筆者は都心低空飛行が実施された日時を知るために、国交省が運営している「羽田空港飛行コースホームページ」に公開されている「過去の運用状況」のデータを毎朝チェックしている。
昨日(8月8日)のデータをチェックしていて、妙なことに気がついたので、以下に整理しておいた。
※投稿23年8月9日(追記23年8月10日)
たった30分間だけの「南風時運用」!?
昨日(8月8日)の「過去の運用状況」を見ると、「南風時運用」は30分間(14:30-15:00)だったことが確認できる(次図)。
上の記号が何を意味しているのか分からない人のために、可視化したのが次図。
簡単に言えば、8月8日はNo.7(日中帯南風・好天時)の運用が30分間、それ以外はNo.5(日中帯南風・好天時)の運用がされていたということである。
「運用状況の区分|国交省」を元に筆者作成
2機が羽田新ルートを離脱、従来ルートで着陸
実際には、どのような運用がされていたのか?
過去の飛行情報が公開されている「フライトレーダー24」をひも解くと、羽田新ルート(うちC滑走路到着ルート)を飛行していた2機(北九州発A320型機、熊本発B737型機)は、柏市上空あたりでUターンして、従来ルートを使って15時過ぎに羽田空港に到着していることが確認できる(次図)。
当日の気象に問題はなさそうなのだが…
当日の羽田の気象は、風向は南~南南西、風速5~7m/sで、特に問題なさそう(次図)。
「東京国際空港の過去48時間の天気」より
また、東電の「雨量・雷観測情報」で過去の気象状況をひも解いてみたが、船橋市上空あたりに雨雲が見られる程度で(次図)、雷雲・落雷はなし(次々図)。
南風、風速5~7m/sで、特に厳しい気象条件ではないのに、羽田新ルートに向かった2機が途中で従来ルートに戻り、その後の航空機も従来ルートで羽田に着陸し続けたのはなぜか。
羽田新ルートを飛行しなかった理由は不明だが、いずれにしても、羽田新ルートを使わなくても、従来ルートで十分対応できることが分かってしまった、という話。
ちなみに、羽田新ルートが使われなかった理由としては、A/C滑走路が閉鎖されるようなトラブルが発生していた可能性が考え得るが、このあたりの情報をお持ちの方がいればお知らせください。
【追記】2日続けて新ルートを断念
※23年8月10日追記
8月9日、羽田新ルートの南風・悪天時運用が13分間(14:30-14:43)セットされた(次図)。
でも、実際には新ルートを飛行せず、従来ルートで着陸。その後も全て従来ルートで着陸。
国交省は羽田新ルートに固執するも、2日続けて従来ルートで処理できてしまったという不都合な真実。
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