不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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苦戦!? 海チカの4階建て大規模マンション

なっ、なんと、5か月ぶりにマンションの折り込みチラシが入ってきた。

とっても久しぶり過ぎて、どのようにコメントすればいいのか……。


もくじ

苦戦!? 海チカの4階建て大規模マンション

物件概要

【第1期本広告】東京駅直通16分、駅バス13分+徒歩1分。総戸数528戸(T:101戸+B:133戸+S:168戸+C:126戸)、4階建。

  • 第1工区(T+B)
    販売戸数130戸、2LDK+S(86.09m2)~4LDK(126.67m2)。販売価格5,148万円~9,998万円、最多価格帯6,900万円台(15戸)。21年11月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年後)。

  • 第2工区(S+C)
    販売戸数6戸、3LDK(125.55 m2~147.76m2)。販売価格7,348万円~9,728万円。22年9月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年10カ月後)。

 

この物件の良いところは、黙っていても営業マン・ウーマンが教えてくれるだろうから、筆者からは辛口のコメントを中心に。

 

新聞半紙大のチラシを見るまでもなく、この物件が苦戦しているであろうことは容易に想像できる。なぜならば、いまや完全にネットに取って代わられてしまったマンションチラシを打ってきたからだ。

今年になって都内に住む筆者のところにマンションチラシが入ってきたのはたったの8件。しかも5か月ぶり。新聞購入層にまで売り込みを掛けざるを得ない状況なのではないか。もっといえば、大物タレントをテレビCMに起用していることからも広範なエリアに売り込みを図っていることが理解できる。

 

では、なぜこの物件は苦戦を強いられているのか?

最大の原因は駅から遠いこと(バス13分+徒歩1分)。

 

もう一つは、折り込みチラシに配置図が掲載されていないことが、この物件のダメさ加減を物語っている。配棟の悪さを可視化したくなかったと取られても仕方がないのではないか。

4つのゾーンからなる4階建ての建物は、海に面した一部の住棟以外は眺望を期待できないし、住戸によっては日照・通風もすぐれない

ただ、海が見えるからといって喜んでばかりはいられない。海に近すぎるから、塩害の影響を受けやすいからである。

なぜ4階建てなのか

あと、知っておいたほうがいいこととして、なぜこの物件は4階建てなのかということ。

なぜ、もっと高層のマンションを計画しなかったのか。

チラシの「物件概要」に目を凝らすと、この物件の敷地の用途地域が「第一種住居地域/第一種低層住居専用地域」であることが確認できる。つまり建物の高さを低く抑えられている敷地なのである。

建物高さを低く抑えられているところに、4階建てを詰め込んだことから、天井高はなんとか2.45mを確保しているものの、直床だし(二重床ではない)、なんといってもいまや標準となっている床暖房がないことが致命的。ウォシュレットの付いてないトイレのようなものと言っては言い過ぎだろか……。

航空機騒音

あと、もうひとつ付け加えるならば、天候によっては敷地のすぐ南側を羽田発の便が朝早くから夜遅くまで通過するということ(次図)。

敷地のすぐ南側を羽田発の便が通過する
羽田空港飛行コース「航跡図」より

 

たとえば、上空1,500mほどの高度をボーイング787型機(中型)の深夜便(羽田21:55発バンクーバー行き)が通過する(次図)。

羽田空港飛行コース「航跡動画」より
同上「航跡動画」より

 

新型コロナが落ち着いて航空需要が戻ってくると、便数が増えるだけでなく、大型機の割合が増えてくることになる(そのぶん騒音が大きくなる)ことは知っておいたほうがいいだろう。

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(本日、マンション広告1枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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