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羽田新ルート|港区議会「21年第4回定例会」質疑応答

港区議会の「21年第4回定例会」本会議一般質問(11月26日)で、羽田新ルートに関して、3人の質疑応答があった。

議会中継(録画)(会議があった日から概ね2日後に公開される)よりも早く、ブログ読者がTwitterで公開したライブの録画をもとに、全文テキスト化(約3千600文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

うかい雅彦議員(自民)

鵜飼雅彦議員(自民)
うかい雅彦議員(自民党、区議4期、専修大学経済学部卒、63歳)

うかい:区民意見募集、議会とは連携、国交省へ区民の意見を届けて

羽田空港機能強化についての区民意見募集について伺います。

まず、区議会との連携についてです。港区の自民党議員団、公明党議員団にて、高輪、白金台、白金、麻布地域の町会・自治会への意見募集を行い、山田美樹衆議院議員事務所から国交省へその結果を届けています。


今月21日の「広報みなと」に掲載された区の意見募集は、さらに広く区民の声を集めて国交省へ届けることとなると評価しております。

「反対」とは口にしてはいませんが、区長と私たちは同じ思いであり、これからもより議会とは連携をしていただき、国交省へ区民の意見を届けていただきたいと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。

次に、成田空港の活用について伺います。

高輪地区の町会長、自治会長から羽田空港機能強化についてのご意見を伺った際に、あれだけの構想を行い完成した成田空港の活用を強く求める声がありました。羽田への固定化回避の中で地方空港の活用を求めておりますが、成田空港がより発着便数を増やして機能上げることにより、羽田の負担を減らすことになるのであれば歓迎すべきことであり、区としても同様の要請を行って頂きたいと考えます。区のお考えはいかがでしょうか。

区長:固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(無所属、5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、68歳)

次に、羽田空港機能強化についての区民意見募集についてのお尋ねです。まず、区議会との連携についてです。

これまで区は区議会と共に国に対し、羽田新飛行ルートの固定化回避に向けた要請を行い、区に寄せられた区民の不安の声をはじめ様々な意見を漏れなく国に伝えてまいりました。


区は今月21日から羽田空港機能強化に関する意見募集を開始しております。区に寄せられた区民や事業者の皆さんの意見を区議会とも共有し、国に届け、固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請をしてまいります


次に、成田空港の活用についてのお尋ねです。

国は羽田空港の新飛行ルートの導入背景として、国際競争力の強化の必要性などを挙げ、国際線のニーズの高い時間帯は成田空港もフル稼働の状態であるため、羽田空港の国際線の増便が必要であるとしています。


一方、国は成田空港についても新たな滑走路の整備など機能強化の取り組みを進めています。区は羽田新飛行ルートについて、海上ルートの活用や地方空港の活用による飛行ルートの分散化と合わせて成田空港の活用について検討するよう国に要請をしてまいります。

兵藤ゆうこ議員(みなと)

兵藤ゆうこ議員(みなと)
兵藤ゆうこ議員(みなと政策会議<立憲民主党>、区議2期、美容業界出身、東海大卒、54歳)

兵藤:今後どのように頂いた声を活用するのか

羽田新飛行ルートについてです。港区議会では、令和3年港区議会第2回定例会において、「羽田都心飛行ルート下で住民・勤労者を対象とした実態調査と調査結果の公表を求める請願」が全会派一致で採択されました。


渋谷区議会では、今年10月の第3回定例会において、「羽田新ルートの運用停止を求める請願」を採択し、渋谷区議会は国に対して都心低空飛行を伴う羽田新ルートは早急に停止を検討するよう求める「羽田新ルートの運用停止を国に求める意見書」を提出しました。


羽田新ルートの運用が2020年春より運用されてから、今もなお航路下の住民の皆さんにおいては、騒音や落下物等の心配によって精神的にも支障をきたしているとの多くの声があり、港区議会でも航路下の区民や勤労者の意見を聞くように請願が採択されたことを受け、区は今月11月21日から1月31日まで羽田空港機能強化について区民等の意見を募集することになりました。「広報みなと」の11月21日号に掲載して、区民への周知を図っています。


今後、国の取り組みを加速させるためには、多くの方からの声が必要です。今回のご意見募集で多くの声をいただくためにどのように工夫したのか。また、今後どのように頂いた声を活用するのか。区の見解をお伺いいたします。

区長:固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

次に、羽田新飛行ルートに関する意見募集での工夫や寄せられた声の活用についてのお尋ねです。

区では羽田空港機能強化に関して多くの方からご意見をいただくため、「広報みなと」の紙面を利用した郵送用ラベルや専用のご意見ハガキ、区ホームページ上からの専用入力フォームなど、郵送費等の負担なくご意見をお寄せいただけるよう工夫をいたしました。


「広報みなと」およびご意見ハガキは、29か所の区有施設のほか、区内約40か所の鉄道の駅でも配布をいたします。お寄せ頂いたご意見は飛行ルート下の住民の意見として集約した上で国に届け、これまで区が求めてきましたさらなる騒音対策や落下物等の安全対策、固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請をしてまいります。

