不動産経済研究所は11月19日、10月の「首都圏新築マンション市場動向」を発表。
- 発売は67.3%増の3,358戸と大幅増に。契約率も70.4%と好調続く。
- 戸当たり6,130万円、m2単価95.3万円といずれも上昇に転じる。
ポジティブ用語(増、大幅増、好調)が並んでいる。
ただ、これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、コロナ禍でも高い水準を維持していたが(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)、下落傾向を見せ始めたか。10月は95.3万円。
販売在庫数は高止まり。発売戸数は上下動が激しいが、減少傾向(次図)。
一言でいえば、マンション市場失速中ということ。
発売戸数の前年同月比の推移を可視化したのが次図。
新型コロナウイルスの影響が最も大きかったのは5月の▲82.2%。6月も▲31.7%と悪化状況が続いていたが、7月は一気に7.8%(前年同月比)まで回復。10月は67.3%まで跳ね上がった。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、10月の発売戸数1,560戸は、前年同月比で51.5%増(次図)。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、コロナ禍でも高い水準を維持しているが(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)、下落傾向を見せ始めたか。(次図)。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に2極化している(次図)。
億ションの発売戸数・率の推移(23区)
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底に増加傾向にある(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)(次図)。
★まとめ
マンション市場は失速中……。
- 首都圏の発売単価はコロナ禍でも高い水準を維持していたが、下落傾向を見せ始めたか。発売戸数は5月は過去最少だったが、10月は67.3%(前年同月比)まで跳ね上がった。
- 23区の発売単価は、コロナ禍でも高い水準を維持しているが、下落傾向を見せ始めたか。
- 23区の億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底に増加傾向。
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