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衆院 国土交通委員会、立憲・伊藤議員「東京のど真ん中を縦断着陸飛行するべきではない」

第204回 国会衆議院「国土交通委員会」において4月14日、伊藤俊輔議員(立憲民主党・無所属)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継録画をもとに、テキスト化(約5千700文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

立憲民主党伊藤俊輔議員
伊藤俊輔 衆議院議員
維新⇒希望⇒国民民主⇒立憲民主、1期、2世議員、 比例東京ブロック、中央経済卒、41歳)

伊藤:地域からの騒音や落下物等の状況?

まず、羽田の新ルートについて質問させていただきたいというふうに思います。
東京都心の上空を通過をし、羽田空港へ離着陸する新たな飛行ルートについては、令和2年3月29日から運用を開始をされ、1年が経過をされました。

国土交通省は東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、国際競争力の強化のため、羽田空港の機能強化を進めていただいていると承知をしております。

新ルートの運用により、国際線の発着回数は年間6万回から9.9万回に増加する試算をされております。

世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、便数は大幅に減少をしております。オリンピックは今年の8月に延期となり、海外からの一般客の受け入れもなくなっております。

公表データによると、去年3月の新ルート運用開始から12月までの都心上空を通過し着陸した航空機は約7200機となっております。新ルートの下に住む住人の皆さんからも、東京都心を飛ぶ、低空で飛ぶことのリスク、騒音や落下物等への懸念も強いとふうに聞いております。

南風時の着陸の場合、品川区周辺では、航空機の高度は300mということで、ルートの真下に住んでいる方々はテレビの音やあるいは会話もかき消されるほどの状況だとふうに聞いております。

まずは、新ルート運用1年、その運用状況と、地域からの騒音や落下物等の状況をまずはお聞きをしたいとふうに思います。

和田航空局長
和田浩一 航空局長(87年運輸省入省、東大法卒、57歳)

局長:住民説明会においてお示しした推計平均値と同等、またはそれ以下

お答え申し上げます。新型コロナウイルス感染拡大の影響によりまして、羽田空港においても、国際線、国内線ともに大幅な減便が発生をしております。

例えば本年3月21日から始まる1週間におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大前の昨年1月と比較をして、約48%の減の、週約2250便となっております。

それから騒音につきましては、新経路下の19地点で常時測定を行っており、運用開始から昨年10月までの半年間の実績によれば、約9割の時点で住民説明会においてお示しした推計平均値と同等、またはそれ以下となっております。

それから落下物についてでございますが、現在まで新飛行経路を飛行した航空機からの落下物は確認はされておりません

伊藤:航空需要が落ち込んでいる、新ルートの運用を一旦停止すべきではないか

ありがとうございます。新ルートは最大で約130回の余力があると。現在58回ということで、約4割ぐらいの余力になって運用されているんだろうというふうに理解をしております。

新ルートの運用から約5か月間の間で4600件ほどにのぼる問い合わせと苦情なのか、国交省にもあったともお聞をしております

新型コロナウイルス感染拡大の影響により想定していたインバウンド数の増加や、国際線の増便が行われなかったことから、新ルートが使用せずに、便数的にも従来のルートのみでの運用が可能だとふうに考えております

航空需要が落ち込んでいる現状を鑑み、国交省は新ルートの運用を一旦停止すべきではないかと考えますけれども、大臣の見解を伺いしたいというふうに思います。

赤羽一嘉 国交大臣
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、62歳)

赤羽:議論を注視しながら、しっかり促進をしていきたい

この羽田空港の新飛行経路につきましては、よくご承知だと思いますが、平成26年から、東京都や千葉県等の関係自治体、また議会の代表、有識者の皆さんで構成される、首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で議論が重ねられてきました。

その中で、一つは、首都圏の空港の機能を強化して我が国の国際競争力を強化していこうということが一つの柱でございますが、もう一つは、かねてより懸念事項でありました従来ルートですと、特に、南風の時に、千葉市の中央区の上をずっと長年飛んでおりまして、この騒音をなんとか軽減できないかという強いご要請がございました。ですから、この2つの点についての解決というか、改善をどうするかということを様々議論を頂いて、その議論の上で、国交省として令和元年の8月に新ルートの導入を決定したところでございます。

いまもちろんコロナ禍っていうことで、減便が続いておりますし、だからといって、この新飛行経路の必要性がゼロになったのかというと、私はそうは思わないわけでございまして、これまでの協議会の議論の経緯とか結論はしっかりとやはり重く受け止めなければいけないのではないかと思っております。

