羽田新ルートの是非を問う住民投票条例制定のための署名が品川区でスタートしたのが10月4日。法定署名成立獲得数を何とかクリアしたものの、インパクト目標としている23,000筆には遠く及ばない状況。
最大の原因は、南風時に都心低空飛行が実施された日数・機数とも9月以降大幅に減少したことではないだろうか……。
インパクト目標としている23,000筆には遠く及ばない!?
羽田新ルートの是非を問う住民投票条例制定のための署名が品川区でスタートしたのが10月4日。
署名期間は1か月(地方自治法施行令第92条3項)。その間に有権者の50分の1以上の連署が必要となる(地方自治法第74条)。
一般的に署名には、重複などの無効署名が2割程度含まれることから、「品川区民投票を成功させる会」としては、法定署名成立獲得数を7,600筆と想定し、さらに「議会審議にインパクトを与えるため3倍の署名数約23,000筆を目標数」に掲げている。
しかしながら、実際の署名獲得数はといえば、22日間(10月24日現在)で7,600筆を353筆上回るという厳しい状況にある。インパクト目標としている23,000筆には遠く及ばないのではないか(次図)。
なぜ、署名が集まらないのか?
コロナ禍での署名活動とはいえ、なぜこれほどに署名が集まらないのか?
最大の原因は、南風時に都心低空飛行が実施された日数・機数とも9月以降大幅に減少したことではないだろうか(次図)。
しかも、10月に入ってから南風時の都心低空飛行が実施されたのは10月4日の1回だけなのだ。
昨日(10月24日)は南風が吹くとの天気予報だったので、署名数が急増するのではないかと期待していたのだが、なんと南風が吹いたにも係わらず南風時の運用は実施されなかった。
署名数が伸びないように、署名期間は南風時運用を避けているのではないかとさえ思えてくる。
これまでも南風が吹いていても都心低空飛行が実施されなかったことは何度かある。国交省の説明によれば、「当日の管制官の判断による」とのことであり、逆に北風なのに南風運用もあり得るとしている。詳しくは、「なぜ南風なのに都心低空飛行が実施されなかったのか(2回目)」参照。
なぜ、10月24日は南風なのに都心低空飛行が実施されなかったのか
念のため、気象庁が公表している「羽田」の10月1日から24日までの風向き(10分間平均)を確認してみた。
横軸は羽田新ルートが運用される時間帯(15時~18時)、縦軸は風向16方位(1:北、5:東、9:南、13:西)を示す(次図)。
7(南東風)~11(南西風)の風が吹いたのは(図のピンク色)、4日と24日。あと時間は少ないものの2日、3日も。
4日と24日の風向・風速(いずれも10分平均)を比べたのが次図。
たしかに4日のほうが、24日よりも7(南東風)~11(南西風)に入っている時間が長い。でも、24日だって少ないわけではないし、風速が特に弱かったわけでもない。
なぜ、10月24日は都心低空飛行の運用がなされなかったのか?
署名数が増えないように、管制官が国交省に忖度したのか……。
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