都内の中古マンション市場で、どの価格帯が熱いのか?
東日本不動産流通機構の「月例マーケットウォッチ・サマリーレポート」を基に、取引の最前線を読み解く。
※初投稿:2018年5月7日(最終更新:2025年8月11日)
都内中古マンションの"熱い"価格帯
東日本不動産流通機構の「月例マーケットウオッチ」には、都内中古マンションの価格帯別データが揃う(次図)。
価格帯別の成約件数(月例マーケットウオッチ)
成約件数(四半期ごと)、新規登録件数(四半期ごと)、在庫件数(月末)を基に、取引の活発な価格帯を可視化した(次図)。
- 1~3千万円台(鶯色ゾーン):2019年までは取引が多かったが、その後減少傾向。
- 4~9千万円台(ピンク色ゾーン):アベノミクス開始(2012年末)以降、取引が拡大。2020年以降は5~6千万円台が最多、次いで7~9千万円台が続く。4千万円台は一時減少したが、最近は増加に転じた。
- 億ション(1億円以上):2012年末から徐々に増加。2020年以降は勢いを加速させ、成約件数が急伸。

【参考メモ】
価格帯別データは四半期単位のため、月単位に換算(3で割る)。
価格帯の境界値(「以下」「未満」など)が不明確なため、以下のように整理:
- ~1千万円:1千万円以下
- ~2千万円:1千万円台
- ~3千万円:2千万円台
- ~4千万円:3千万円台
- ~5千万円:4千万円台
- ~7千万円:5~6千万円台
- ~1億円:7~9千万円台
- 1億円~:億ション
価格帯別の動向を深掘り
次に、価格帯別に成約状況の推移を可視化分析してみよう。
4千万円台:成約件数、減少からの増加
2012年末のアベノミクス開始以降、成約件数は増加。2019年に300件目前でピークを迎えた後、一時減少したが、2025年に入り再び増加傾向にある(次図)。

注:在庫件数や新規登録件数は、同一物件の複数登録や短期間での登録・削除の繰り返しにより、過大計上されている可能性がある(以下同)。
5~6千万円台:300~400戸で推移
2012年末から成約件数が増加。2021年に418戸でピークを記録後、減少傾向にあったが、現在は300~400戸で推移(次図)。

7~9千万円台:過去最高の取引数
2012年末から右肩上がりの傾向。2025年4~6月の月間平均成約件数(343件)は過去最高を記録し、市場の活況を物語る(次図)。

億ション:成約件数10年前の13倍に急増
2012年末から徐々に増加し、2020年以降は成約件数、在庫件数、新規登録件数すべてが急増。2025年4~6月の月間平均成約件数(368件)は、10年前(29件)の12.6倍に達した。

まとめ
都内中古マンション市場は、価格帯によって異なる動きを見せる。
1~3千万円台は2019年以降減少傾向にある一方、4~9千万円台はアベノミクス以降に取引が拡大。特に5~6千万円台が最多で、7~9千万円台も活況だ。4千万円台は一時低迷したが、最近は回復。億ションは10年前の13倍に急増し、高価格帯の需要が顕著だ。
市場の“熱い”価格帯は、5~9千万円台と億ションが牽引している。
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