ノート(将来的な分析拡張について)
現在は2か月分のデータに基づくスナップショット。今後、データ蓄積が進むにつれ、現在の横棒グラフに「滞留日数の推移を示す折れ線グラフ」を追加する。在庫増に対し、滞留日数がどう反応するか。その予兆を捉えるのが本記事の真の目的である。


【価格】価格改定:売主の姿勢

図3:【価格】改定率と在庫数の相関(2026年1月断面)

■在庫量と「値下げ幅」のねじれ

市場全体の平均価格改定率は ▲0.4%。エリア別で対照的な動きが見える。

  • 江東区・2LDK
    在庫数は 495件。改定率は ▲0.6% と最大の下落幅。在庫が少ないうちに早期成約を優先する、機動的な価格調整が目立つ。
  • 港区・2LDK
    在庫数は最大ボリュームの 1,219件。しかし、改定率は ▲0.4% に留まる。滞留日数が最長であるにもかかわらず、価格改定の動きは限定的だ。

在庫が多いほど価格競争は激化するはずだが、現時点では「港区の価格の粘り」がそれを押し留めている格好だ。


今月の結論:今は「買い」か「待ち」か

■「現実主義」の江東区、「強気」の港区

データからは売主の心理的余裕の差が透けて見える。
江東区の売主は「欲張らず早めに売り抜ける」現実路線。検討者にとっては、物件の質と価格のバランスが適正化されやすいエリアだ。
一方、港区は1,200件超の在庫を抱えつつも、売主は「まだこの価格で売れる」という強気を崩していない。

■買い時の兆候をどう掴むか

あなたがもし都心の中古物件を狙っているなら、今月の数字をこう解釈してほしい。

  • 港区狙いなら「まだ待ち」のフェーズ
    これだけの在庫がありながら、価格が動いていない。売主が「耐えきれなくなる瞬間」は遠くない。今後、滞留が30日を超え、改定率が▲0.5%を深く突き抜けてくるなら、それが「買い場」の号砲となる。
  • 江東区狙いなら「機動的に動く」のフェーズ
    価格調整が先行して進んでいる。好条件の物件は今の改定率で市場から消えていく。待ちすぎると、選択肢を失うリスクがある。

■総括

全体としては、「慌てて飛びつく必要はないが、エリアごとの『価格の折れ点』を凝視すべき時期」だ。
来月、港区の売主が悲鳴を上げるのか。それとも江東区の改定がさらに深まるのか。その変化を、引き続き追い続けていく。


本記事のデータについて

本記事は、不動産マーケットの透明性向上を目的とした研究・批評であり、公開情報を独自に統計解析したものである。

1. データソースおよび集計基準

  • 出典:不動産・住宅情報サイト「SUUMO」の公開情報を元に筆者集計
  • 対象エリア:江東区・港区
  • 対象種別:中古マンション
  • 集計時期:月次定点観測(2026年1月時点のデータ)

2. 主な用語の定義

  • 在庫数:物件の重複を独自の条件で整理した、推定ユニーク物件数。
  • 平均滞留日数:継続掲載されている物件の、最初の観測時からの経過日数。
  • 平均価格改定率:同一物件の価格変動があった場合の、改定幅のセグメント別平均値。

3. 留意事項

本記事はマクロ的な市場動向の考察を目的としており、特定の物件取引を推奨するものではない。データの正確性には細心の注意を払っているが、最新性を保証するものではなく、実際の取引数値とは異なる場合がある。詳細は公式サイト(SUUMO)を確認されたい。

2025年6月1日、このブログ開設から21周年を迎えました (^_^)/
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