不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


羽田新ルート|江戸川区議会「22年第4回定例会」聞く耳を持たない区長とドヤ顔部長

江戸川区議会の「22年第4回定例会」本会議一般質問(11月29日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産党)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約3千600文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

大橋美枝子 議員(共産)

大橋美枝子議員
大橋美枝子議員(共産、区議3期、千葉大卒、73歳)

通告に基づき質問します。区長、教育長の答弁を求めます。始めに、羽田空港荒川沿い新ルートについて伺います。

羽田空港荒川沿い北風新ルートは、2020年3月29日の開始以来、約2年8か月経過し、2021年度区内通過数は従来の3.5倍に増えました。航空機の通過音は朝7時過ぎから上空に響き渡り、耳障りな航空機騒音に馴れるということはありません。


区議団が今年実施した区民アンケートでは1403名から回答があり、新ルートについて、経済効率のため必要18%、分からない18%、無回答も14%ありましたが、45%が新ルートの撤回・中止を求めていました

環境悪化、落下物の危険、元の東京湾からに戻すが35%、減便の間だけでも中止は10%です。

また、中止を求める声が具体的に書き込まれていましたが、多くは朝7時からの合計7時間、新ルートによる区内通過が増えたことによるものです。改善を求める声がたくさん寄せられたと言えます。


アンケートには「なぜ東京湾からの出入りはダメなのか」「どうして新ルートが必要か」という率直な疑問から、「落下物の危険がある。そのことにつきる」「環境のために減らしてほしい」「日々、騒音に悩まされ、心身ともにどうにかなりそうです」などです。

また、従来の南風悪天候についても、「夜に轟音がすごいです」「低空で飛んでいるので恐怖を感じる」と落下物や環境悪化への不安や健康被害などが寄せられています。


2年前に国が新ルートについての技術的方策検討会を設置しました。荒川沿い北風ルート離陸便の騒音軽減方策が検討され、現状の離陸方法が最適だと国交省の「秋のお知らせ」(PDF:4.2MB)に示されています。しかし、離陸便のルート変更の検討がされたのか分かりません。そこで2点質問します。

問1:コロナ減便の間だけでも一旦中止を

ひとつ目は、区議団のアンケートに示された区民の声を受け止め、コロナ減便の間だけでも一旦中止を、さらに従来の海上ルートに戻すよう国交省に求めてほしいのですが、どうでしょうか。

問2:技術的方策検討会、荒川沿い離陸便ルート検討するように国に求めてほしい

二つ目は落下物と騒音対策についてです。外国の航空機も含め、羽田空港待機中の航空機チェックの徹底、通過ルート下の騒音に対する防音対策の見直しや、技術的方策検討会において荒川沿い離陸便のルートについても検討するように国に求めてほしいのですが、どうでしょうか。

斉藤区長

斉藤猛 江戸川区長
斉藤猛 江戸川区長(1期、元江戸川区教育長、早稲田大学社会科学部卒、59歳)

答2:国の取組を注視、必要があれば国に声を上げてまいります

それではお答えをしてまいります。一点目の羽田空港の新ルートについてのご質問でございます。

私ども数えますと、大橋議員さんから10回目のご質問でございます。同趣旨ということで私が区長になってから5回目のご質問ということで、それだけ思いが強いということかなというふうには思うんですけれども、我々も同じような形で答えさせて頂いております。


本日は、一点目は担当部長から、2点目は私の方からご対応させていただきます。

2点目の空港待機中の機体チェックの徹底と通過ルートでの防音対策の見通しでございますけれども、羽田空港での徹底した待機中の機体チェックにより羽田新ルートにおいて確認された落下物は0件であります


騒音については、法に基づいた基準を定め、年間を通して測定し、本区では環境基準を満たしております


技術的方策検討会では、騒音影響軽減の観点から何度も検証を実施しております。区としては引き続き、国の取組を注視し、区民の不安に対しては、必要があれば国に声を上げてまいります

