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羽田新ルート|品川区議会「21年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

品川区議会の「21年第3回定例会」決算特別委員会の総括質疑(10月15日)で、羽田新ルートに関して、2名の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約5千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※「部長」答弁は、「福祉部長」以外はすべて都市環境部長


安藤たい作 議員(共産)

安藤たい作 議員(共産)
安藤泰作議員(共産、区議4期、漫画家、宮城教育大学卒、47歳)

安藤:区は(健康被害)影響調査を行わないのでしょうか?

鈴木ひろ子議員(共産)に続き総括質疑を行います。運用から1年7か月が経ちました、羽田新ルートについて伺います。自公政権は国際便の増便を目的に従来の海上ルートを覆し、都市を低空飛行する新ルートを強行。住民を騒音・落下物の危険にさらし、暮らしと命、環境を犠牲にする。コロナで減便でも続ける。こんな政治は間違っています。自治体には住民の暮らしと命を守る責任があります。ましてや着陸寸前の、低空で最も影響が大きい品川区の責任は重い。その責任を果たすよう求め質問します。


この委員会の審議中も3時過ぎになると飛行機の轟音が響き渡り思わず振り返ることもしばしばでした。(飛行高度)300m台でこれです。さらに低い直下の地域の被害はもっとひどく、8月にルート直下に住む住民の方が被害の実態アンケート調査を行い、東大井、勝島などの住民から切実な声が寄せられました。特徴は二つあります。


一つ目は「会話ができない」「窓を開けて寝られない」「テレビの音が聞こえなくなる」「騒音が酷く集中力が途切れて室内で仕事ができない」「騒音のため窓を開けての換気ができない」「徹夜明けの昼間の就寝時は睡眠不足」など、平穏な日常が壊されていること。


二つ目は「ゴーン、キーンという音がひっきりなしに響き、精神的にまいっている」「1年中、1日中の騒音で血圧が上がった」「騒音もあるが、直上を大きな物体が通過する精神的ストレスが大きい」「大型機が通過するときにはキーンという音がし、頭痛に悩まされる」など、健康にも具体的な影響が出ている点です。


共産党はこうした声を紹介し、区民の心身への影響調査の実施を求めましたが、区は「国の責任において判断すべき。独自に行う考えはない」と拒否しました。


改めて区民が日常の平穏を奪われていることについて、区長はひどいと思わないのか伺います。
また、区民から具体的な健康被害も報告されていますが、これでも区は影響調査を行わないのでしょうか。伺います。

都市環境部長
都市環境部長

部長:影響調査につきましては国が責任をもって行うべき

ただいま委員からご紹介ありました区民の声でございますけれども、区としましても区民の皆さんが平穏な生活を送るということは大切なことだと考えますし、また区もこれまでに地域の声としまして健康に関することや、また頂いたアンケートの調査結果など、様々国に一つ一つ届けてまいりました


区としましては、新飛行ルートはやはり複数の自治体にまたがる国の事業であるというところでございますので、影響調査につきましては国が責任をもって行うべきものと考えます。


健康に関することも含めまして、地域の皆さんの声をこれからも国に届けると共に、区として可能な限り環境影響の低減について国へ強く取り組みを求めてまいります。以上でございます。

安藤:区はなぜ、品川区の上を飛び続けることを良しとするのか?

区民から被害の実態を突きつけられても「国の責任だから区はやらない」と。区は区民の命と暮らしを守る責任があるのに、見て見ぬふりですか。あまりに無責任です


次に、国の固定化回避検討会についても伺います。

この検討が現在の滑走路の使い方を前提としたものであり、着陸には一定の直線距離を取らなくてはいけない以上、品川区の上を飛ぶことには変りないことは何度も述べてきました。


これは区も否定できません。いつまでこの偽りの検討で区民を騙し、日々の被害を放置し、新ルートを続けるつもりなんでしょうか


共産党が品川の上を飛ばないことを求めていくべきと質問すると、区は「飛行高度を少しでも上げていただく」とか、「現在より少しでも騒音環境軽減の取り組みがないか、再三求めてきた」「少しでも品川区を飛ぶ時間が短くなる方策に期待する」「少しでも軽減策に繋がることがあれば検討していただきたい。その実施を求めていくのは区の姿勢」と繰り返しました。


