不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


2023マンション総合調査結果|トラブル発生状況

かつて「マンションの3大トラブル」は、「生活音」「違法駐車・駐輪」「ペット飼育」と言われてきた。でも、いまでは「生活音」が最大のトラブルとなっている。

国土交通省は6月21日、「令和5年度マンション総合調査結果」を公表。
同調査は、マンション管理の実態を把握するため、全国の管理組合や区分所有者を対象に5年ごとに実施されている。今回の調査対象者は、1,589管理組合(回収率37.2%)、3,102区分所有者(回収率36.3%)。

調査結果報告書はデータ編も含めると416ページとかなりのボリュームになるので、忙しい皆さんに代わって、トラブル発生状況を可視化してみた。


もくじ

「居住者間のマナー」トラブルが圧倒的に多い

トラブル発生状況について、2003年度調査以降の推移を可視化してみた(次図)。

「居住者間のマナー」をめぐるトラブルが圧倒的に多く、23年度は6割を超える。以下「建物の不具合」「費用負担」と続く。

トラブル発生状況の推移

 

トラブル発生状況について、完成年次別の変化を可視化してみた(次図)。

新しいマンションほど「居住者間のマナー」トラブルが多いように見えなくもない

トラブル発生状況(完成年次別)

 

トラブル発生状況について、総戸数規模別の変化を可視化してみた(次図)。

「居住者間のマナー」をめぐるトラブルは、大規模マンションになるほど多くなる傾向が見られる(次図)。

お互いの顔が見えない大規模なマンションほど、「居住者間のマナー」トラブルが発生しやすい……。

トラブル発生状況(総戸数規模別)

「生活音」トラブルがダントツ

さらに、「居住者間のマナー」をめぐるトラブルの具体的な中身を見ていくと、「生活音」がダントツで、23年度調査では4割を超えている(次図)。

「ペット飼育」の割合は低下し、23年度調査では「違法駐車」「違法駐輪」と同様、2割以下にとどまっている。

かつて「マンションの3大トラブル」は、「生活音」「違法駐車・駐輪」「ペット飼育」といわれてきた。これからはマンショントラブルといえば、「生活音」

居住者間マナー(具体的内容)の推移

 

居住者間マナーの具体的内容について、完成年次別の変化を可視化してみた(次図)。

古いマンションのほうが「生活音」トラブルの割合が少なくなるのは、諦めの境地なのか……。

居住者間マナーの具体的内容(完成年次別)

 

居住者間マナーの具体的内容について、総戸数規模別の変化を可視化してみた(次図)。
「生活音」トラブルは、大規模マンションになるほど多くなる傾向が見られる。お互いの顔が見えない大規模なマンションほど、「生活音」トラブルが発生しやすい……。

居住者間マナーの具体的内容(総戸数規模別)

【参考】トラブルの処理方法は…

※前回(18年度)の調査まで実施されていた「トラブルの処理方法」は、今回(23年度)の調査では実施されていないので、以下は参考。

マンション内で生じたトラブルはどのように処理されているのか?

18年度は「管理組合内で話し合った(58.9%)」が最も多く、次いで「マンション管理業者に相談した(46.5%)」「当事者間で話し合った(19.4%)」となっている(次図)。

専門家への相談割合はそれほど高くない。「弁護士に相談した(10.2%)」、「マンション管理士に相談した(2.9%)」。

トラブルの処理方法

あわせて読みたい

2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.