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南風時の都心低空飛行ルート運用実績を可視化(21年10月)

南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの運用が開始されたのは20年4月3日。新型コロナの影響により国内線・国際線ともに大幅な減便が続いているなかで、羽田新ルートの運用が強行されている。

21年10月の運用実績を可視化する。

※本記事は、南風時の都心低空飛行ルートのみが対象(次図)。南風時の川崎ルートと北風時の荒川沿い北上ルートは含まれてない。
到着ルート説明図
※破線は「悪天時」ルート

通過頻度・機数の推移(南風時の到着ルート)

※投稿21年10月16日(更新21年11月2日:10月31日までのデータを反映


ポイント

【機/月】ピークは20年8月(23日間、1,800機超)

南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが運用された日数・機数の推移を下図に示す。

  • 20年度
    • 機数・日数ともに8月がピーク(23日間、1,800機超)
    • 機数・日数ともに9月以降大幅に減少し、南風運用が少ない1月がボトム(1日間、11機)。
  • 21年度(~10月)
    • 日数・機数ともに、6月までは1年前よりも多い。

飛行機数・日数の月次変化(南風時の到着ルート)

 

猛暑になるとゴーアラウンドが増えるというような事象は、20・21年の夏ともに発生しなかったといえる。なぜならば、夏場にゴーアラウンド率(=ゴーアラウンド回数÷飛行機数)が特に上昇したわけではないからだ(次図)。

ゴーアラウンド実績(南風時の到着ルート)

【メモ】

  • 気温が上昇して空気密度が低くなると、揚力が小さくなるので、操縦難度が上がりゴーアラウンドが増えると言われている。
  •  21年1月のゴーアラウンド率が極端に高いのは、南風運用が1日(通過機数11機)しかなかったことの影響が大きい(GA1機÷11機⇒9.1%)。


猛暑に関連した記事については、以下参照。

【機/日】Cルート、昨年の最多記録を5月に更新

1時間当たりの通過機数の推移を下図に示す。

  • 20年度
    • 5月まで続いていた減便は、6月、7月と回復に向かい、8月初旬には、A滑走路到着ルートは1日あたり30機を、C滑走路到着ルートは1日あたり60機を超えた。
    • 8月中旬を過ぎて機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年度(~10月)
    • A・C滑走路到着ルートともに5月をピークに減少したあと7月に増加。C滑走路到着ルートは、昨年の最多記録(4月4日:69機)を5月に更新(5月5日:73機/日)

通過機数の推移(南風時の到着ルート)

【メモ】
  • ところどころ機数が大幅に少ないのは、当日の運用時間が短かったことによる。
  • 実機飛行確認の機数はflightradar24で、運用開始後の機数は「羽田空港飛行コース」の航跡動画をもとに調べた(以下、同じ)。
  • 「羽田空港飛行コース」の「システムトラブルのため」21年3月の3日間(3/1、3/20、3/21)のデータ欠損分は、flightradar24のデータで補填した。

 

上図を月ごとの平均値・中央値に集計したのが次図。

  • 20年度
    • 新型コロナ水際対策として12月28日から全世界からの外国人新規入国停止した影響が出た。
    • 1月に底を打ったあと、特にC滑走路到着ルートにおいて増加傾向が見られた。
  • 21年度(~10月)
    • A・C滑走路到着ルートともに1年前よりも概ね増加している

通過機数の推移(南風時の到着ルート)

【機/時】A・Cルートとも、1年前より概ね多い

1時間当たりの通過頻度の推移を下図に示す。

国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。

  • 20年度
    • 新型コロナの影響による減便が著しく、4月下旬以降、A滑走路到着ルートでは1時間当たり5機程度、C滑走路到着ルートでは1時間当たり10機程度だった。
    • 6月、7月はA・C滑走路到着ルートともに回復に向かい、8月初旬にはA滑走路到着ルートは1時間あたり10機を、C滑走路到着ルートは1時間あたり20機を超えた。
    • 8月中旬を過ぎて機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年度(~10月)
    • A・C滑走路到着ルートともに1年前よりも概ね多い

通過頻度の推移(南風時の到着ルート)

【メモ】

  • ところどころC滑走路到着ルートの通過頻度が跳ね上がっているのは、当日同ルートの運用時間が短かったことによる。

 

上図を月ごとの平均値・中央値に集計したのが次図。

A・C滑走路到着ルートとも、1年前より概ね多い。

通過頻度の推移(南風時の到着ルート)

【機材】国交省見込みよりも大型機の割合が小さい

機材区分別(小・中・大型機)の通過機数の推移を下図に示す。

  • 20年度
    • 4月初旬に45機前後飛行していた小型機は、4月下旬以降半減。中型機も同様の傾向が見られた。
    • 6月以降8月中旬まで、小・中・大型機ともに機数が増加。8月中旬を過ぎて小・中・大型機ともに機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年度(~10月)
    • 5月をピークに減少したあと7月以降増加傾向。

機材区分別の通過機数の推移(南風時の到着ルート)

 

上図を月ごとの平均値に集計したのが次図。

機材区分別の通過機数の推移(南風時の到着ルート)

 

国交省の説明資料によれば、羽田空港で使われている飛行機は、小型機48%、中型機25%、大型機26%となっている(次図)。

国交省データ(19年1月時点)
FAQ冊子v6.2_P58

 

機材区分別の通過機数割合の推移を下図に示す。

  • 20年度
    • 国交省データ(19年1月時点)と比べて大型機の割合が小さく、そのぶん小・中型機の割合が大きくなっている。
      ※計画通り運用されると騒音環境はさらに悪化することに要留意。
  • 21年度(~10月)
    • 大型機の割合は10%前後で推移。国交省が見込んでいた26%を大きく下回ったままだ

機材区分別の通過機数割合の推移(南風時の到着ルート)

 

20年度で最も多かった機材はボーイング737-800(小型機)の3,084機(37%)だった

機材区分(2020年度実績)
※機材区分は概ね、大型機(300席以上)、中型機(200~300席)、小型機(200席未満)とした。

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