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川崎ルートで禁止されているA340、荒川沿い北上ルートはOK

東京都が公表した荒川沿い北上ルートの小松川図書館の最大騒音レベルが77dB(11月22日)だった。
その原因を調べてみると、トンデモナイ状況が判明。荒川沿い北上ルート周辺住民、特に江戸川区民は必読!


もくじ

最大騒音レベル77dBを記録(11月22日)

東京都は平日の毎日、羽田新ルート周辺の騒音測定局(5か所)で測定した騒音モニタリング結果(速報値)を公表している。

筆者はこの速報値をもとに作成したグラフをブログに掲載し、随時更新している(次図)。

最大騒音レベル(北風時)都測定データ
羽田新ルート|東京都の騒音測定データを可視化※随時更新」より

 

今朝、昨日公開された11月22日のデータをチェックしていて、小松川図書館の騒音値が77dBと異常に高いことに気が付いた(次表、ピンク囲み)。

小松川図書館の騒音値が77dB

 

北風時に羽田空港を出発して荒川に沿って北上するルート(運用時間帯:7時~11時半、15~19時うち3時間)で一体何が起こったのか?

エアバス340の影響だった

国交省が運用しているサイト「羽田空港飛行コース」に公開されている「航跡動画」をチェックしてみると、エアバス340-300 (ICAOコード:A343)が15時21分頃、高度1,100mで江戸川区北葛西付近を通過し、そのときの最大騒音レベルが76dBであったことが確認できる(次図)。

エアバス340

 

エアバス340 は、主翼下に4発のターボファンエンジンを装備した、騒音の大きな大型機である。

ルフトハンザHPに掲載されている「日本路線のスケジュール」をひも解くと、騒音の大きい4発機エアバス340は10月31日から来年の1月30日までは週5便、その後3月26日までは毎日運航されることになっていることが確認できる(次表)。

ルフトハンザHPに掲載されている「日本路線のスケジュール」

 

11月に入ったあたりから最大騒音レベルが上昇傾向にあるのは、エアバス340の影響があるのではないだろうか(次図)。

最大騒音レベル(北風時)都測定データ

 

ちなみに、測定局が小松川図書館に移設される前の小松川第二中学校の測定値は、20年10月31日に過去最大の78dB、同年11月2日に77dBを記録している。このときもエアバス340の飛行騒音の影響であった。

※詳しくは、「なぜ、荒川北上ルートの飛行機騒音は上昇しているのか

川崎ルートで禁止されているエアバス340、荒川沿い北上ルートはOK

国交省が掲げている羽田新ルートに係る騒音対策には、南風時のB滑走路からの出発経路(川崎ルート)では、地元自治体の要望を踏まえA340は制限対象とされている。

多くの江戸川区民はこのような事実を知らない。

南風時のB滑走路からの出発経路において長距離国際線及び機材の制限等を行います
新飛行経路のうちB滑走路から西向離陸する経路については、環境影響に配慮した方策をとることとし、地元自治体の要望を踏まえ、長距離国際線の制限、機材制限、騒音軽減運航方式等の導入を行います。

運用制限

■長距離国際線の制限

(略)

■機材制限
4発機(B747、A340等)を制限します。

(参照)2019年夏ダイヤで羽田空港に就航している国際定期路線のうち4発機(B747)を導入している路線:羽田-シドニー(カンタス航空)、羽田-フランクフルト(ルフトハンザ航空)、羽田-バンコク(タイ航空)

 

川崎市は、国交省に猛烈にアタックした結果、B滑走路から西向離陸するルートでの長距離国際線・機材の制限を勝ち取った。

片や、江戸川区は前・多田正見区長(5期)から現・斉藤猛区長(1期)に至るまで、国交省に責任丸投げスタンスを続けた結果、従来の南風悪天候時の着陸ルート(22ILSルート)に、羽田新ルートの荒川ルートが加わり、航空機騒音は悪化するばかりである(次図)。

さらに、川崎ルートではNGのエアバス340が、荒川沿い北上ルートではOKとなっている。物言わぬ区長・区議のお陰で、江戸川区上空は離着陸ルートの草刈り場状態。

通過機数・騒音発生回数の経年変化
羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化」より

 

かつて江戸川区は国を相手取って裁判を起こし、1973年に当時の運輸省航空局長と区との間で、海上の飛行コースを設定するとの合意に至った歴史があるのだが……。

江戸川区議の皆さん、江戸川区選出都議の皆さん、仕事してますか。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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