改めて区にとっては都心ルートは大前提なんだなと。それでは区民の被害がなくならないんだと痛感しました。

区はなぜ、品川区の上を飛び続けることを良しとするのか、伺います。

部長:経路の見直しの検討を求めてまいりました

新飛行ルートにつきまして、区としましては良しとするということではなく、本格運用が実施されたことを受けまして、実施後に速やかに国に対してルートを固定化することがなく、航空技術も日々進展していくということを踏まえまして、経路の見直しの検討を求めてまいりました。現在国でその検討が行われてるというそういう状況だと認識しております。

安藤:区民の被害を発生させた当事者としての反省は?

区が都心ルートを前提にした検討を求めてるうちは、国は安心して新ルート継続できます。区民が区に求めてるのは、国に反対・中止をとの意見を述べ、都心ルートそのものを止めさせることなんですね。


私改めて区の責任を問いたいと思います。
2018年区長選挙で濱野区長は、区民世論に押され「羽田の空路変更に対しては何よりも区民の安全安心を優先」と公約しました。しかし、当選直後の就任会見で、「一品川区が反対するわけにいかない」とあっさり容認に転じたうえ、運用開始まで反対とはついに言わず、国の新ルート自身に道を開きました。


運用後も「中止を」と表明したこと一度もありません。つまり、反対表明を拒否し続けた区の姿勢が新ルート実施し区民の被害を発生させた当事者としての反省はないんでしょうか。伺いたいと思います。

部長:新ルートの固定化の回避について国に強く要望

この新飛行経路、平成26年7月、国から案が公表されました。それ以来、区と致しましては、まずは賛成・反対というところではなく、地域の皆さんにこの内容について理解を深めてもらうことが第一と考えまして、区内各地域への丁寧な説明、そして情報提供を求めてまいりました。


そうした中で令和2年3月29日に国が自らの判断、そして自らの責任において、それまで国に対して出された様々な意見をしっかり受け止めると、国自身が受け止めるということを前提に本格運用を決定したということでございます。


区もこれを受けまして、先ほど申し上げました通り、新ルートの固定化の回避について国に強く要望いたしまして、現在に至っている。そして区の求めに応じて、国が今検討してるというところでございます。

安藤:議会も新ルート中止し、元の海上ルートに戻すよう国に声をあげるべき

反省の弁ないのかと言いましたけど、反省の弁ありませんでした。反対表明を拒み、少しでも軽減方策の早期実現をという今の区の姿勢。これ品川(上空を)飛んでいいという、容認です。区は当初から、今も一貫して新ルート容認で変わらず、それを区民に悟られないよう言葉巧みにごまかし続けてきただけです


こんな区政は変えなくてはなりません。区とともに議会の責任も問われます。渋谷区議会では13日に運用停止を求める国への意見書を全会一致で採択しました。

議会も新ルート中止し、元の海上ルートに戻すよう国に声をあげるべきだと申し上げて次の質問に進みます。

吉田ゆみこ 議員(生活者ネット)

吉田ゆみこ 議員(生活者ネット)

吉田ゆみこ議員(生活者ネットワーク、区議2期、元生活クラブ東京理事長、学習院大学法学部卒、67歳)

吉田:ルート案を正確な地図上に落とす。同行援護を経済活動にも広げる

次、時間がないので羽田とリニアのことについていきます。羽田新ルートとリニア中央新幹線の問題は、羽田新ルートは国の事業、リニア中央新幹線はJR東海の事業を国が認可しています。しかし、両方とも区民の生活に大きな影響があるということが共通しています。

それぞれ区として国やJR東海に対して、区民の立場に立って物申してほしいという趣旨で質問をいたします。


羽田新ルートについては固定化回避検討会がルート案を絞ってきました。ネット(生活者ネットワーク)はこれまでルート案を正確な地図上に落とすよう再三、国に求めてほしいと要望しております。