環境部長

環境部長
天沼浩 環境部長

答1:飛行ルートの変更は国としてもしない、こういうことになっているのであります

羽田飛行ルートにつきまして、コロナ便減便の間だけでも中止、あるいは海上ルートに戻すように国に求めること、ということについて、アンケートにお答えされた方にも説明するつもりで少しく説明をさせていただきたいと思うんですけれども。


まずは、海上ルートから荒川ルートに変更したのは、国際的に1日あたり50便から70便増やして、羽田空港の離発着枠を世界に向けて開放するということでございまして、このことについては、この計画ができた段階で、令和元年の8月の7日に特別区長会会長が特別区長会の意見をまとめまして、羽田空港の機能強化の必要性については全区長が理解しているということでございまして、このことに基づいて我々の斎藤区長も機能拡張については理解しているというふうに、必要であると考えているというふうに、都度都度答弁しているところでございます。


それで今現在、便数が減っている理由なんですけれども、羽田空港の離発着枠についてはいまもって、当時、各国の航空会社に公開した枠、これは変わってないんです。

この枠に対する申請は各航空会社から、世界中の航空会社からあるわけですけれども、これを国が事業認可する形で各航空会社が飛行機を飛ばしてると、こういうことです。

この便数については、期間中、飛行ルート便数が固定されてます。航空会社が勝手に減便することができないっていう仕組みになっておりまして、仮に申請をした8割を切るような減便をすると次回の飛行便数は減らされてしまいます

従いまして、航空会社は申請した枠で飛行機を飛ばすというルールに国際的になってます。ただし、コロナパンデミックについては、国際的な取り組みがありまして、特例措置としてペナルティ無しで減便を認めましょうということになりましたので、コロナを理由とした減便に関しては今行われております。


ただし、各航空会社が元通り飛ばしたいということになりましたら、これは羽田空港としてそれを受け入れなければなりません。従いまして、もし飛行ルートを変えるということになりますと、今の羽田空港の離発着枠を圧縮するということになります


ここで各区長が言っている羽田空港の機能拡張、機能強化ということと矛盾してくるわけです。

従いまして、我々としては、国が羽田空港の機能強化の必要性は認識するものの騒音対策だとか落下物対策だとかそういうところは影響のある区に対して万全を期してくれというふうに言っているわけで。

従いまして、この理論でいくと、飛行ルートの変更は国としてもしないし、羽田空港の離発着枠、機能強化としての離発着枠を元に戻すということはしないと、こういうことになっているのであります。以上です。

大橋:国交省のやり方は理解できないということを重ねて申し上げたい

ご答弁ありがとうございました。区長から「必要なことは国に声を上げていく」とご回答いただきまして、本当にこれからも引き続きその立場で区民の声を受け止めてほしいと、まずはじめにお願いしたいと思います。

ただ、今、部長からのお話は、「国はこういう方針で、そのことを区長会は認めたから、区としてはそういう一旦中止とか元のように戻すと言えない」という説明を聞きしましたけれども、それはいくら聞いても納得できないというのが私の見解です。


新型コロナの感染で特別に減便があって、色々と国際線が少なくなったということはそれはどなたも分かってることですから、やっぱりそういう時に取りあえずってことになれば、一旦中止っていうことはあり得ただろうと私は思います


また、海上ルートに戻すことを、改めて区として(国に)意見を言ってほしいということを、それが区民の立場に立った仕事ではないかということを意見として述べさせていただきます


一つご紹介したい、もうご存知だと思いますけれども、1986年に当時の運輸省が羽田空港の滑走路建設の理由に、海から入り海に出るという運用方式を採用することにより騒音問題を抜本的に解消できる、いわば「音の沖合移転」とも言えると述べています。

今は政策が変わったとはいえ、やっぱり元の海上ルートに戻すということが騒音や落下物対策の基本と考えます。


先ほど区長が「落下物はゼロ」と仰いましたけれども、いわゆる部品脱落は昨年度1年間で1千件を超えてるわけですから、部品脱落が落下物なんなくて良かったなと、逆にちょっと思うところですけども、そういう客観的な数字も出てるわけですから、その所はしっかりこれからも区としても見て行っていただきたいと思います。


