国交省は3月29日、「ニュースレター第17号(2023年春)」を発行。
羽田新ルート問題に詳しくない人がニュースレターを読むと、安心感が得られる内容となっているのだが……。
「ニュースレター第17号(2023年春)」発行
国交省は3月29日、「ニュースレター第17号(2023年春)」を発行。
国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に掲載された「ニュースレター」のリンクを辿っていくと、白黒8枚のPDF(5.48MB)「ニュースレター第17号(2023年春)」が開く(次図)。
ウェブ上の公開資料であるにも係わらず、なぜカラーではなくわざわざ視認性の低い白黒を採用しているのかという、読者視点のない国交省のお役所ぶりはさておき、気になる点を2点以下に指摘しておこう。
国交省の情報戦略
羽田新ルート問題に詳しくない人がニュースレターを読むと、安心感が得られる内容となっているのだが……。
騒音・落下物問題について、寝た子を起こさないという国交省の情報戦略が透けて見える。
騒音問題:事前の推計値を上回っていることには触れられていない
4枚目に掲載された「騒音測定結果に関する情報」のページ(次図)。
騒音測定局ごとのLden(航空機騒音評価の指標)について上記期間で集計したところ、24.8dB ~ 56.6dBであり、航空機騒音における環境基準値である57dBを下回っています。
Lden値が環境基準値を下回っていることは記されていても、最大騒音レベルの値が事前の推計値を大きく上回っていることについてはどこにも記されていない。
※推計値を大きく上回っている例示:中野区議会本会議、環境部長答弁(21年6月2日)「令和3年2月までの実績で64.3から71.1dBであり、中型機については推計値を1から4dB上回っています」
落下物問題:「ほとんどは100g未満」と矮小化
6枚目に掲載された「落下物に関する情報」のページについてもしかり(次図)。
部品欠落の報告制度により、羽田空港を含む7空港において2022年4月~ 2022年9月に報告された欠落部品の総計は477個であり、そのほとんどは100g未満、約8割は10g未満でした。
落下物については、「そのほとんどは100g未満、約8割は10g未満でした」と、落下物(国交省の定義では落下物ではなく「部品欠落」)の発生状況がことさら矮小化されている。1㎏以上の部品欠落としてタイヤ表面の一部が確認されたことなどには、全く触れられていない。
もちろん、22年3月14日に渋谷区内のテニスコート内に氷塊が落下した「氷塊落下疑惑」(羽田新ルート|氷塊、渋谷区内のテニスコートに落下!?)についても記載なし。
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