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杉並区も民泊の平日営業規制!条例案骨子

杉並区議の怒りのツイートで分かった、杉並区の民泊条例案の骨子。

新宿区や世田谷区の民泊条例案の骨子と違って、「住居専用地域での生活環境の悪化を防止」だけでなく、「観光事業の推進とにぎわいの創出を図ること」も条例制定の狙いに掲げられている。


もくじ

杉並区議の怒りのツイート

堀部やすし杉並区議会議員‏ (無所属、当選回数5回)は11月23日午後、怒りのツイートを発信。

11月22日に出席した区民生活委員会で、役所側が民泊規制方針案を準備しているにもかかわらず、全く報告してこなかったらしい。

昨日、杉並区議会区民生活委員会が終了した直後、住宅宿泊事業法の施行(民泊規制)に向けた杉並区の取組み方針を担当が伝えてきました。
この問題は杉並区産業振興センターが所管し(都との連絡調整)、所長も次長も委員会に出席していたのですが、そこでは何一つ報告してこなかったのですよね(怒

この住宅宿泊事業法の施行(民泊規制)に向けた杉並区の取り組み方針を確認すると、杉並区では「住居専用地域における住宅宿泊事業者不在型の宿泊事業は、休日及び休前日を除く月曜正午から金曜正午までの事業の実施を制限する」方向で準備を進めていく意向が示されています。

杉並区議のツイート
堀部やすし杉並区議のツイート(11月23日13:16)
同(11月23日13:00)

同区議のツイートに役所が作成した文書(写)が添付されている。

11月24日付「保健福祉委員会資料」として、杉並保健所生活衛生課が作成した「住宅宿泊事業法施行に向けた取組等について」(写)を確認してみよう。

条例制定の狙いは、生活環境の悪化防止と観光事業の推進

民泊条例制定の狙いとして、「住居専用地域での生活環境の悪化を防止」と「観光事業の推進とにぎわいの創出を図ること」の2点が掲げられている。

新宿区や世田谷区の民泊条例案の骨子が生活環境の悪化防止だけを掲げているのとは大きな違いだ。

住宅宿泊事業法施行に向けた取組等について

(略)面積の約8割を住居専用地域が占める杉並区においては、公衆衛生の確保及び地域住民とのトラブル防止に留意したルールづくりなど、宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による住居専用地域での生活環境の悪化を防止するため、事業の適正化等の対応が必要となります。

一方、法の趣旨に基づく観光客等の宿泊需要への対応により、観光事業の推進とにぎわいの創出を図ることも重要となります。

このことから、法の施行に向けて、以下のとおり取り組むこととします。

 

住居専用地域で、平日の民泊営業を禁止しているのは、新宿区や世田谷区と同じだ。

1 宿泊事業に係る区独自の制限等

(1) 区独自の生活環境悪化防止のための制限
法第18条の規定に基づき、条例により区域を定めて事業を実施する期間を制限する。

  • ① 制限する区域
    住居専用地域
    (第一種及び第二種低層住居専用地域、第一種及び第二種中高層住居専用地域)
  • 制限する事業実施期間
    住宅宿泊事業者(以下「事業者」という。)不在型の宿泊事業は、休日及び休前日を除く月曜日正午から金曜日正午までの事業の実施
  • ③ その他
    法第18条による条例制定の前提としで、法第68条により区が住宅宿泊事業等関連行政事務を処理するごととし、東京都知事と協議を行うこととする。

(2)宿泊事業実施に係る手引き(区ガイドライン)の作成

 ※省略(←筆者追記)

2 今後の区の観光事業の拡充を視野に入れた検討

宿泊事業の実施とあわせて、今後の区の観光事業の拡充等を視野に、ホテル・旅館等の充実に向けた方策を検討していくこととする。

※以下略(←筆者追記)


杉並区は今後、パブリックコメントを実施し(12月1日~1月4日)、来年2月の第1回定例会に条例案を提案する予定としている。

民泊条例案の骨子を示したのは杉並区が6件目

これまでに民泊条例案の骨子を示したのは下記5つの自治体。

杉並区区の民泊営業の禁止期間は、世田谷区や横浜市、新宿区と同じだ。


念のため、杉並区内のAirbnbの登録状況を確認しておこう。

杉並区内のAirbnbの登録件数、23区では上から14番目

杉並区内のAirbnbの登録件数(437件)は、23区では上から14番目、それほど多いわけではない(11月1日現在)。

Airbnb登録件数(東京23区)
全国Airbnb登録件数 5.6万件(前月比4.8%増)」より

 

ただ、杉並区内のAirbnbの登録件数は漸増傾向にある(次図)。この1年で368件から437件、率にして19%の増加。 

Airbnb登録件数の推移(杉並区)
AirbDatabankデータを元に作成)

民泊を活用した「観光事業の推進」に賛意は得られるか…

杉並区は2年前(15年12月)に、16年度中に民泊条例を制定するとしていた(杉並区も「民泊条例」の検討を開始)。

当時も「民泊を活用して増加する外国人観光客に対応したい」としていた。

「住居専用地域での生活環境の悪化を防止」する一方で、「観光事業の推進とにぎわいの創出を図ること」を民泊に期待する杉並区。最近発生した民泊を悪用した事件に、杉並区はどう対応しようと考えているのか?(民泊の摘発・裁判事例など(まとめ)

バブコメでは「観光事業の推進とにぎわいの創出を図ること」に賛意は得られるのか……。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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