不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


首都圏中古マンション市場動向(22年1月)|都心3区の成約単価、一進一退

東日本不動産流通機構は2月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(22年1月度)を発表。

同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。

中古マンション

首都圏概況

  • 成約件数は前年比マイナス20.7%の大幅減となった。
  • 成約m2単価は前年比プラス11.5%の2ケタ上昇となり20年5月から21ヶ月連続成約価格は同10.0%の2ケタ上昇となり20年6月から20ヶ月連続で前年同月を上回った。
  • 専有面積は前年比で1.3%縮小した。

地域別動向

  • 成約件数はすべての地域が前年比で減少し、東京都区部と横浜・川崎市、神奈川県他は前年比で2割を超える大幅減となった。
  • 成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は21ヶ月連続、横浜・川崎市と埼玉県は20ヶ月連続、千葉県は18ヶ月連続で前年同月を上回った。

これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化した。


もくじ

首都圏

成約単価

首都圏の中古マンションの成約単価アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を示すなか、21年12月に64万円を突破。(次図)。

22年1月の成約単価は64.18万円(前年同月比11.5%増)。

新築・中古マンション単価の推移(首都圏)
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)

成約件数

首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。

1月の成約件数は2,760戸(前年同月比▲20.7%減)。

中古マンション成約件数の推移(首都圏)

 

首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。

新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲52.6%と大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら22年1月は▲20.7%減

中古マンション成約件数前年同月比の推移(首都圏)

在庫件数

首都圏の中古マンションの在庫件数は、19年1月をピークに減少していたが、21年6月を底にリバウンドしている(次図)。

中古マンション在庫件数の推移(首都圏)

1都3県

成約単価

1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。

都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向。コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を示すなか、1月は86万円を突破。

中古マンション成約単価・件数の推移(1都3県)

成約件数

1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。

1月の都内の成約件数は1,430件(前年同月比▲19.4%減)。

中古マンション成約件数の推移(1都3県)

 

都内中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲55.3%と大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら22年1月は▲19.4%減。

中古マンション成約件数前年同月比の推移(東京都)

在庫件数

1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。

都内の在庫件数は、19年2月をピークに減少していたが、21年5月を底にリバウンドしている。

中古マンション在庫件数の推移(1都3県)

23区

成約単価

23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。

都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあと一進一退。1月は143.68万円。

中古マンション成約単価の推移

23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。

都心3区>城西>城南>城北>城東

  • 都心3区:千代田、中央、港
  • 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
  • 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
  • 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
  • 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
成約件数

23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。

中古マンション成約件数の推移(23区)

 

城東地区と都心3区の中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返している。

中古マンション成約件数前年同月比の推移

在庫件数

23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。

23区内の在庫件数は、21年4月前後を底にリバウンドしている。

中古マンション在庫件数の推移(23区)

まとめ

成約単価は高止まり、成約件数は激しくリバウンドを繰り返すなか、在庫件数は増加。中古市場は不調の兆候を見せ始めたのではないか。

※状況は先月とあまり変わっていない。

  • 首都圏
    • 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を示すなか、21年12月に64万円を突破
    • 成約件数:新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと激しくリバウンドを繰り返している
    • 在庫件数:21年6月を底にリバウンドしている。
  • 都内
    • 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を示すなか、1月は86万円を突破
    • 成約件数:(首都圏に同じ)
    • 在庫件数:21年5月を底にリバウンドしている。
  • 都心3区(千代田、中央、港)
    • 成約単価:20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあと一進一退。1月は143.68万円。
    • 成約件数:(首都圏に同じ)
    • 在庫件数:21年4月前後を底にリバウンドしている。

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.