来月から東京・神奈川・埼玉の計16か所で、羽田新飛行ルートに関する第4フェーズの住民説明会が開催される(丁寧な情報提供を積極的に!? 羽田新飛行ルート説明会(第4フェーズ) )。
国交省は10月27日、この住民説明会の案内を新聞広告に出したのだが……。
国交省が新聞広告を出したのだが…
これまで 羽田新飛行ルートに係る情報については、国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」で隠密裏(?)に周知されていた(北区でも隠密作戦!? 羽田新飛行ルートパネル展示)。
だから、国交省が10月27日、朝日朝刊32面に説明会の広告を出したことには少々驚かされた(次図)。
ただ、「ゆず新メンバー2018名募集」に目が行ってしまって、説明会の広告には気が付きにくい(笑)
(朝日新聞 10月27日朝刊)
広告を拡大したのが次図。
右側には、住民説明会の日程が記載されている。
広告には何が記されているのか?
タイトルが<「羽田空港の機能強化」に向けた取組について最新の状況をお伝えします。>となっているので、「よし、出掛けてみよう!」と思う人が何人いるのか……。
「羽田空港の機能強化」に向けた取組について最新の状況をお伝えします。
進化を遂げながら日本の成長を支えてきた羽田空港と成田空港は、急速なグローバル化にともない、今まで以上に玄関口としての機能を果たしていくことが求められています。しかし、羽田空港は現在フル稼動しており、現状のままでは増便が図れない状況にあります。成田空港においても、国際線のニーズが高い時間帯においては同様の状態にあります。様々な方策を検討した結果、羽田空港では、滑走路の運用・飛行経路を見直すこと等により、1日に約50便の増加が可能であると分かりました。この新しい飛行経路については、これまでに各地域で説明会を開催し、多くの方々のご意見を丁寧に伺いながら検討を重ねてまいりました。本年11月から開催する説明会においては、環境影響等に配慮した方策の進捗に加え、新飛行経路や落下物対策の検討状況に関する詳細な情報提供を行ってまいります。皆様のご参加をお待ちしております。
騒音については、一言も触れられていない。
新飛行ルートによる騒音被害に思いが至らないと、自分の問題としては認識されないのではないか。
あと、新飛行ルート周辺の不動産価値への影響……。
「羽田新飛行ルート問題」が話題になったのは過去3回!?
羽田新飛行ルート問題(国交省の呼称は「羽田空港の機能強化」)は、市民にどのくらい認識されているのか?
グーグルトレンドで「羽田新ルート」で検索してみると、この2年間で3回話題になったことが確認できる(次図)。
逆に言えば、最近はほとんど話題になっていないということだ。
3回の内訳は次のとおり、いずれも全国紙の報道を受けた反応と見られる。
- 15年7月22日 朝日新聞 ※朝日デジタルは前日(7月21日)
『羽田新ルート案、住民説明始まる 騒音懸念も』 - 15年12月20日 朝日新聞
『離着陸の騒音、住民懸念 国交省、高度引き上げ案 羽田新ルート』 - 16年7月29日 日経新聞
『羽田、増便へ前進 都心飛行で自治体と合意』
全国紙が報じて2、3日は世間の関心を集めたが、すぐに忘れ去られているようだ。
全国紙は「羽田新飛行ルート問題」の世論調査を!
「羽田新飛行ルート問題」について、全国紙はあまり報じていない。テレビはほとんど報じていない。
国交省が積極的に市民に知らせようとしていないから、多くの市民は「羽田新飛行ルート問題」を認識していない。多くの市民はこの問題を認識していないので、大きな声となってこない。市民から大きな声が上がってこないので政治家は動かないし、マスコミも報じないというのが現状だろう。
多くの訪日外国人を受け入れるために、羽田空港の国際線発着回数を増やすことが不可欠なのかどうか、そのことの功罪を広く市民に提示し、議論を尽くすべきではないのか。
まずは、「羽田新飛行ルート問題」が市民にどのくらい認識されているのか、全国紙に世論調査を実施してほしいものだ。