先日の一般質問でも西本議員(西本たか子議員、無所属)が要望されていましたが、第2回定例会で私も同様の質問しました。それに対して答弁は、「現在地図に具体的に落とすということは、これは非常に難しいと考えている」という答弁です。

区としては難しいとして考えても、国はやるべきと主張していただきたいと思います。見解を伺います。


もう一点です。羽田新ルートによる騒音に対する視覚障害者への配慮です。視覚障害者からの議会への陳情が採択されたのを契機に、同行援護が十分に給付されてるようになったのを聞いております。しかし、同行援護は経済活動には認められていません国に対して同行援護を経済活動にも広げるよう求めるべきと考えますが、見解を伺います。

都市環境部長
都市環境部長

部長:(新飛行ルートを地図に落とすこと)国に対して要望してまいりたい

新飛行ルートを地図に落とすべきというところでございますが、区も国に対して要望してまいりたいと思います。


固定化回避検討会、8月25日に第4回ということで開催をされましたけれども、確かにその直後の8月27日の大臣会見の中では、「今後具体的な経路案は検討していく」というふうに発言がございました。

それを解釈しますと、具体的には検討はこれからということですから、まだ地図に落とすのは難しいのかなと思いますが、ただそれを踏まえましても、国に対しては今からやはり様々な要求をしていくということは、遅い早いというところはございませんので、国の方ではしっかりそれを示していただきたいということで要望してまいります


また、以前も既に要望してきた中では、やはり国もスピード感をもって取り組むという回答がございました。以上でございます。

福祉部長
福祉部長

福祉部長:(同行援護)今後の動向を注視していきたい

私からは同行援護に関するご質問についてお答えいたします。

現在の制度では同行援護が就労には利用できないということになっております。しかしながら、国としてもいま、障害者雇用を促進するという観点から、「障害者雇用・福祉政策の連携強化に関する検討会」というのを立ち上げ、その中で様々な検討をしております。

その中で議員ご指摘の点もテーマとして上がっておりますので、そういったところの今後の動向を注視していきたいと考えております。

吉田:区としての単費を使った移動支援の方を使えるように要望

国へのルート案を地図上に示すということ初めて要求するという答弁をいただきました。是非みんなに分かる形で正式に申し入れをしていただきたいと思います。


同行援護のほう、是非お願いします。できましたら同行援護は国経済活動に認める前までは区としての単費を使った移動支援の方を使えるように要望をいたします。

(※「リニア中央新幹線について」の質疑応答は省略)

吉田:万が一何かあった時、まず区に意見が来る

やっぱりこれは羽田もリニアも同じだと思います。


安全性の担保っていうのは、事業者がまずは行うべきということは承知していますが、それにきちんと抗議しない品川区に対して区民は不信感を持つと思います。もし万が一何かあった時には、必ずまず区に「どうしてこういうことを許したのか」という意見が来ると思います。その辺についてどのように考えておられるか伺います。

部長:安全の確保は常に求めてまいった

羽田を含めました区に対する危険というところでございますけれど、事業主体である国であれ、あるいは民間事業者であれ事前の防止については、事業の計画案がもう発表された時点で大体の事柄につきましては、事業者、主体となる事業者に対して安全の確保は常に求めて、これまでは求めてまいったというところでございます。


また、その安全の担保については、例えば羽田であればその事故に対する未然の防止の対策、これはもちろんでございますが、その他にも保険だとかそういったものの対策が施されてきてると説明を区としては求めて、国がそういった話をしてきてるというところでございます。

雑感(鋭く迫る議員と安全運転を心がける部長…)

本会議一般質問での質疑応答と決算特別委員会での質疑応答との大きな違いは、後者が一問一答形式であること。一問一答形式であるがゆえに、議員の質問力が高いほど答弁者との間の緊張感は高まり、見ごたえのある内容となる。

鋭く迫る議員と安全運転を心がける部長。意味のある答弁はどこまで引き出せたのか……。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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