首都圏、特に23区では新築マンションの価格が高騰し、庶民には手が出ない状況が続いている。
庶民にも手が届きそうな5千万円以下の新築マンションは、どのくらい発売されているのか?
不動産経済研究所が毎月発表している「首都圏新築分譲マンション市場動向」のなかに、「価格帯別戸数」の表データが掲載されているので、可視化分析してみた。
価格帯別「発売戸数」の推移
不動産経済研究所が発表している資料では、価格帯が次の20に区分されている(次表)。
- 2,500万円以下、3,000万円以下、3,300万円以下、3,500万円以下、3,700万円以下、4,000万円以下、4,300万円以下、4,500万円以下、4,700万円以下、5,000万円以下、5,500万円以下、6,000万円以下、6,500万円以下、7,000万円以下、8,000万円以下、9,000万円以下、9,999万円以下、1億円以上、2億円以上、3億円以上
(価格帯別戸数|首都圏新築分譲マンション市場動向、23年7月)
そこで可視化分析するにあたり、価格帯を次の7区分に集約することにした。
- 5千万円以下、6千万円以下、7千万円以下、8千万円以下、9千万円以下、1億円未満、億ション
14年4月以降、23区新築マンションとして発売された価格帯別戸数の推移を次図に示す。
ゴチャゴチャしていて、分かりにくい。
そこで、年度ごとにデータを集計し、描出してみた(次図)。
「5千万円以下」の発売戸数は、約8千戸(14年度)から1,538戸(22年度)に激減。「億ション」の発売戸数は、949戸(14年度)から2,747戸(22年度)に増加。
「5千万円以下」と「億ション」の発売戸数は、21年度に逆転し、その差は拡大しているのである。
価格帯別「発売割合」の推移
14年4月以降、23区新築マンションとして発売された価格帯別戸数割合の推移を次図に示す。
「5千万円以下」の割合は37%(14年度)から14%(22年度)に激減。「億ション」の割合は4%(14年度)から26%(22年度)に増加。
「5千万円以下」と「億ション」発売戸数の割合は、21年度に逆転し、その差は拡大しているのである。
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