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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和3年度 第2回幹事会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和3年度 第2回幹事会」が21年12月21日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿22年1月14日(追記22年2月9日)


もくじ

「都及び関係区市連絡会」がコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が1月13日17時、「令和4年1月13日」に変った。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第2回幹事会」が開催されたことが分かる(次図)。

トピックスに、掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙い…)。

都及び関係区市連絡会 第2回幹事会

リンク先を開くと、毎度のごとく、議事録でなく、「議事の要旨」でお茶を濁されてしまっている。

会議の概要はとてもシンプル。「議事の要旨」はたったの1行しかない。

会議の概要
  • 会議名 令和3年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会(第2回)
  • 開催日 令和3年12月21日(火曜日)
  • 出席状況 東京都、23区市、国土交通省
  • 議事の要旨
    * 国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等について説明。

「主な意見及び国の回答等」は「後日公表」とされている。

 

公開された「会議資料」(次図)は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第10回・夏ダイヤのとりまとめ)」として1月13日に公表した資料とほぼ同じ。

国交省は12月21日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約3週間後の1月13日に、都と示し合わせたように同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りは都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(1月13日公表)になかったのは、「(資料9-2)都に寄せられた意見について」(PDF:403KB)。21年9月から10月までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの15件。

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよくわかる(次図)。

都民の怒りは東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数(21年)

固定化回避検討会(第5回)カウントダウン!?

さて、今回の「幹事会」は今年度2回目。昨年度は「幹事会」は2回しか開催されなかったが、「分科会」のほうは6回開催されている(次図)。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

国交省主催の「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」(第5回目)開催に向けた地ならしが始まったのか……。

【追記①】引き続き丁寧な情報提供!?

※22年1月27日追記

主な意見及び国の回答等」が1月26日17時に公開されたので、以下追記。

  • 航空局からの丁寧な情報提供地域へ直接説明いただくことが、地域の方々の納得性を高める為にも大きな効果が出ると思っているので、ご検討いただきたい。
    • ⇒ご意見として承る。地域の方々には引き続き丁寧な情報提供に努めて参りたい
  • 騒音、安全対策について、引き続き取組の実施をよろしくお願いしたい。
  • 固定化回避検討会については、しっかり検討していただき、可能な限り早急に結論をお示しいただきたい。 また、区に寄せられた意見として、現在検討中の経路を地図に重ねて示してほしいという要望があることをお伝えする。
    • ⇒2021年8月に開催した第4回固定化回避検討会においては、導入可能性のある飛行方式として2つの方式を選定した。まずは安全面をしっかり担保できるかという検証に取り組んでいる。具体的な経路案については、そういった検証が整ってからお話させていただくことになると考えている。少しでも早くお示しができる様、これからも一生懸命取り組んで参りたい

都整備局のHPに1月26日、「主な意見及び国の回答等」がコッソリ掲載された。国交省はさておき、都は丁寧な情報提供に努めているとはいえない。

【追記②】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」入手

※22年2月9日追記

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

※開示請求(1月14日)してから1か月足らずで入手(2月8日)。

13区のうち代理を立てたのは江東区のみ

東京都からは安部文洋 都市整備局理事。23区のうち、欠席したのは台東区のみ。

羽田新ルートが通過する13区のうち、代理を立てたのは江東区のみ。

江戸川・品川区以外の出席者は置物状態…

議事概要では、「関係区の主な発言」として、江戸川区と品川区から要望が出されたが、国交省からは従来通りの回答がなされたことが記されている。

※下記、原文では改行は全くないが、WEB上で読みやすくするために筆者にて改行した。

江戸川区  

  • 2020 年の3月 29 日から新ルートの運用が開始され、1年9ヶ月ほど経過した。運用開始前は、国交省が精力的に住民説明会を開催していたが、江戸川区においては、2019 年 12 月、2020 年1月頃にフェーズ6の説明会の実施が最後である。
  • コロナ禍であるため、この間、情報提供、住民説明は先日の様な全戸ポスティングの形でご尽力いただいているところ重々承知しているが、新ルートが開始されて2年弱である為、コロナ禍の安定などを見つつ、そろそろ住民説明会を開催していただきたい。航空局からの丁寧な情報提供や地域へ直接説明いただくことが、地域の方々の納得性を高める為にも大きな効果が出ると思っているので、ご検討いただきたい。

国土交通省

  • ご意見として承る。地域の方々には引き続き丁寧な情報提供に努めて参りたい。

品川区

  • これまで様々な取組を実施いただいた騒音・安全対策について、引き続き取組の実施をよろしくお願いしたい。
  • 品川区から要望であるが、固定化回避検討会については、しっかり検討していただき、可能な限り早急に結論をお示しいただきたいとお願い申し上げる。
  • もう一つ、区に寄せられた意見として、現在検討中の経路を地図に重ねて示してほしいという要望があることをお伝えする。 

国土交通省

  •  2021 年8月に開催した第4回固定化回避検討会においては、導入可能性のある飛行方式として2つの方式を選定した。現在、着陸ルートであれば、2本の着陸ルートが独立して運用しているという状況であるので、まずは安全面をしっかり担保できるかという検証に取り組んでいる。
  • 具体的な経路案については、そういった検証が整ってからお話させていただくことになると考えている。
  • 少しでも早くお示しができる様、これからも一生懸命取り組んで参りたい。 

 

江戸川区の環境部長も、品川区の都市環境部長も、上記の発言を持って職責を果たしたことになっているのであろうか。
1時間45分(10:15~12:00)のZOOM会議の間、江戸川・品川区以外の21区と西東京市の出席者は置物状態だったのか……。

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