風見利男議員(共産)

風見利男議員(共産)
風見利男 議員(共産、区議9期、都立墨田工業高卒、76歳)

風見:海上ルートの利用を国に要求すべき

羽田の都心低空飛行ルートの使用を止め、海上ルートを使用することについてです。

オリンピックによる訪日外国人旅行者の増加、インバウンドのため、国際競争力強化のために増便が必要と、都心上空を低空で飛ぶルートを住民の反対を押し切って強行しました。


羽田の着陸便は年間24万3,000便です。2020年4月から2021年3月までの1年間、羽田空港への着陸は11万2,990便ですから港区上空を飛ぶ必要ありません。そういう認識を持ちでしょうか。お答えいただきたい。


国は羽田新飛行経路の固定化回避に係る技術的方策検討会で2つの飛行方式に絞り込み、今後は安全性の評価など、導入の具体的な取り組みを実施していくとしています。しかし、どう経路を動かしてみても、港区上空を低空で飛行することには変わりありません。


騒音だけではありません。落下物、ジェット燃料による環境汚染、身体への影響、墜落の危険等々。だから区民は都心低空飛行は止めて全面的に海上ルートの活用を求めているのです。

南風時の午後3時から7時までの都心上空低空飛行は止め、海上ルートの利用を国に要求すべきです。答弁を求めます。

区長:飛行ルートの分散化などの検討を加速するよう強く要請

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

次に、羽田の都心低空飛行ルートの使用を止め海上ルートを利用することについてのお尋ねです。

まず、都心上空を飛ぶことの認識についてです。
令和2年度はコロナ禍に伴う航空機の減便により、羽田空港での着陸便数は減少いたしましたが、その間も区民から騒音や落下物などに対する不安の声が多く寄せられております。


このようなことから私は運航状況に関わらず、引き続き国に対し海上ルートの活用や地方空港の活用などによる飛行ルートの分散化により、固定化回避の検討を強く求めていくべきと考えております。


次に、都心低空飛行は止め海上ルートの利用を国に要求することについてのお尋ねです。

国は本年8月に開催された「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」において、導入までに要する期間が短く、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式を示しました。これらの飛行方式における具体的な飛行ルート案については現時点では示されておりませんが、区は引き続き国に対し、海上ルートの活用や地方空港の活用による飛行ルートの分散化などの検討を加速するよう強く要請をしてまいります

風見:羽田空港の海上ルートの着陸枠で十分に可能

もう一点。羽田空港の海上ルートの利用ですけども、先ほどコロナ禍で飛行機が飛ばないとおっしゃってましたけども、コロナ後も今までのようには飛ばないんですよ。ですから羽田空港の海上ルートの着陸枠で十分に可能なわけですよ。


ですからそこをしっかり港区として国に要請していくと。このことが極めて求められてると思うんですよね。当然これから、区民の意見が寄せられますから、それでさらに強くなると思いますけども、是非そのことを強く求めて再質問を終わります。ありがとうございました。

区長:区民の声を捉え国に対して要望してまいります

最後に、羽田の都心飛行ルートに関するお尋ねでございます。

減便下でございますけれども、やはり住民の皆様からは頻度にかかわらず騒音、落下物の不安の声、また改善を求める声が寄せられております。

引き続き区といたしましても、区民の声を捉え国に対して要望してまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。

雑感

自公議員も羽田新ルート問題を取り上げる港区議会

港区議会では、定例会本会議で羽田新ルート問題に係る代表・一般質問を取り上げるのは共産党と「みなと政策会議」(無所属の議員10人で構成)だけでなく、自民・公明党議員も少なからず取り上げるのが他の区議会では見られない特徴である(次表)。

羽田新ルートに係る定例会本会議代表・一般質問人数 (港区議会の党派別内訳)

突っ込み不足の3人、課長の手のひらで踊らされる!?

港区は11月21日から1月31日にかけて羽田新ルートに係る意見募集を実施する。本来国が実施すべき調査を港区独自で実施する、自治体初の実態調査。登壇した3人はいずれもこの調査を取り上げていた。

ただ、残念ながらいずれも突っ込み不足。郵送用ラベル、専用のご意見ハガキ、ネット経由での意見提出、どれも港区在住・在勤者でなくても利用できてしまうという不備がある。筆者は3人が登壇する5日前(11月21日)、この不備をブログで指摘している。

文字に書き起こして読み比べるとよく分かるのだが、武井区長は、3人に対して、「固定化回避に向けた検討(飛行ルートの分散化などの検討)を一層加速するよう強く要請をしてまいります」と判を押したような答弁を繰り返している。

じつは武井区長は第3回定例会(9月9日開催)でも、登壇した2人(公明・共産)の区議の質問に対して、「固定化回避に向けた検討を加速するよう強く要請をしてまいります」とコピペ答弁を繰り返していた。

 

ご意見募集の不備の元締めも、また武井区長のコピペ答弁の原案作成者も、決算特別委員会(9月24日)で風見利男 議員(共産)の質問をノラリクラリとかわしていた環境課長であるとすれば、腑に落ちる。仕事が雑……。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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