吉祥寺から遠く離れたエリアでも、マンション名に「吉祥寺」が含まれている物件がある。
常にマンション名は拡大戦略を採るという、ジャーナリスト佐々木俊尚氏のコメント。
では、高級住宅地の周辺エリアでも、マンション名の拡大戦略は採られているのか?
- 「常にマンション名は拡大戦略を採る」(佐々木俊尚氏)
- 所在地が田園調布でない「田園調布」物件11件
- 所在地が広尾でない「広尾」物件19件
- 所在地が成城でない「成城」物件11件
- 高級住宅地の周辺で、同地名にあやかる物件は少ない!?
「常にマンション名は拡大戦略を採る」(佐々木俊尚氏)
吉祥寺人気にあやかろうと、吉祥寺から遠く離れたエリアの住人でも「吉祥寺に住んでいる」ようなことを口にする。
本ブログ記事(「もうここ吉祥寺ちゃいますよ」)に対して、ジャーナリストの佐々木俊尚氏から「常にマンション名は拡大戦略を採る」という、とても的確なツイートを頂戴した。
マンション名の拡大戦略は、地名にブランド力のある「豊洲」や「銀座」でも既に観測されている。
それでは、富裕層が住む高級住宅地の周辺エリアでもマンション名の拡大戦略は採られているのか?
都内の代表的な高級住宅地、田園調布(大田区)、広尾(渋谷区)、成城(世田谷区)について確認してみよう。
所在地が田園調布でない「田園調布」物件11件
不動産情報サイト「住まいサーフィン」の「物件検索」ページで「田園調布」と入力すると、マンション名に「田園調布」が含まれている物件は竣工済みを含め41件ヒットする(5月9日現在)。
実際に所在地が田園調布にある物件は14件、「田園調布本町」物件は8件、「田園調布南」物件は8件。
所在地が田園調布でないのに、マンション名に「田園調布」が含まれている物件は11件(大田区北嶺町2件、西嶺町1件、世田谷区8件)。
全物件41件の配置を地図に落としてみた(次図)。
田園調布・田園調布本町・田園調布南から極端に離れた「田園調布」物件は少ないことが分かる。
マンション名に「田園調布」が含まれる物件の分布図
(↑ クリックするとグーグルマップが開く)
所在地が広尾でない「広尾」物件19件
田園調布と同様の方法で調べると、マンション名に「広尾」が含まれている物件は竣工済みを含め35件ヒットする(5月9日現在)。
実際に所在地が「広尾」にある物件は16件。
所在地が広尾でないのに、マンション名に「広尾」が含まれている物件は19件(恵比寿8件、渋谷区東7件、南麻布3件、白金1件)。
全物件35件の位置を地図に落としてみると、広尾から極端に離れた「広尾」物件は少ないことが分かる(次図)。
マンション名に「広尾」が含まれる物件の分布図
(↑ クリックするとグーグルマップが開く)
所在地が成城でない「成城」物件11件
マンション名に「成城」が含まれている物件は竣工済みを含め35件ヒットする(5月9日現在)。
実際に所在地が成城にある物件は24件。
所在地が成城でないのに、マンション名に「成城」が含まれている物件は11件。うち4件が「喜多見」地区に集まっている(次図)。
マンション名に「成城」が含まれる物件の分布図
(↑ クリックするとグーグルマップが開く)
高級住宅地の周辺で、同地名にあやかる物件は少ない!?
高級住宅地の周辺エリアで、マンション名の拡大戦略は採られているのか?
今回の調査では、田園調布、広尾、成城といった高級住宅地の名称にあやかった物件は少ない結果となった。
庶民が住むマンションに、高級住宅地の名称を付けるのは恐れ多いということなのだろうか。
あるいは、庶民向けのマンションに「田園調布レジデンス」とか「レジデンス広尾」といったネーミングで販売しても、ギャップがありすぎて売りにくいということなのか。
あわせて読みたい