区の資料がいつも発表されて改めて見ましたら、2021年度の区内通過機数は1月と2月は南風悪天候の通過がゼロだったんですね。そうすると北風新ルートがなければ1月と2月は全く航空機騒音がないという静かな空だったわけです。それは、たとえの話ですけども、やっぱり以前のような静かな空を取り戻したいというのが私の意見であり、区民の皆さんの全員ではありませんけれども、そういう求めてる人がいるということを重ねて申し上げます。


また、国交省の2020年の秋号の「お知らせ」でも、様々なことが知らせてありますけれども、例えば、整備士を適切に配置した機体チェックを徹底することとか、新ルートによる影響の調査をもっと定期的に国の責任で行うとか、また固定化回避の検討会では次回が1年後になってるんですね。あまりにも先にいって、今どうするかが見えないと。

そのあたりは納得できない。国交省のやり方は理解できないということを重ねて申し上げたいと思います。

雑感

聞く耳を持たない区長とドヤ顔部長

「私ども数えますと、大橋議員さんから10回目のご質問でございます」って、まるで「これ以上質問しても無駄ですよ」と言わんばかりの区長の答弁。

前の多田正見区長(5期、元江戸川区教育長)も現在の斉藤猛区長(1期、元江戸川区教育長)も毎回、全くと言っていいほど聞く耳を持たない答弁を繰り返しているのだから、大橋議員が何回も質問するのは当然ではないか。

大橋議員から「コロナ減便の間だけでも一旦中止を、さらに従来の海上ルートに戻すよう国交省に求めてほしい」と問われて、登壇した環境部長の答弁もいただけない。

AだからB、BだからC、CだからD、よって離発着枠を元に戻すということはしない。環境部長が議員を相手にディベートで打ち負かしてドヤ顔しているように見えてしまうのは筆者だけか。
環境部長は、できない理屈を並べるのではなく、区民のために解決策に知恵を絞ることが仕事ではないのか。

大橋議員の孤軍奮闘…

江戸川区議40人(定員44人)のなかで、本気で羽田新ルート問題に対応しているのは、大橋美枝子議員(共産)だけのようだ。

区長が答弁したように、大橋議員が定例会本会議の一般質問で羽田新ルート問題を取り上げたのは、今回を含めると確かに10回にのぼる(次表)。

区長から何回突っぱねられても、粘り強く質問し続ける姿勢は高く評価したい。ただ、上品な物腰に加え、「私の見解」「私は思います」「意見として述べさせていただきます」「私の意見」といったあまりにも控えめな物言いでは、区長や部長から何らかの言質を取るには迫力不足。

羽田新ルートに係る定例会本会議一般質問実績

江戸川区民は救われない

北風時に荒川沿いを北上する出発ルートは(7時~11時半・15時~19時)、南風時に都心を通過して羽田に向かう到着ルート(15時~19時)よりも運用される時間がはるかに長い。加えて、江戸川区では羽田新ルートが導入される以前から、南風で悪天候等により視界が悪く、通常のルートが使用できない時に限り江戸川区上空を通過する着陸ルートが運用されている。

21年度は、通過機数・1日平均騒音発生回数ともに21年度と比べて1.3倍に増加(次図)。

羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化
羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化」より

 

川崎ルートではNGのエアバス340が、荒川沿い北上ルートではOKとなっている。物言わぬ区長・区議らのお陰で、江戸川区上空は離着陸ルートの草刈り場状態(川崎ルートで禁止されているA340、荒川沿い北上ルートはOK)。

江戸川区民はかなりの飛行騒音被害を受けているのだが、こんな区長と羽田新ルートへの関心が低い議員ばかりでは、江戸川区民は救われない……。

あわせて読みたい

2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.