首都圏不動産公正取引協議会が「おとり広告」などの撲滅を強力に推進するためとして、違反者に対して不動産情報サイトへの広告掲載を1か月以上停止する「厳重警告及び違約金課徴の措置」を始めたのは17年1月。このブログではそれ以来毎月、同措置の結果が「公取協通信」に掲載されるたびに、定量的な分析記事を投稿している。
同協議会が4月3日に発行した「公取協通信第289号(平成30年4月号)」に3月度の厳重警告・違約金の措置が掲載されている。
ざっくり言うと
【措置対象業者】3月の違反も5社
17年1月からスタートした「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象業者は、毎月5社前後で推移している。
「なぜ、毎回5社前後なのか」という突っ込みはさておき、今回も5社(次図)。
※17年8月の調査結果は、公取協通信「第282号(9月号)」に掲載されていない。
【サイト別】自社HP2件、…
今回5社の広告が掲載されていたのは、自社HP2件、オウチーノ・いい部屋ネット・ライフルホームズが各1件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象をサイト別にみると、自社HPとスーモ(SUUMO)が多い(次図)。
【内容別】取引条件の不当表示3件、ほか6件
今回はおとり広告5件、取引条件の不当表示3件、そのほか6件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を内容別にみると、「おとり広告」と「取引条件の不当表示」が多い(次図)。
【免許更新回数別】5社のうち3社が3回
今回は、5社のうち3社の免許更新回数が3回。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を免許更新回数別にみると、1~2回の業者が多い(次図)。
【悪質事例】駅徒歩時間・築年数を短く表示
E社は駅徒歩時間を実際より1~8分短くしたり(6件)、築年数を実際よりも3年5か月から16年6か月短く表示したり(3件)、かなり悪質。
E社(練馬区所在/免許更新回数(3))
◇おとり広告
(省略)
◇取引内容の不当表示
(以下略)
- 最寄駅からの徒歩所要時間について、実際よりも1分から8分短く表示(6件)。
・「日比谷線広尾駅 徒歩10分」⇒ 歩14分
・「東急世田谷線三軒茶屋駅 徒歩18分」⇒ 歩21分
・「東急田園都市線三軒茶屋駅 徒歩10分」⇒ 歩18分
・「東急田園都市線池尻大橋駅 徒歩13分」⇒ 歩15分
・「小田急小田原線下北沢駅 徒歩3分」⇒ 歩4分
・「京王井の頭線下北沢駅 徒歩3分」⇒ 歩4分- 建築年月について、実際よりも3年5か月から16年6か月短く表示(3件)。
・「築年月 1985年4月」⇒ 1973年4月築
・「築年月 1989年4月」⇒ 1985年11月築
・「築年月 1990年7月」⇒ 1974年1月築- 建物の外観写真を掲載 ⇒ 実際のものとは異なるため、掲載不可(1件)。
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