しかし、他方で、その決定をした当時と比較しても、航空機ですとか、航空管制の技術革新も目覚しく進展をしておりますので、私はやはりこの新飛行経路、様々なご懸念もありますので、固定化をすることは回避すると、当然その飛行ルートの下の地域は騒音があるということを気にされてる――、私の実家の上ものすごく、ターンノーバーして結構大きいとされている地点なんですが、そうしたことを回避するための技術的選択肢をやはり検討すべきではないかということを、私から昨年6月指示をいたしまして、有識者と、またパイロットの方々にも参画を頂きながら、いま羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会を立ち上げて、ご議論いただいているところございます。

こうしたことで、より騒音が改善され、安全なルートを確保できるような、こうしたことを選択肢のひとつとして実現したいと、そういう思いでおりますので、しっかりと議論を注視しながら、しっかり促進をしていきたいとこう考えております。

伊藤:3.9万回増加するその内訳?

ありがとうございます。これまでの議論の積み重ねもそうですし、大臣の見識も理解をしているつもりであります。

新ルートの運用により深夜、早朝以外の、国際線の発着回数は年間6万回から9.9万回になるとされておりますけども、3.9万回増加するその内訳を端的に教えていただければと思います。

局長:滑走路処理能力の再検証約1.3万回、新飛行経路の導入等約2.6万回

お答え申し上げます。3.9万回の内訳でございますけれども、滑走路処理能力の再検証によりまして約1.3万回、それから新飛行経路の導入等によりまして約2.6万回ということになってございます。

伊藤:検討されているルート、その中身をお伺いしたい

ありがとうございます。国交省は新ルートについて、関係自治体等から固定化回避等の要望があることを踏まえて羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会を去年6月に設置をし、騒音軽減や固定化を回避するための活用できそうな技術的選択肢を検討していると伺っております。

検討されているルートについては、新ルートに代わり、導入する見通しは立っているのでしょうか。その中身をお伺いしたいと思います。

局長:現時点では導入の見通しをお示しすることはできません

お答えを申し上げます。ご指摘の羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の直近の開催が本年3月17日、第3回目でございます。この場におきましては海外事例調査等を踏まえまして、羽田空港への導入可能性がある6つの飛行方式に絞り込み、導入する場合の課題を整理いたしました。

羽田空港への実際の導入に向けては今後、国際基準との整合性の確認、また安全性の評価、騒音影響の検証、運行者との調整等を行う必要がございます。このため、現時点では導入の見通しをお示しすることはできませんが、引き続き関係者と協力、相談しつつ、しっかりと検討を進めてまいります。

伊藤:海上ルート、どれだけ具体的な検討されたのか?

ありがとうございます。平成25年11月から6回にわたり開催をされた首都圏空港機能強化技術検討小委員会において、羽田空港機能強化のための技術的選択肢の検討が行われたが、そもそも、海上ルート、従来ルートのままでの発着回数の増加をする方法について、どれだけ具体的な検討されたのかを聞きをしたいと思います。

また、それは公開の場で行われたことがあるのか、それも合わせてお伺いしたいと思います。

局長:更なる発着容量増加、滑走路の使い方や飛行経路の見直しが必要

お答え致します。ご指摘の技術検討小委員会におきましては、あらゆる方策についてご議論を頂きました。このうち、東京湾を最大限活用した従来からの経路につきましては、1時間あたり80回の離着陸を取り扱ってまいりました。

小委員会では改めD滑走路、新しい滑走路、こちらの運用開始後における航空機の滑走路占有時間の実績を踏まえて再検証を行った結果、1時間あたり82回に発着回数を増加させることが可能であるということが判明をいたしました。

また、それ以上の更なる発着容量増加、これを実現するためには、滑走路の使い方や飛行経路の見直しが必要であるという結論に至ったところです。

この小委員会での議論の内容につきましては毎回、会議後、委員長から記者ブリーフィングを行うとともに、資料および議事要旨についても、ホームページで公表をしているところでございます。

伊藤:平田准教授、海上ルートのままで管制運用の高度化により10%の増便が可能

ありがとうございます。公共の公開の場での議論もしてほしいっていう声もあります。また是非、検討していただきたいとふうに思います。

羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の委員の平田輝満 茨城大学大学院准教授によると、平成25年7月の25日に発表した「首都圏空港の容量拡大方策と騒音負担のあり方に関する研究」において、容量拡大方策の一つとして、海上ルートのままで、管制運用の高度化により10%の増便が可能になるというふうにしておりますけれども、このことについて検討されたことがあるのかどうか。そして平田准教授が主張されている内容での増便の可能性についても合わせて見解を伺いしたいというふうに思います。

局長:大型機は滑走路長の長いC滑走路から離陸するという前提

お答え申し上げます。委員ご指摘の平田准教授による研究でございますけれども、主に滑走路の効率的な使用という観点よりまして、2500mで運用しているA滑走路から大型機を、そして3360mで運用している長い方のC滑走路から中・小型機を離陸させられないか、というご提案というふうに認識をしております。

しかしながら、平田先生も委員としてご参画を頂いております、先ほどの技術検討小委員会におきましては、気象条件や重量等の制約なく安全な離陸を確保する観点から、大型機は滑走路長の長いC滑走路から離陸するという前提を各委員にご理解を頂いた上で、技術的選択肢についてご議論をいただいたところでございます。

伊藤:後方乱気流区分の細分化、従来ルートでもう少しで増やせる余地がある?

