30年以内に70%の確率で発生すると予想されている首都直下地震。マンション管理組合ではどの程度、大規模災害への備えができているのか。
国土交通省は6月21日、「令和5年度マンション総合調査結果」を公表。
同調査は、マンション管理の実態を把握するため、全国の管理組合や区分所有者を対象に5年ごとに実施されている。今回の調査対象者は、1,589管理組合(回収率37.2%)、3,102区分所有者(回収率36.3%)。
調査結果報告書はデータ編も含めると416ページとかなりのボリュームになるので、忙しい皆さんに代わって、管理組合の大規模災害への対応状況を可視化してみた。
経年変化
管理組合の大規模災害への対応状況について、過去の調査結果もひも解き、2003年度調査以降の推移を可視化してみた(次図)。
※「消防設備等の点検を実施している」は23年度調査で新規追加。
- 前回までは項目のなかった「消防設備等の点検を実施している」が最も高い(69.5%)。ただ、逆に言えば、消防法で義務付けられている消防点検を実施していな管理組合が約3割もあることになる。いったいどんなマンションなのか気になる。
- 次いで高いのは「定期的に防災訓練を実施している」(39.8%)。増加傾向がみられるが、これも逆の見方をすれば、約6割のマンションが定期的に防災訓練をしていないことになるのだが、大丈夫なのか。
- 3番目に高いのは「災害時の避難場所を周知している」(30.3%)。管理組合の約7割が災害時の避難場所を周知していないことになるが、避難場所を知っているか否かは自己責任だ。
- それ以外の項目は、いずれも2割以下と低い。
- 「ハザードマップ等、防災・災害対応策に関する情報を収集・周知している」と「非常食や飲料水を備蓄している」の割合は2割前後と低いものの、増加傾向が見られる。
完成年次別の傾向
管理組合の大規模災害への対応状況について、完成年次別の変化を可視化してみた(次図)。

- 「消防設備等の点検を実施している」割合は、築浅マンションほど低くなる傾向が見られる。築浅マンションのほうがシッカリと消防設備点検が実施されているように思うのだが、なぜ逆の傾向が見られるのかは謎だ。
- 「定期的に防災訓練を実施している」割合は、完成年次に係らず、概ね4割。
- 「防災用品や医療品・医薬品を備蓄している」割合は、15年以降(~19年)4割を超える。
総戸数規模別の傾向
管理組合の大規模災害への対応状況について、総戸数規模別の変化を可視化してみた(次図)。
多くの項目において、総戸数が多くなるほど、対策が行われている割合が高くなる傾向が見られる。
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