04年6月1日にこのブログを開設して以来、都内に住む筆者の家に入ってくる新築マンションのチラシの”定点観測”を続けている(まもなく14周年!)。
いつ頃から新築マンションの折り込み広告が減少し始めたのか?
ざっくり言うと
16年度以降、チラシ10枚を下回る月が増えた
チラシ枚数は、数年前から大きく減少し続けている。10年前には月に50枚くらい入っていたのが、16年度以降10枚を下回ることも少なくない(次図)。
17年度チラシ枚数は、ピーク時(08年度)の2割
マンション・チラシの観測枚数は08年度にピーク(657枚/年)を記録したあと、東日本大震災の影響もあり09・10年度と2年連続減少(次図)。
その後11・12年度と増加した後(売れ残り住戸のチラシが多かった!)、再び減少している。
17年度(116枚)は、ピーク時(657枚)の2割にも満たない(18%)。
チラシの枚数と発売戸数との関係を確認してみよう。
09年度を境に新築マンション広告は、チラシからネットへ
「マンション・チラシ観測枚数」を横軸に、「首都圏新築マンション発売戸数」を縦軸にして描いたのが次のグラフ。
05~08年度にかけて、発売戸数が減少傾向にあるが、チラシの枚数は約450~650枚の範囲に踏み留まっている(この頃は、売れ残り住戸のチラシも多かった!)。
逆に、09~17年度にかけては、発売戸数は約3.6万~5.5万戸の範囲に留まっているが、チラシ枚数は約400枚から約100枚へと大きく減少しているのである。
この現象は、09年度を境に新築マンションの広告が、チラシからネットにシフトしていることを示唆している。
※発売戸数の17年度データは、不動産経済研究所が毎月発表している戸数を集計した。16年度以前のデータは「2018 ポケット住宅データ」P18による。
09年度を境に、新築マンション広告はチラシからネットへシフトし始めた。この分析結果は、電通のデータからも裏付けられる。
電通が今年の2月22日に発表した「2017年 日本の広告費」データを可視化したグラフでは、09年以降、ネット広告費(マンション広告に限らないが)が爆発的に増加していることが確認できる(次図)。
あわせて読みたい