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羽田新ルート|質問主意書(着陸角度についてのIATAからの要請)

第201回国会(20年1月20日~6月17日)の衆議院の質問主意書124件(3月18日現在)のなかに、100番目として羽田新ルートに係る次の質問主意書が埋もれている。

初鹿明博 衆議院議員(立憲民主党⇒無所属)が3月5日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成しておいた。
※時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

初鹿明博衆議院議員(立憲民主党)
初鹿明博 衆議院議員(3期、立憲民主党、 東大学部卒、50歳)

今月29日から運用が始まる羽田空港の新飛行ルートの南風時、午後3時から7時の間に都心上空を通過するルートについて、国際航空運送協会(IATA)が国土交通省に対し、航空機の着陸角度を通常の3.0度よりも急な3.45度にしていることに対して、特別な操縦技術を求められ、強い懸念を抱いていると伝えたことが報じられています。

1月30日から行われた実機飛行確認においてもエアカナダ並びにデルタ航空は3.45度による着陸を懸念しており、エアカナダ機に関しては実際に成田空港に目的地を変更しています。 

問1:IATA側から国土交通省に対して伝えられたこと?

実機飛行確認以降に国土交通省が羽田空港の新飛行ルートの着陸角度に関することで、IATAと面会をしたのは事実でしょうか

その際、IATA側から国土交通省に対して伝えられたことを具体的に明らかにして下さい。

答1:「実機飛行確認以降に(略)IATAと面会をした」という事実はない

国土交通省航空局においては、実機飛行確認実施前の令和2年1月15日に、国際航空運送協会(IATA)等との間で、東京国際空港(以下「羽田空港」という。)における新たな飛行経路(以下「新経路」という。)のうち南風好天時に運用される進入経路(以下「南風好天時経路」という。)に関して、気温が高い場合に航空機の降下率が上昇し不安定な進入となる可能性があること等のIATAから伝えられた課題を含む、運航上の技術的な課題について意見交換を行ったものであり、「実機飛行確認以降に国土交通省が羽田空港の新飛行ルートの着陸角度に関することで、IATAと面会をした」という事実はない

問2:着陸角度、運用開始後に変更?

デルタ航空、エアカナダから3.45度の着陸角度について懸念が示されていますが、着陸角度を変更せずにこのまま運用を始めるのでしょうか。運用開始後に変更することもあり得るのでしょうか

答2(&5):「運用開始後に変更する」ことは考えていない

(後述)

問3:3.45度の方が騒音は大きかった例?

3.0度より急角度にしたのは騒音を軽減するためだと説明していますが、3.45度の方が騒音は大きい例もあったと聞いています。3.45度の方が騒音は大きかった例を政府として把握していますか。していればその例を明らかにしてください。

答3:現在精査中

お尋ねについては、実機飛行確認における騒音測定の結果について現在精査中であることから、お答えすることは困難である。

問4:好天時と悪天時の割合?

3.45度での着陸は好天時のみの運用になるとのことですが、好天時と悪天時の割合はどの程度になると見込んでいるのでしょうか。

答4:お尋ねについてお答えすることは困難

羽田空港における現在の飛行経路と新経路とはその運用に係る好天時又は悪天時の判断基準が異なり、新経路の運用開始前である現段階においては、新経路における「好天時と悪天時の割合」を見込むための十分なデータを保有していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

問5:着陸角度について、政府の所見?

東京新聞の報道によるとIATAの意見について、国土交通省航空局の航空管制調査官は「要請とは捉えていない」と回答していますが、政府としてはこのIATAからの意見を要請ではなく何だと捉えているのでしょうか


また、申し入れ内容を受け止め、改めて着陸角度について検討する必要があると考えますが、政府の所見を伺います。

(答2)&5:安全性の問題はない

3.5度の降下角を含む南風好天時経路の進入方式については、当該降下角が我が国及び諸外国の複数の空港の進入方式において採用されていること、航空会社の協力により航空機の性能、気象等に係る複数の条件を設定した上でシミュレーターによる安全性の確認を行っていること、並びに実機飛行確認において南風好天時経路を飛行した操縦士及び航空機の運航の専門家から、南風好天時経路は直線の進入経路であり、かつ、当該降下角は好天時のみ使用されることから安全性の問題はない旨の意見を頂いていることを踏まえ、安全性の問題はないものと考えており、「改めて着陸角度について検討する」こと及び「着陸角度」を「運用開始後に変更する」ことは考えていない


また、一(答1)についてで述べたとおり、IATA等との間では意見交換を行ったものであり、IATAが「要請」を行ったという事実はない

雑感(「安全性の問題はない」と言い切る)

質問書(約900文字)と答弁書(約1千文字)は別々の文書なので、上記のように一問一答形式に再構成しないと、内容を的確に把握することはできない。

「実機飛行確認以降に(略)IATAと面会をした」のは事実かと問われ、「実機飛行確認以降に(略)IATAと面会をした」という事実はないとか、実機飛行確認前に行ったのはIATAからの「要請」ではなく「意見交換」であると強弁している姿勢がいかにも今の政権らしい。

 

また、「改めて着陸角度について検討する必要がある」と問われ、「安全性の問題はない」と言い切る表現は、菅官房長官の物言いを彷彿させる。

あわせて読みたい(初鹿議員の質問主意書)

これまでに松原仁議員が提出した、羽田新ルートに係る質問主意書関連の記事:

※日付は本ブログで記事化した日

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