適法に民泊が開業した後に管理規約の変更で「民泊禁止」にしようとしても、民泊として使っている区分所有者の承諾が必要になる可能性があるという。
民泊禁止なら管理規約変更を(京都新聞記事)
適法に民泊が開業した後に管理規約の変更で「民泊禁止」にしようとしても、民泊として使っている区分所有者の承諾が必要になる可能性があるという。
民泊禁止なら管理規約変更を 京都、マンション組合に周知へ
住宅に有料で客を泊める「民泊」に関する基準を定めた民泊新法(住宅宿泊事業法)の成立を受け、京都市は、市内に約1700ある分譲マンションの管理組合に対し、民泊としての使用を禁止する場合は早期に管理規約を変更するよう促す周知文を近日中に送る。民泊新法は来年6月までに施行される。適法に民泊が開業した後に管理規約の変更で「民泊禁止」にしようとしても、民泊として使っている区分所有者の承諾が必要になる可能性があり、予防策として呼び掛ける。(以下略)
(京都新聞 8月9日)
規約変更前に「適法民泊」があれば、承諾が必要に
京都市の都市計画局は8月9日、「民泊に関する分譲マンション管理組合への周知について」を発表しているので、内容を確認してみよう。
京都市が8月10日付で市内の分譲マンション管理組合約1,700件宛に発送する文書は次図。
周知文書(PDF:128KB)
規約変更前に適法民泊が開始されている場合には、規約を変更する際に、民泊を行っている人の承諾が必要になる可能性があるから、規約の変更を急げという。
(前略)特に、管理規約の変更(改正)前に、適法に民泊が開始された場合、その後に管理規約を民泊禁止に変更(改正)しようとすれば、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の規定により、住民のみなさまの4分の3を超える同意があったとしても、民泊を行っている方の承諾が必要になる可能性もあります【<参考4>参照】。
つきましては、マンション管理組合のみなさまにおかれましては、民泊によるトラブルを未然に防止するため、平成30年春頃に予定されている住宅宿泊事業の届出の受付開始を念頭に置き、管理規約の変更(改正)について早期に御検討ください。(以下略)
(周知文書「マンション管理隠約の見直しを!!」より)
京都市内の「適法民泊」は1,700件あまり
同意が必要となるのは、あくまでも「適法民泊」行っている人が対象。
「違法民泊」を行っている人にまで同意を求める必要はない。
ただ、京都市の文書には、「適法民泊」と「違法民泊」との違いは記されていない。
まあ、京都市の場合で言えば、「適法民泊」とは旅館業法第3条に基づく許可を受けた施設のうち、6月末現在1,706件登録されている「簡易宿所」(次図)のことなのであろう。
「許可施設数の推移(平成29年6月末現在)|京都市」より作成