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【図解】電通データで見る、日本の広告費

電通は毎年2月末頃、「日本の広告費」(2023年)を発表している。

発表資料には、「媒体別広告費」や「業種別広告費」など、表形式のデータも掲載されている。そこで、過去に発表されたデータも含め可視化してみた。

※投稿24年3月2日


もくじ

媒体別の広告費(2005年~)

まず、媒体別の広告費につき、2005年以降の経年変化を可視化してみよう。

ネット広告だけが成長中

日本の広告費の推移を媒体別に見ると、「マスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)」は09年に大きく落ち込んだ後、回復せずに2.7~2.8兆円前後で低迷。14年以降は漸減傾向を見せている(次図)。

「プロモーションメディア(屋外、交通、折込、DM、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像ほか)」は07年をピークに漸減し、11年以降2.1兆円前後で足踏みした後、20年以降1.6挑円で推移。

「インターネット」だけが成長し続けていて、22年に3兆円を突破。

日本の広告費推移(媒体別内訳)

マスコミ四媒体:新聞の広告費、漸減中

マスコミ四媒体である新聞・雑誌・ラジオ・テレビの広告費の推移を次図に示す。

テレビの広告費は、09年に落ち込んだあと漸増し、15年に2兆円近くまで回復したが、その後は漸減傾向を見せている。
新聞の広告費は、漸減中。18年に5千億円を下回った。

マスコミ四媒体の広告費推移(内訳)

プロモ広告費:折込広告費の減少が目立つ

プロモーションメディアの広告費の推移の推移を次図に示す。

「折込」の減少が目立つ。20年に2千500億円まで低下。

「イベント・展示・映像他」の広告費は11年以降増加。19年にラグビーワールドカップや五輪関連などで異常に突出したあと、22年に3千億円割れ。

プロモーションメディアの広告費推移(内訳)※「電話帳」に係る広告費は、19年以降「フリーペーパー」に含まれている。

業種別の広告費(2023年)

次に、2023年の業種別の広告費を可視化してみよう。

業種別ランキング:1位「情報・通信」

マスコミ四媒体合計の業種別(21業種)広告費ランキングを次図に示す。

1位の「情報・通信(2,437億円)」は全体の約1割を占めている。
ちなみに、不動産・住宅設備は1,112億円で10位。

業種別広告費(マスコミ四媒体)2023年

テレビ広告依存率:1位「飲料・嗜好品」

上図を見ると、業種によって四媒体への依存の割合が大きく異なっていることに気づく。
そこで、業種別の媒体依存率(マスコミ四媒体の合計広告費に対する1媒体の広告費割合)を可視化したのが次図。

業種別の媒体依存率(2023年)

テレビ依存率が8割を超えているのは、次の6業種。いずれもテレビCMでよく見かける業種ばかり。

  • 飲料・嗜好品(89.9%)
  • 金融・保険(87.2%)
  • 情報・通信(84.7%)
  • 自動車・関連品(82.4%)
  • 家電・AV機器(82.2%)
  • 家庭用品(81.2%)

ちなみに、「不動産・住宅設備」のテレビ依存率は77.5%。

新聞依存率トップ3は次のとおり。「出版」は新聞依存率が高い業種なのだ。

  • 出版(66.2%)
  • 案内・その他(41.5%)
  • 交通・レジャー(35.4%)

※「案内・その他」は、案内広告(新聞、雑誌)、臨時もの、連合広告、企業グループなど。

雑誌依存率が高いのは次の2業種。

  • ファッション・アクセサリー(50.4%)
  • 精密機器・事務用品(41.0%)

ラジオ依存率が高いのは次の2業種。

  • 官公庁・団体(19.1%)
  • 外食・各種サービス(12.2%)

インターネット広告費やプロモーションメディア広告費についても、業種別の分析をしたいのだが、残念ながらそれらの情報は開示されていない。電通の最高機密なのか……。

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