ありがとうございます。様々なこういったことの将来的な視点も含めて、是非検討をしていただきたいというふうに思います。


次にロンドン・ヒースロー空港の滑走路においては、いま2本とお聞きをしております。発着回数は年間で47万回であります。

一方、羽田空港は滑走路が4本でありまして、従来ルートでは約45万回と。いまは少し羽田の方が多くなったとも聞いております。2本と4本を比べて倍になるとは思いませんけれども、なぜこんなにも差が生じているのか、お聞きをしたいと思います。

あわせて、離発着をする航空機の間隔を設定をするための後方乱気流区分Wikipedia)が、ヒースローと羽田では異なるのでしょうか

羽田も後方乱気流区分の細分化をされたのであれば、従来ルートでもう少しで増やせる余地があるのではないかとも思いますけれども、お聞きをしたいというふうに思います。

局長:離着陸における滑走路の占有時間等も考慮する必要がございます

答え申し上げます。ロンドン・ヒースロー空港は長距離線の大型機が離着陸できる2本の滑走路が平行に配置をされている一方、羽田空港は4本の滑走路が井桁の形というふうになっております。

そのため、羽田空港は出発機と到着機が複数か所で交錯し、お互いに影響し合うということでございますけれども、そういうことのために一定の間隔を空けて運用する必要がございます。従ってヒースロー空港とは処理能力が異なるということでございます。


それから、後方乱気流区分のお話でございますけれどもEUと日本と、そこはちょっとその考え方が違うところが一部ございます

それで航空機の間隔を設定するための後方乱気流区分が細分化されると、滑走路の処理能力を算定するためには、この後方乱気流区分の細分化、これは飛んでる飛行機同士の間隔が若干詰められたり広げたりということになりますけれども、これだけではなくて、離着陸における滑走路の占有時間等も考慮する必要がございます。このため後方乱気流区分の変更により直ちに滑走路の処理能力が増加するものではございません

伊藤:東京のど真ん中を縦断着陸飛行するべきではない

大型のものから中型、小型と、主流が変わってきているということもありますし、感覚的にも改善の余地があるんではないかというふうに思いますので、あわせて技術的な検討をも含めてお願いをしたいというふうに思っております。


もう1問質問をしたいと思っておりましたが、時間があれば、ちょっと戻りたいと思いますが、この羽田の新ルートに関しては、やはり都心低空飛行の降下のリスクというものを考えるべきだというふうに思います。

世界で年間平均6機程度墜落をするということもあります。住宅の上をできるだけ飛ばさないと。まして東京のど真ん中を縦断着陸飛行するべきではないとふうに考えます。

技術的な選択肢をよく検討して頂くこと、また従来ルートでの増便の可能性等も検討していただきたいふうに思います。まずは早急に新ルートの運用の一時凍結も要請をしておきたいとふうに思っております。

★雑感★選挙前、崖っぷち議員の踏み込んだ発言

立憲民主党は3月30日、衆議院選挙の選挙公約のベースとなる基本政策を公表しているが、羽田新ルートには全く触れていない。

そんななか、青木愛 参議院議員(立憲民主党、2期)は4月6日の参議院「国土交通委員会」で羽田新ルートに反対するでもなく、中止を求めるでもない、生煮えの質問を放っていた(参院「国土交通委員会」青木議員の筋悪質問、赤羽大臣不都合な真実には触れず)。

そして今回の伊藤議員の羽田新ルート質問である。

羽田新ルートの現状確認に始まり、3.9万回増便の内訳、技術的方策検討会の見通しや後方乱気流区分の細分化による海上ルートの可能性など、質問内容に一貫性が見られない。ニワカ知識に振り回されている印象である。

ただ、これまで立憲民主党は羽田新ルートに係るスタンスを明確に打ち出してこなかったなかで、伊藤議員は「新ルートの運用を一旦停止すべき」はともかく、「東京のど真ん中を縦断着陸飛行するべきではない」とかなり踏み込んだ発言をしている

過去2回維新公認候補として衆院選で落選し、3回目に希望の党候補として東京23区では敗れたが比例東京ブロックに復活当選した二世議員。迫りくる衆議院議員選挙のプレッシャーが踏み込んだ発言をさせたのだろうか……。

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