6月10日に発売された、榊淳司先生の7冊目の新書『2025年東京不動産大暴落』を読了。
帯に記されたキャッチコピーは、とても刺激的。
東京が危ない!
23区に迫りくる暴落ライン
あなたの家が「半額」になる。
それでも価値のある不動産はどこにあるのか。
東京の不動産は、いつ暴落するのか?
前にも書いたとおり、何かのきっかけがあれば、いますぐにでも起こり得る。きっかけというのは、リーマンショック級のできごとだ。
しかし、そういった大きなできごとがなくても、確実視されている未来のスケジュールのなかにも、東京の不動産価格を暴落へといざなうイベントや統計予測を見つけることができる。(「第5章 暴落へのスケジュール」P148)
暴落へといざなうイベントとして、次の8項目が15頁にわたって詳しく解説されている。
- 2017年 アメリカの金利上昇
- 2018年 黒田日銀総裁の退任
- 2019年 平成30年調査の空き家率発表
- 2020年 東京オリンピック終了
- 2021年 団塊ジュニア世代、50歳代へ
- 2022年 生産緑地法の期限が切れる
- 2023年 空き家率が21%突破 1404万戸へ
- 2025年 東京都人口減少の開始 高齢者3600万人へ
いつ暴落しても、おかしくないということなのだろう。
その暴落を避けるためには、新築の抑制、タワーマンションの規制、流通市場の透明化(レインズの一般開放)、民泊の合法化などが掲げられている。
タワーマンションの規制を
(前略)そもそも、タワーマンションは、かぎられた敷地のなかで、いかに多くの住宅をつくるか、という発想から生まれてきたものだと考えたい。
ところが、最近では「こんなところにタワーマンションは必要か」と思われる場所にも、タワーマンションがつくられている。山形県の田んぼや山しか見えないところに忽然とタワーマンションが建っている情景は、寒々しいものを感じさせる。
なぜ、これほどまでにタワーマンションが増殖しているのか?その答えは「つくればデベロッパーが儲かるから」にほかならない。すなわち、日本全国津々浦々に高いお金を払って、夕ワーマンションに住みたがる人がいるのである。だから、マンションデベロッパーは条件さえ整えば、タワーマンションをつくりたがる。何よりも、儲かるからである。
しかし、そろそろ「いいかげんにすべき」ときではないか。日本全体で住宅は余ってきたわげであって、これ以上「量」を増やす必要がない。(以下略)(「第6章 暴落を避けるために」P172-173)
本書の構成
第1章 不動産価格が決まるしくみ
第2章 危険に膨れ上がった東京バブル
第3章 地方では、すでに「暴落」している
第4章 すでに始まっている東京の不動産暴落
第5章 暴落へのスケジュール
第6章 暴落を避けるために
第7章 暴落という正常化
『2025年東京不動産大暴落』 (イースト新書)