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空き家増加!若い世代は急いでマンションを買う必要はないのでは…

河合雅司氏著『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』を読んで、空き家が増加する要因は「供給過剰」と「新築志向」であると、昨日の記事で紹介したところ、読者から「不動産のプロとしての見解や展望をお聞きしたい」とのコメントを頂戴した。

将来の空き家問題の展望と見解について、ザックリまとめてみた。


もくじ

展望:空き家が増加し続けるのは必定

移民を受け入れる政策に転じない限り、少子高齢化により国力が衰退していくことは多くの識者が論じているとおりだ。

団塊ジュニア世代によるベビーブームが起こらかなったこともあり、これからの日本は確実に人口減少に向かう。それにもかかわらず、政府はいまだ新築住宅優遇政策を継続しているので、空き家が増加し続けるのは必定。このことは当職だけが主張しているのではなく、多くの識者らが指摘している。

たとえば、マーケティング・リサーチャーの三浦展氏は著書『東京は郊外から消えていく! 首都圏高齢化・未婚化・空き家地図』のなかで郊外は将来、空き家だらけのゴーストタウンになる可能性を指摘している。

都心まで1時間かかるような物件には魅力がない。だとしたら、郊外には今後どんどん空き家が増え、住宅地がゴーストタウンになっていくことだって考えられるのだ。(P20)
団塊世代のために建設された住宅ストックは次第に余っていき、空き家が増え続け、団塊世代の高齢化とともにニュータウンだった住宅地がオールドタウン化するだけでなく、空き家だらけのゴーストタウンになる危険性が増大するだろう。(P44)

 

また、富士通総研経済研究所 主席研究員の米山秀隆氏は著書『空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ』のなかで、このままだと将来マンションのスラム化が進む可能性を指摘している。

戦後の住宅政策では、住宅不足を解消するため、住宅の自力取得や賃貸住宅の新規供給を促す政策が中心とされてきたが、人口が減少し住宅が恒常的に余る時代においては、適切な施策とはいえない。(略)

空き家問題は1戸建てだけの問題ではない。管理組合が機能できなくなると、マンションはスラム化する。(P3-4)

 

日本建築学会の学識者らは、さらにドラスティックな未来を予測。同会報誌の「建築雑誌」2015年2月号に「未来に向けての年表」として、2100年までの予測が描かれている。

  • 2030年:特に大都市部での空家率が増加し、入居していない住戸への課税強化。減築への補助金制度が開始(近本委員)
  • 2040年:「敷金・礼金」という賃貸市場の商慣習がなくなる(星野委員)
  • 2060年:災害頻発により国内の定住思想の変化、移動可能な働き方・住み方に変化、移住促進(田中委員)

※詳しくは「2100年の住環境/日本建築学会「未来に向けての年表」から」参照。 

 

空き家問題からはやや離れるが、これからも品質の高いマンションを作ることができるのかという問題もある。3Kを嫌う若者は建築業界よりもIT業界などに向かう。人材不足、職人不足により、将来のマンションの品質・安全確保は危うい。 

※詳しくは「衝撃データ!将来、建物の品質・安全確保が危うい」参照。

見解:若い世代は急いでマンションを買う必要はないのでは

※以下の話は、IT長者などカネを腐るほど持っている人は対象外。

これからは空き家がドンドン増えていくので、特に若い世代は急いでマンションを買う必要はないのではないか。20代の若いころから35年間も住宅ローンという”年貢”を払うのは大変だろう。

安定的にボーナスがもらえないと、住宅ローン破たんのリスクが高くなる。そんなに急いで買わなくても、そのうちマンションバブルも弾ける。それまで賃貸に住まうという手もある(UR賃貸で待機する!? 新築・中古マンション高騰…)。

「AERA」編集部の経済記者の山下努氏は著書『不動産絶望未来 ―これからの住宅購入は「時間地価」で探せ!』のなかで、住宅ローンは一生抜け出せない塩漬けの「未来拘束装置」だという。

マイホームはそこから一生抜け出せない塩漬けの「未来拘束装置」になっているのですが、ローンを返済し続けている本人はそのことに気がつきません。(P1-2)

持家だって、一定期間、住居というサービスを提供するものに過ぎず、30年でマイホームの価値がほぼゼロになったころ、やっとローンを払い切り、金融機関の住宅の担保権が外れるに過ぎない
頭金プラス金利込みの住宅ローンの返済(みなし家賃)は本当に賃貸えで住むよりお得なのか?(P255-256)

「賃貸だと老後は不安」と言われるが…

「賃貸だと老後は不安」と受け止められている理由は主に二つ。ひとつは、死ぬまで家賃を払い続けなければならないという経済的不安。もう一つは、孤独死の可能性の高い高齢者は、賃貸住居を借りにくいのではないかという恐れ

でも、そんなに心配することはないのでは。死ぬまで家賃を払い続ける前に、介護施設に転居する可能性のほうが高そうだ。賃貸派でも購入派でも、いずれ介護施設に転居するのだから、居住費(介護施設利用料)を死ぬまで負担し続けなけらばならいのは、両派とも同じ。

むしろ、購入派はもっと老後を心配したほうがいいのではないか。

分譲マンションであっても、管理費・修繕費を払い続けなければならないし、もし建て替えることになろうものなら、多額の出費を要することになるからだ。あなたが35歳でマンションを購入したとして、建て替えの話が出てくる40年後には、そろそろ健康寿命が尽きる75歳。決してあり得ない話ではないだろう。「そのときは売って賃貸にすればいい」って? 二束三文でも買ってもらえるかどうか……。

また、首都直下地震(30年以内の発生確率が70%)が発生して、多大な補修費用が生じる(補修工事期間中は住めない場合もあり得る)可能性も低くない。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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