「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和3年度 第1回幹事会」が6月29日に開催されていたことをご存じだろうか。
※投稿21年7月24日(追記21年8月18日)
「都及び関係区市連絡会」がコッソリ開催されていた
東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページを眺めていて、「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和3年度 第1回幹事会」が6月29日に開催されていたことに気がついた。
都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙い?)。
念のため、Google Chromeを使ってページの更新日を調べてみると、7月20日に掲載されていたことが確認できる(次図)。
都市整備局の読みづらい「トピックス」に目を凝らすと、「第1回幹事会」が開催されたことが分かる(次図)。
会議の概要はとてもシンプル。議事の要旨はたったの1行しかない。
会議の概要
- 会議名 令和3年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会(第1回)
- 開催日 令和3年6月29日(火曜日)
- 出席状況 東京都、23区市、国土交通省
- 議事の要旨
* 国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等について説明。
「主な意見及び国の回答等」は「後日公表」とされている。
公開された「会議資料」(次図)は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第7回)」として7月20日に公表した資料とほぼ同じ。
国交省は6月29日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、その3週間後の7月20日に、都と示し合わせたように関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる。
都民の怒りは都ではなく、国に向かっている!?
国交省の配布資料(7月20日公表)になかったのは、「(資料9-2)都に寄せられた意見について」(PDF:387KB)。21年3月から4月までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月で47件だから多くはない。
国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよくわかる(次図)。
都民の怒りは東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。
国交省は衆院選終了まで動きが取れない!?
さて、今回の「幹事会」は今年度の第1回目。昨年度は「幹事会」は2回しか開催されなかったが、「分科会」のほうは6回開催されている(次図)。
今年度はなんとものんびりした進行なのだが、国交省主催の「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」(第4回目)の地ならしが始まったと見るべきなのか。それとも、国交省は衆院選終了まで動きが取れないと見るべきなのか……。
【追記】
※追記21年8月18日
「主な意見及び国の回答等」がコッソリ公開された
東京都都市整備局のページに「主な意見及び国の回答等」が8月18日16時、コッソリ公開された。
どうして分かったのかと言うと、筆者の高いアンテナが「最終更新日:令和3年8月18日」をキャッチし(次図)、「主な意見及び国の回答等」は「後日公表」扱いになっていたことを知っていたからである。
でなければ、<開催経過>の右横の▽プルダウンを開かないと「令和3年度第1回幹事会」に【NEW】が記載されていることさえ気が付かない(次図)。
ことさように、都は羽田新ルートの情報開示に後ろ向き。
技術的方策の結論、時間が掛かることを国交省が認めた!?
主な意見として公開されたのは5つ。そのうち最も気になったのは「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」について。
技術的方策の結論を急ぐ自治体側の意見に対して、国交省は「色々クリアしなければならないところもあることをご理解いただきたい」と結論が出るまで時間がかかることを示唆している。
- 羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会について、技術的方策の結論を早急に出していただくようお願いしたい。
⇒少しでも早く検討が進むよう、一生懸命取り組んでいる。スピード感を持って検討を進めて参りたい。一方で、固定化回避の実現にあたっては、飛行方式の更なる絞り込みを行った上で、基準の策定、国際基準との整合性の確認、安全性の評価などの安全面で色々クリアしなければならないところもあることをご理解いただきたい。
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