千葉県は7月27日、「羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会(定例会)の開催結果について」公表した。
都民にとって関心の高そうな千葉県側の意見が掲載されていたので、まとめておいた。
千葉県・市町村連絡協議会、国交省への意見等
「羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会」は7月27日、国交省に対して、千葉県上空の飛行ルート下の更なる騒音軽減の早期実現を図ることなどを求めた。
「羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会」では、国土交通省に対し、羽田空港の離着陸機による騒音軽減策等の検討・実施を求めています。
本日開催した協議会において、国土交通省から羽田空港の運用状況や騒音軽減策の状況などについて説明があり、連絡協議会から、本県上空の飛行ルート下の更なる騒音軽減の早期実現を図ることなどを求めました。
国土交通省に対する連絡協議会としての「具体的な意見等」は以下の通りである。
気になるのは、南風時の都心低空飛行ルートを「可能な限り積極的に活用するよう」都民への負担を求める一方で、都民への配慮する姿勢を示していること。
- 令和元年12月に締結した「確認書」の記載事項を今後も着実に履行すること。
(羽田空港の運用状況について)
- 15時から19時までの間において3時間程度運用することとされている「南風時の新到着ルート」(都心上空ルート)について、可能な限り積極的に活用するよう引き続き取り組むこと。
- 都心側住民にも配慮しつつ、都心上空ルートの更なる運用可能性を検討すること。
- 「富津沖海上ルート」を使用する北風好天時運用について、年間運用比率25%を恒常的に上回るよう、引き続き運用を徹底すること。
(飛行ルート下の騒音軽減策について)
- 本県上空の従前からの飛行ルートにおける降下角の引上げについて、着実に検討を進め、早期実現を図ること。
- 着陸機の交差の低減・解消、首都圏全体での飛行ルートの更なる分散化、更なる高度引上げなど、本県上空の飛行ルートの更なる騒音軽減策について、管制技術の進展や航空機の技術革新、航空機運用の現状分析なども踏まえ、あらゆる角度から検討し、早期実現に向けて取り組むこと。
- 低騒音機導入を更に促進するため、高騒音機材の着陸料の追加引上げを検討すること。
- 東京都上空の新飛行ルートの固定化回避策の検討に当たっては、本県への騒音負担のしわ寄せがないようにすること。
(総合的なコミュニケーションについて)
- 羽田空港の航空機運用や騒音軽減に向けた取組等について、今後も、住民への詳細な説明と積極的な情報公開に取り組むこと。
千葉県が都民に配慮!?
千葉県HPには、2017年(平成29年)以降の千葉県・市町村連絡協議会の開催結果が掲載されている(次図)。
過去に開催された協議会の「具体的な意見等」を読み比べてみると、今回7月27日に開催された協議会で初めて都民への配慮が追加されたことが確認できる。
- 都心側住民にも配慮しつつ、都心上空ルートの更なる運用可能性を検討すること。
千葉県民vs.都民の構図にならないよう、配慮したということなのだろうか……。
【参考】羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会とは
羽田空港に関する諸課題に対し、国土交通省と定期的に協議を行うための組織。現在、千葉県と次の関係25市町で構成されている。
- 千葉市・市川市・船橋市・木更津市・松戸市・野田市・茂原市・佐倉市・習志野市・柏市・市原市・流山市・八千代市・我孫子市・鎌ケ谷市・君津市・富津市・浦安市・四街道市・袖ケ浦市・印西市・白井市・大網白里市・長柄町・長南町
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