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不動産市場の未来予測本!『不動産格差』

一昨日(5月12日)発行された、不動産コンサルタント長嶋 修氏の新書『不動産格差(日経プレミアシリーズ)』を読了。

「不動産市場の未来予測本」というだけあって、「不動研住宅価格指数」と「不動産価格指数」の解説(P82~88)や、国が進めている「不動産総合データベース」の整備状況(P89~94)など、業界関係者にとっては押さえておきたい情報が盛りだくさん記されている。 

日本で行われているこうした取り組み(←不動産テックのこと)には限界があります。というのは、日本で行う価格推定の根拠となるのは、国の成約価格情報を利用してはいるものの、全体の一部に過ぎず、主にインターネット上に出ている物件情報をロボットでクロールしてかき集めたものだからです。つまり、もともと不透明な価格情報を加工しているに過ぎません。(中略)

不動産総合データベースが本格稼働すれば、こうした課題も解消されます。データベースを利用できるのは、当初は宅建業者だけの予定ですが、国土交通省は民間への情報公開を見据えています

(「第3章 住宅の評価に革命が起きる」P93)

 

ところどころ、消費者が知っておいて損はないという情報もちりばめられている。

たとえば、手付金の話。

未完成物件なら売買価格の5%超、完成物件なら10%超の手付金を業者が受け取る場合には、その手付けを銀行や保険会社などの第三者へ預けるなど、「保全措置」を講じなければならないことになっています。(中略)
よって、例えば3000万円の物件を契約するときのベストな手付金額は、売り主が宅建業者であれば、「未完成物件なら150万円+1円」「完成物件なら300万円+1円」ということになります。

(「第6章 中古住宅に賢く住む」P196) 

本書の構成

全228ページ。

  • 序 章 不動産の9割が下がっていく
  • 第1章 2022年、住宅地バブルの崩壊
  • 第2章 「どこに住むか」が明暗をわける
  • 第3章 住宅の評価に革命が起きる
  • 第4章 マンションは「駅7分以内」しか買うな
  • 第5章 一戸建ては手入れ次第で資産になる
  • 第6章 中古住宅に賢く住む
  • 第7章 空き家対策の基本は「直ちに売却」

不動産格差』(日経プレミアシリーズ)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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