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首都圏中古マンション市場動向(21年11月)|不調の兆候を見せ始めた!?

東日本不動産流通機構は12月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(21年11月度)を発表。

同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。

中古マンション

首都圏概況

  • 成約件数は前年比で5.6%減少し、5ヶ月連続で前年同月を下回った
  • 成約m2単価は前年比で7.1%上昇し20年5月から19ヶ月連続成約価格は同3.8%上昇し20年6月から18ヶ月連続で前年同月を上回った
  • 専有面積は前年比で3.1%縮小した。

地域別動向

  • 成約件数は多摩と千葉県以外の各地域が前年比で減少し、東京都区部は6ヶ月連続、横浜・川崎市は5ヶ月連続で前年同月を下回った。
  • 成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は19ヶ月連続、横浜・川崎市と埼玉県は18ヶ月連続、千葉県は16ヶ月連続で前年同月を上回った。

これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化した。


もくじ

成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)

首都圏の中古マンションの成約単価アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を見せていたのだが、頭打ちか……。(次図)。

21年11月の成約単価は60.92万円(前年同月比7.1%増)。

新築・中古マンション単価の推移(首都圏)
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)

 

首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年1月をピークに減少傾向からリバウンドし始めた(次図)。

中古マンション在庫件数の推移(首都圏)

 

首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。

11月の成約件数3,416戸は、前年同月比▲5.6%減。

中古マンション成約件数の推移(首都圏)

 

首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。

新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲52.6%と大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら21年11月は▲5.6%減

中古マンション成約件数前年同月比の推移(首都圏)

成約単価・在庫件数・成約件数の推移(1都3県)

1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。

都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を見せていたのだが、頭打ちか……。

中古マンション成約単価・件数の推移(1都3県)

 

1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。

都内の在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年2月をピークに減少傾向からリバウンドし始めた。

中古マンション在庫件数の推移(1都3県)

 

1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。

11月の東京都の成約件数1,782件は前年同月比▲4.20%減。

中古マンション在庫件数の推移(1都3県)

成約単価・在庫件数・成約件数の推移(23区)

23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。

都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあと、11月に137.62万円に戻す。

城西地区(新宿、渋谷、杉並、中野)の成約単価は、9月に115万円を突破(70m2換算で8,050万円)したあと、11月は102.27万円まで下がる

中古マンション成約単価の推移

23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。

都心3区>城西>城南>城北>城東

  • 都心3区:千代田、中央、港
  • 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
  • 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
  • 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
  • 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川

23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。

23区内の在庫件数は、減少傾向に歯止めがかかったようだ。

中古マンション在庫件数の推移(23区)

 

23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。

中古マンション成約件数の推移(23区)

まとめ

在庫件数が増加し始めるとともに成約件数は減少、成約単価は頭打ち。中古市場は不調の兆候を見せ始めたのではないか。

  • 首都圏
    成約単価
    はコロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を見せていいたのだが、頭打ちか……。在庫件数は減少傾向からリバウンドし始めた。
  • 都内
    成約単価
    はコロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を見せていたのだが、頭打ちか……。在庫件数は減少傾向からリバウンドし始めた。
  • 都心3区(千代田、中央、港)
    成約単価
    は、20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあと、11月に137.62万円に戻す。在庫件数は減少傾向からリバウンドし始めた。

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